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【J1:第19節 甲府 vs 鹿島 プレビュー】連敗が呼び込む自信喪失のスパイラルには入らない。甲府は、前線と中盤の守備意識を修正して勝ち点3を奪い取る。(06.08.23)

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8月23日(水)J1 第19節 甲府 vs 鹿島(19:00KICK OFF/小瀬)
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-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
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2試合で9失点と名古屋と清水に得失点差の大バーゲンセールを行ってしまった甲府。その結果、順位は14位でも得失点差だけ見ればリーグワースト2位のマイナス18点。考えたくはないが、終盤になって得失点差で苦労することがないように、失点の理由を分析して甲府は勝ち点を重ねて行くしかない。

この大量失点の理由を考えるには第16節の浦和戦(1−1)まで戻らなくてはならないだろう。この対戦では、Jリーグで最もリッチなクラブに、リーグ最低予算の甲府が互角以上の戦いを見せた。しかし、浦和は徹底的な分析を行っていないと思われる戦い方で、甲府の中盤はそれほど苦労することなく戦うことが出来てしまった。そして、第17節(名古屋)、第18節(清水)はサイドバックが積極的に攻撃参加してこない相手だった為、甲府の前線と中盤は守備で楽をしてしまった。その結果、ディフェンスライン(特にセンターバック)の負担が増えて大量失点を許してしまった。表面的には甲府のセンターバックの瑕疵が浮き出てしまったが、それだけではない。前線と中盤が効果的な守備をしてくれなければディフェンスラインは守りきれない。前線がサボれば、中盤にしわ寄せが来るし、中盤がサボれば、ディフェンスラインには更に大きなしわ寄せが来る。つまり、前線と中盤がしっかり守備をしなければ、ディフェンスラインは相手がミスすることを祈りながら守るしかなくなる。

だが、ディフェンスラインに問題がないわけではない。2対2の場面で、相手がターンオーバーした時にマークする相手をスイッチするのか、そのまま付いて行くのか、コミュニケーションが不十分な場面はあった。数的不利な場面やカウンターを受けた時、守備の優先順位を再確認する必要もある。ゴールに遠い選手は捨てて、ゴールに近い選手をマークしなければならない。あとは、味方の戻りを待ちながら、GKを信じてプレーすればいい。ただ、どうしようもない点もある。スピードなどの身体能力で負けた場面だ。しかし、甲府にはエリート選手やスター選手はいない。ファビオ・カンナバーロ(ITA)はいないのだ。
J1やJ2で出番のなかった選手や、解雇された選手が大木監督のもとで再起を賭けて、ギリギリのところで身体を張って勝負し、人とボールを動かしてJ1に昇格したチーム。選手個々の能力をリッチなチームと比べても仕方がないのだ。それをカバーできたからこそ、J1に甲府はいるのだ。

結論は、守備でも攻撃でも運動量で相手を凌駕するという基本に戻るだけ。大量失点をした2試合でも攻撃面ではチャンスは作ることが出来ていた。一番の課題となるのは前線からの守備の意識を立て直すことだろう。それが出来れば名門・鹿島相手に勝負は出来るはずだ。柳沢、アレックスミネイロを甲府のディフェンスラインがどう抑えるのかという見方だけではなく、彼らにパスを出す選手にどれだけプレッシャーを掛けることが出来ているのか注目して欲しい。攻撃面では恐らくバレーは不在となりそうだが、須藤、山崎、大西に期待したい。ボールを奪うという部分が改善されれば、チャンスは増える。鹿島はJ1上位チームの中でも失点が多いだけに、集中力を切らさずゴールを狙って欲しい。

鹿島は今節内田が出場停止のために、右サイドバックに誰を入れるのかという点がポイントになる。新井場を右サイドに入れてファビオ・サントスを左に入れるか、青木を右に入れるかなど、いくつかのオプションが考えられる。また、スーパーサブに甘んじている本山が先発で登場することはほぼ確実。小笠原とどんなコンビネーションを見せるのか注目だ。優勝争いをリードするG大阪や浦和にすがり付くためにも、鹿島にとって勝って当然の甲府戦。しかし、甲府のここ2ゲームをみて、甘く見ると勝ち点の停滞を強いられる可能性も少なくはない。川崎F、横浜FMに勝ち、浦和と引き分けたチームという認識で臨まないと、甲府・海野社長のスーツの胸に「名門・鹿島に勝った」という新たな勲章を増やすことになりかねない。

以上

2006.08.22 Reported by 松尾潤
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