7月30日(日) 2006 J1リーグ戦 第16節
横浜FM 2 - 0 新潟 (19:04/日産ス/24,032人)
得点者:'42 ドゥトラ(横浜FM)、'49 山瀬功治(横浜FM)
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「絶対に岡ちゃんを辞めさせてはいけない。負けているのは選手のせいなんだし、一人ひとりが自分の仕事をしていれば、このチームは負けるはずないんだから」。J1リーグ中断明け初勝利をもぎ取った横浜FMのキャプテン松田直樹は、少し興奮気味に話した。
前節、アウェイで磐田に敗れた後の記者会見。岡田監督が「正直、この試合に懸けていたのだが…」と切り出したときは、誰もが『進退を頭に描いているのでは?』と感じていた。
決定力不足に悩む横浜FMは、第14節・福岡戦から4バックへシステム変更。しかし、福岡戦は圧倒的に支配しながらスコアレスドロー。続く磐田戦も前半0-0で終えたが、後半磐田のカウンター攻撃に沈んでしまう。「流れを変える何かを考えなければならない」と岡田監督が打ったこの日の手が、慣れ親しんだ3バックへの回帰だった。
センターバックは、松田・栗原、そして今季はボランチの起用が多い河合が戻った。トップ下には、腰の手術・リハビリから復帰した山瀬功治。トップには、4月に肉離れからリタイアした坂田大輔も名を連ねる。そして、2ボランチの一角にベテラン上野良治。
キックオフ直後から、横浜FMが果敢に攻める。開始数十秒でコーナーキック。山瀬のキックにマグロンのヘッドはGK正面を衝く。1分、ドゥトラの縦パスを山瀬が切り返してクロス。マルケスのヘッドは流れた。2分、裏へ脱け出た坂田のシュートもクロスバーを叩いた。新潟は完全に受け身になってしまい、好調のエジミウソンも前を向かせてもらえない。24分、ロングフィードのこぼれ球を拾って梅山が折り返す。寺川が右に動いてボレーを放つが、GK榎本達に叩き落とされる。
決定的なチャンスを外すうちに、相手にリズムを与えていたのが、これまでの横浜FMだったが、いい時間帯に先制点を奪う。42分、マルケスの左からのクロスが相手DFに当たり、これがドゥトラの前に。ドゥトラが利き足でない右でシュートを打つと、これも相手DFに当たってボールはゴールネット右隅に吸い込まれた。ドゥトラいわく「初めて決めた右足ゴール」。天に向かって感謝するように喜ぶドゥトラ、駆け寄るチームメート。
後半も立ち上がり早々に追加点を奪う。49分、マグロンのミドルシュートから畳みかけ、マルケスが左からクロスを送ると、フリーで飛び出した山瀬功が決めて2-0。その後、3点目、4点目を決めるチャンスもあったが、終始相手を自陣に追い込むサッカーを見せた横浜FMの快勝。気温24.7度、湿度59%という涼しさにも助けられてか、DFラインは下がらず、セカンドボールも拾い続けた。約3ヵ月振りの出場となる坂田は74分、「足がつるまで走り続けた」。正面、バーに阻まれるなどゴールは生まれなかったが、チーム最多のシュート6本。ベテラン上野も前からプレスをかけ、山瀬功とのワンツーで右サイドを鋭くえぐるシーンも見せた。ベテランも若手も、よく動き、久々に攻守がかみ合った試合だった。
今シーズン、「守備には目をつむっても攻撃的に行く」と宣言しながら、負傷者の続出などから当初のプラン修正を余儀なくされた岡田F・マリノス。選手たちも、監督の悔しさを肌身に感じながらも、結果が出ないことに悩み続けた。「3バックは監督もやり続けてきたシステム。だから、絶対に負けたくなかった」と言う田中隼磨も得意の運動量で貢献した。横浜FM、原点に戻って再出発。ショートブレーク明け(8月12日)、首位・川崎F戦に向けて意欲も十分だ。
一方、今シーズン初の3連敗となった新潟は、いいところなし。エジミウソンもペナルティエリアへの侵入を阻まれ、矢野も起点になれず。惜しかったのはロスタイム。船越のシュートがGKに弾かれ、押し込めるチャンスをコーナーに逃げられた。これで、3試合連続のスコアレスとなった。
以上
2006.07.31 Reported by 近藤泰秀(インサイド)
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