7月16日からオーストラリア・アデレードで開催されている『AFC女子アジアカップオーストラリア2006』。なでしこジャパンは予選リーグを3戦全勝。グループリーグを1位通過し、ワールドカップ出場の切符をかけた準決勝オーストラリア戦を27日に控えているのだが、アテネオリンピック終了後、大橋監督を先頭に作ってきたなでしこジャパンのここまでの道のりとは。このチームを発足当初から見続けてきた、J'sGOAL担当ライター日々野真理さんに語ってもらった。
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誕生しておよそ1年半、このチームの絆はここにきて確実に強いものになっていると感じる。特に『AFC女子アジアカップオーストラリア2006』を迎えるにあたり、そして大会に入ってからの彼女たちを見ていてそう感じるようになった。「今、チームがすごくひとつにまとまっている」と、澤選手が大会直前に話してくれたのだが、彼女たちを見ていて、それがはっきり伝わってくる。
「ひとつになってみんなで戦っている」・・・と。
アテネオリンピックが終わり、上田監督から大橋監督へと指揮官が交代、新たなチーム作りが始まった。大橋監督が掲げたのは「アジアを制するチームを作ること」そして「世界と戦えるチームを作ること」だった。そのために必要なこととして「個の強化」を強調し、監督自らの目でLリーグのチームや大学などから選手を招集し、強化合宿や遠征、親善試合を重ねてきた。昨年迎えた初の大会「東アジアサッカー大会」では、残念ながら結果を出すことはできなかったが、それはまだチーム作りの過程にあったこともあるだろう。
常にチームのムードは明るく、練習はピリッとした雰囲気で、一生懸命な選手が揃っている「ひたむきさ」が魅力のなでしこジャパン。しかし、大きなものを勝ち取るためにはそれだけでなく、「全員が同じ方向を見ていること」「ひとつになって何が何でも勝ち取るんだ、という気持ちで戦うこと」が、何よりも大切だと彼女たちは身をもって経験してきている。
今年に入って、アメリカとの親善試合をした5月頃だったように思うが、「チームがもっとひとつになること」、「そしてもっと全員が強い気持ちで戦う必要がある」・・・と、4年前ワールドカップの切符を取るために必死にプレーオフを戦ったこと、アテネオリンピック行きをかけて北朝鮮と戦ったことなど、数々の苦しい戦いを勝ち抜いて出場権を手にしてきた経験のある選手たちにとって、まだ少しそのムードに不安はあったようだ。
「もっと」という意味で、妥協をゆるさなかった。澤選手や、酒井選手、磯崎選手といった経験豊富な選手たちのリーダーシップが、そこで発揮された。短い日程の中でも合宿があれば、自分たちで何かを変えようと積極的にミーティングをしたり、若手の選手たちに話をしたりしたという。
福島での直前合宿(7月初旬)では大橋監督が「一番大切なのは、ひとつになって戦うこと」と明言したが、あきらかにそのあたりから、少しチームのムードが変わってきているように感じた。ちょうど同じ頃、安藤選手も「これまでは澤さんや上の人たちに頼ってばかりの今まででしたけど、私たちの世代もチームを引っ張るくらいの強い気持ちを持ってやっていかないといけないと思うんです」と、今までとは違う意識でのぞみたいという心境を語った。少しづつ、何かが変わってきている様子が伝わってきていた。
そうして迎えた今大会は、AFC女子アジアカップとしてアジアの頂点を目指すと共に、来年開催される「FIFAワールドカップ中国大会」への切符をかけた戦いであり、このチームにとって初めて「勝ち取りにいく」大会とも言える。冒頭に述べたように「今、すごくチームがひとつになっている」と話した澤選手。更には、19歳の永里選手も「この大会に入って、あきらかにムードが違う感じはしますね。みんなの“ワールドカップに行きたいっていう気持ち”そのために“勝ちたいって気持ち”が、はっきりひとつになったって感じがします」と語る。
この1年半、大橋監督を先頭に作ってきたチームが今、ひとつの結果を手にしようとしている。監督、スタッフ、選手、すべてのメンバーが本当にひとつになって戦いを迎える時の「なでしこジャパン」のムードへとあきらかに変わった。形で見えるものではないけれど、アデレードでの彼女たちの様子からは、確実にその絆の強さが感じられる。
いよいよ27日、なでしこジャパンにとっての決戦のときがやってくる。対戦相手は開催国「オーストラリア」だ。
以上
Reported by 日々野真理
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★AFC女子アジアカップ オーストラリア2006
【グループ分け】
グループA:中国、日本、ベトナム、チャイニーズ・タイペイ
グループB:朝鮮民主主義人民共和国、韓国、オーストラリア、タイ、ミャンマー
【グループA 順位表】
1位:日本(3勝)
2位:中国(2勝1敗)
3位:ベトナム(1勝2敗)
4位:チャイニーズ・タイペイ(3敗)
【なでしこジャパン 今後の試合スケジュール】
7月27日(木)16:00 日本 対 オーストラリア
7月30日(日)12:00 3/4位決定戦
15:00 決勝戦
※会場:Hindmarsh Stadium
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