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【J2:第35節 東京V vs 柏 レポート】4-1で東京Vが3試合ぶりの勝利、そして柏に今季初勝利を飾る。(06.08.23)

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8月22日(火) 2006 J2リーグ戦 第35節
東京V 4 - 1 柏 (19:04/国立/8,043人)
得点者:'11 平本一樹(東京V)、'13 平本一樹(東京V)、'55 シウバ(東京V)、'61 北嶋秀朗(柏)、'78 マルクス(東京V)
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 必要なのは「劇的な勝利」なのだという。大宮在籍時代に昇格争いに敗れた経験も、それを成し遂げた経験も持つ金澤慎の言葉は的を射ているのではないか。『劇的』を演出する要素は自分たちだけで作り出せるものではなく、だからこそ「チームはまとまり、自信になる」という言葉につながるのだろう。残り15試合、「全勝しないといけない状態だと思う。ひとつ勝つことだけが目的ではない」(金澤)のだ。その『目的』を達成するために必要な劇的な勝利をまずひとつ東京Vは挙げた。

 柏に今季初勝利。東京Vは神戸にも今季2敗しているだけに、同じ降格組からの1勝の意味は小さくはない。だが、もう残された時間は少ないことも確か。勝点49の5位へと一つ上げたが、それでも首位柏の勝点62には遙かに及ばない。自動昇格圏内の2位横浜FCは今日4位仙台と対戦があり、仮に横浜FCが勝利すれば勝点62が2チームとなる。3位神戸は57(今日鳥栖に勝利すれば60)、4位仙台は53(横浜FCに勝利すれば56)。しかも6位札幌は46で追い上げてくるし、7位山形、8位鳥栖も同44となっている(※順位表は→こちら)。とにかく、単純に喜べる状態ではないのだ。ベストは優勝だが、最低でも3位以内に入らなくてはならない、そんなことは分かり切っているのだが・・・。

 試合は、徹底的な柏対策が功を奏した。実質前日練習のみだが、「3-5-2」で来るであろう柏の両サイドのケアを確認した。東京Vの右サイドでは「期するモノがあった」藤田と金澤が左サイドに流れてくることの多いディエゴ封じた。ゼ・ルイスもボランチで潰し屋として機能。前線からの追い込みもこの日は抜群だった。また、攻撃はシンプルに長いボールを入れ、マルクスを起点に2トップ平本とシウバの強さとスピードを生かすことを狙った。相手のミスも誘発し11分カウンターから平本が、13分中央からフリーで金澤がシュートを放ち混戦の中平本が背中で押し込む。柏の士気を奪った前半だった。

 後半、柏が巻き返しを図り、選手交代を早々に行って来た。柏の強さの秘訣のうちの一つはこの選手交代にある。「先発なんて誰でも良い。後半勝負をかけられることが大事だし、うちはそれができる」と石崎監督が話したことがある。選手も監督采配を信じているし、石崎監督の人柄もあるだろうが、その手腕を選手たちが誇りに思っているふしがあるのだ。だが、この日はそれがプラスに働くことはなかった。55分、自陣でパスカットしたゼルイスが前線に持ち込みシウバへスルーパス。シウバはGKとの1対1を制し、3試合目にして来日初得点を挙げる。この日シウバはそのスピードで相手を翻弄したことを忘れてはならない。
この後「いらない失点」(平本)を途中交代の北嶋に喫するが、その後きっちり追加点。78分中央ルイスから右サイド金澤、それをオーバーラップした藤田へとボールは渡り、その右クロスを中央でマルクスがダイレクトボレー。試合は完全に決着がついた。

 試合後もJ1時代に比べどこか重いプレッシャーが両チームを包む。
 特に負けたものの首位をキープした柏など、まるでもう昇格がなくなったチームのよう。「弱すぎる」「もろすぎる」「言われたことが出来ていない」などなど。前節勝利した水戸戦と併せて振り返る話でも、まるで負け試合を振り返るかのようでもあった。今季序盤に3連敗(8節〜10節)を喫したことで、負けた後勝つことの難しさを知っているからなのか。ただ意識の高さ、チームとして昇格しか望んでいないことが伝わってくる。

 一方の東京Vはそれに比べてどうだろうか。比べてしまうと、やはりまだ「劇的な勝利でひとつになる」必要が大いにあるように見えてしまう。ただ、そのチャンスが残されていることが幸いだ。次戦は3位神戸とのアウェイゲーム。厳しいことは間違いないが、勝たない限りその先もない。

以上

2006.08.23 Reported by 了戒 美子
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