●AFC女子アジアカップオーストラリア2006 3位/4位決定戦
7月30日(日)12:00(日本時間)/Hindmarsh Stadium
なでしこジャパン 2-3 北朝鮮女子代表
得点者:23分 RI, Un Suk(北朝鮮女子代表)、33分 RI, Un Gyong(北朝鮮女子代表)、39分 RI, Un Gyong(北朝鮮女子代表)、43分 安藤梢(なでしこジャパン)、89分 永里優季(なでしこジャパン)
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「遅すぎた。もう少し早く取れれば違っていた・・・」自身の得点を振り返り、永里が目を腫らして言った。3−1で迎えた後半のまさに45分、永里のヘディングで3−2と追い上げたなでしこジャパン。しかし、およそ4分間のロスタイムに追加点をあげることができず、ワールドカップ出場の最後の1枚の切符をかけた戦いで北朝鮮に敗れた。
7月30日、12時キックオフの日本vs北朝鮮の3位決定戦。日曜と言うこともあってか、多くの地元在住の日本人がHindmarsh Stadiumに応援にかけつけた。空は晴れているものの、吹く風は冷たい。右エンドとなったなでしこジャパンは、GK福元、4バックの右から安藤、磯崎、下小鶴、矢野、MF酒井、柳田のダブルボランチ、2列目に宮間と澤、ツートップには永里と大野の4−4−2。一方、左エンドを選択した北朝鮮は、3人のレギュラー選手が出場停止になったことで、これまでの4バックから3バックに変更。ダブルボランチに両サイド、1トップに2シャドーの3−4−2−1でスタートしたものの、立ち上がりから組織的、かつスピードのある攻撃をしかけ、急遽変更したとは思えぬほどの安定感を見せる。
特に、日本にとっては1トップの17番、RI, Kum Sukを中心に、ツーシャドウの9番RI,Un Suk、11番RI, Un Gyongの3人の動きが脅威となり、その3人により、前半だけで3点を許してしまう。前半23分、スローインから、17番のRI, Kum Sukが股下をスルーさせたボールに対し、走りこんできた9番RI,Un Sukのシュートがゴールネットを揺らす。続いてその10分後の追加点、ゴール前でパスをつながれ、11番のRI, Un Gyongが右足で浮かせたボールが福元の頭上を超えた。更にその6分後、9番のRI,Un Sukがドリブルで持ち込んで放ったシュートを福元がはじいたものの、そのこぼれ球に走りこんできた11番RI, Un Gyongの鋭いシュートが決まり3点目。
しかし、日本が準決勝のオーストラリア戦と違ったのは、それでも下を向かずに戦い続けたことだ。40分の永里のシュートを皮切りにペースを取り戻し、いくつかのチャンスを作り出す。前半終了間際の43分、日本のCKをいったんは北朝鮮がはじき、そのこぼれ球を自陣の右サイドで酒井が拾い磯崎へ。磯崎はそれを大きくゴール前に放り込み、澤がヘッドで落とす。そこへ二人の北朝鮮DFの間を抜けだした安藤が右足でシュート。とうとう日本にゴールが生まれ3−1で前半を終える。
後半から「サイドに大谷を入れて、サイド攻撃も有効に使っていこう」と大橋監督は指示を出し、安藤に代えて大谷を、更に大野に代えて荒川を投入。宮間が左、大谷が右のサイドに入り、澤のトップ下、永里と荒川のツートップの3−5−2でのぞんだ。北朝鮮は後半も前半とかわらぬ布陣。前半に比べ、日本のチャンスの数は増えたものの、特に中盤でパスやこぼれ球を北朝鮮に拾われてしまうシーンが目立つ。後半36分、「ペナルティーエリアの外からのシュート力に期待(大橋監督)」し、大谷に代えて阪口を投入した。時間が刻々と刻まれ、3−1のまま、まさにロスタイムに入ろうとしたその瞬間、宮間からの絶妙なボールに対し、ゴール前で「フリーだった(永里)」一瞬を逃さず、永里がヘッドであわせ3−2へと追い上げる。残りのロスタイムで、なんとか追いつこうとする日本に対し、北朝鮮はゆっくりと時間を進めようとする。
最後の最後まで走り続けたが、およそ4分間のロスタイムが過ぎ、試合は3−2で終了。ホイッスルを聞いたなでしこジャパンの選手たちはがっくりと肩を落とした。
「すみません・・・」試合後ミックスゾーンに姿を現した柳田は、最初にこの言葉を口にした。そして「気持ちの切り替えも大事だけど、気持ちの面だけじゃなくて、戦い方の部分で修正する点がたくさんあるので、そこをしっかりと修正していかないといけない」と続けた。澤は「自分たちの何がだめだったのかしっかり反省して、修正したい」とし、ロッカールームでは自分の気持ちも押し殺し、若手の選手を励ましてまわった。磯崎は修正点をいくつか話した後、「ただ、この前(オーストラリア戦)と違うのは、最後まであきらめずに全員が(気持ちを強く持って)戦うことが出来た。その点では、チームが成長したところを感じることが出来た」と語る。
敗れたがワールドカップに向けて「まだチャンスはある(澤)」。これで日本は、北中米カリブ海連盟の3位とプレーオフを戦うことになり、それが本当に最後のチャンス。ワールドカップ行きにのぞみをかける。(北中米カリブの最終予選は11月に開催予定で、その結果をうけて、日程、場所なども決まる)厳しい現実を目の前に突きつけられたこの日のことを忘れずに、「プレーオフに向けていい準備をしたい(大橋監督)」
一方、北朝鮮は、ワールドカップの出場権を手にしたものの「アジアカップを取るためにこの大会に来た」とKIM,Kwang Min監督は笑顔を見せなかった。90分を通して、球際の強さ、こぼれ球への反応の良さなど、3人の主力を欠いても一人ひとりの強さを見せ付けた。
日本vs北朝鮮に続いて行われたオーストラリアvs中国の決勝戦。オーストラリアが2点リードしたが、中国が追いつき延長へ。その延長戦でも決着がつかず、PK戦までに及んだ。PK戦は2−4。中国のGKが2本のPKを止め、自分たちは4本のPKを成功させ中国がアジアカップを手にした。今大会のMVPには、中国の9番MA,Xiaoxuが選ばれ、韓国の12番JUNG,Jung Sukと、日本の永里がともに7得点で得点王に輝いた。日本から唯一表彰式出席した永里は、盾を手に「これじゃなくてワールドカップ行きが欲しかった」と目を腫らしたままだ。
日本がアジアの頂点に立つまでには、まだいくつもの壁を乗り越える必要がある。決してあきらめずに走り続けよう。
以上
2006.07.30 Reported by 日々野真理
J’s GOALニュース
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