7月19日（水）J1 第13節 大宮 vs 磐田（19:00KICK OFF/駒場）
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　昨季はJ1残留、今季は７位以上が目標としながら、１２位と不本意な順位で１２節までを終えている大宮。オフの大量補強もありメンバーや布陣の試行錯誤を行いつつ進んできた１２節までとは違い、今後は方向性の定めて戦いたいところ。この中断期間には「１２節までの足りないところを積み上げて」（三浦監督）来ており、大量補強の成果と選手のポテンシャルが発揮されることに期待がもてそうだ。「開幕と同じくらい大事」と、再開初戦磐田戦に向け表情を引き締める指揮官。再開後４試合は週２回のハードスケジュールが待ち受ける。「勢いって何よりも大事」（小林大）なだけに、まずは初戦、磐田戦でその勢いを掴みたい。

　再開に向けて最大のポイントは守備面強化。１２節で既に２０失点。「去年、年間５０失点して７位以上に入っているのは優勝したガンバだけ(５８失点)。７位以内に入るためには４０失点前後に押さえる必要がある」と三浦監督は分析する。確かにマグノアウベス、アラウージョ、大黒を揃えた昨季のG大阪並の攻撃力はなかなか得難い（ちなみにG大阪８２得点、大宮は３９得点）。とすれば、失点を減らす必要があり、２２試合残す現時点で２０失点というのは、現状のままではあまりにも厳しい。

　そこで、これまでこのチームでは主に左サイドバックを務めてた土屋を、彼本来のポジションであるセンターバックで起用し、左サイドバックには昨季までそのポジションを守っており、対人に強さを発揮する冨田が入ることになりそうだ。
「もともとセンターバックとして良い選手なんだけど、彼の攻撃力に期待しての左サイドバック起用していた。でも（ナビスコ杯）名古屋戦でセンターバック起用したときにやはり彼の強さを感じて、どちらでもいけるなと。より真ん中を固める意味合いもあって」とこの土屋のセンターバック起用を三浦監督はこう話す。一方土屋も「チームとして機能するのであればどっちのポジションも良いけれど、やはり僕本来のこだわりはセンターバック」と話し、当然ながら不安なし。彼の統率力も含め、ディフェンスラインにも見どころができた。

　まずは、守備だが攻撃陣も楽しみな面々が並ぶ。チームへのフィット感を見せるグラウ、夏に向け調子を上げている桜井の２トップはJ1上位陣比べても決して遜色なく、見る者を楽しませてくれるだろう。
ボールキープ力に長けたふたりにボールが入ることで、中盤の押し上げも可能になり厚みのある攻撃を期待したい。また、彼らふたりは長身のポストプレーヤータイプではないため、ロングボールを多用した攻撃からは脱却せざるを得ず、逆に攻撃陣の連動したリズム良いパスサッカーを見せてくれるかもしれない。もちろん中心となるのは、１２節まで活躍著しかった小林大。チームで、そしてその先で様々な期待を寄せられる彼だが、好調を維持し、更なる成長を見せられるか。ホームサポーターだけでなく、日本中が期待する存在へと変貌を遂げるべき時が来ている。

　再開初戦、大宮にとっては鬼門の磐田が相手。カレンロバートや船谷といった若手に活躍のチャンスを与えてしまい昨年以来４連敗。（ナビスコ杯含む）
「ただちょっとしたきっかけがつかめてないだけで実力のあるチーム」 （小林大）「新監督になって前節引き分けているから、今節は勝ちにくる。波に乗らせたくない」（土屋）などと、選手たちも警戒感を露にする。攻守に実力者が揃い、戦い慣れたチームだけに、なかなか大宮にとっては難しい相手であることは間違いない。ただ、負傷で福西を欠き、名波の出場も微妙。今が、チャンス、ではあるのだ。

中断中、ワールドカップを見て「勝つチームはやっぱり勝利への執着がすごいなと思った」と感じ、三浦監督は選手たちにそんな話をしているという。

どんなチームでも勝ちにこだわる再開初戦、その執念をスタジアムで見せて欲しい。

以上

2006.07.18 Reported by 了戒美子