8月30日(水)J1 第21節 広島 vs 磐田(19:00KICK OFF/広島ビ)
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「努力は必ず報われる」
昔、いつも親や教師から言われていた言葉である。が、脳科学者の茂木健一郎氏の小学校時代の恩師によれば、この言葉には続きがあるようだ。「だけど、どんなに努力をしても壁にぶち当たる時期がくる。その時期を我慢して努力を続けてこそ、報われる日が来るのです」
今、この両チームの選手たちがもっとも噛み締めないといけないのは、この言葉ではないか、と個人的には思う。
広島も磐田も、ワールドカップ・ブレイク中に新監督を迎えた。広島は、イビツァ・オシム日本代表監督の薫陶を受けたミハイロ・ペトロヴィッチ監督。磐田は、かつての磐田黄金時代に活躍した経験を持つアジウソン監督。しかし、新しい監督がやってきたからといって、すぐにチームが勝てるようになるわけではない。少しずつ、一歩ずつ、変化は起こっていくものだ。昨年の大分をあっという間に立て直したシャムスカ監督の業績は、ほとんどありえない奇跡的なものだったからこそ、「マジック」と呼ばれたのである。あのベンゲル監督(現アーセナル)が名古屋を変革した時も、最初の8試合は1勝7敗だったのだ。
広島の戦績は、7月の再開以降3勝5敗。磐田は3勝3分3敗(スケジュールの関係で1試合多い)。就任前が2勝4分6敗(広島)・4勝4分3敗(磐田)であるから、特に大きな変化は見られない。しかし内容面では、特に広島は劇的に変わったと言っていい。
まず、メンバーだ。以前は重用された小村徳男やベットがはずれ、ジニーニョはチームを去った。そして青山敏弘や柏木陽介といった、それまで1度もリーグ戦に出場したことのない選手たちがレギュラーの座を獲得した。また、小野監督の信頼を失ってベンチ用員となり、望月監督時代は戦術的な理由で起用されなかった森崎浩司が、今は若きMF陣を牽引する活躍を見せている。戸田和幸はリベロとして新境地を開拓し、オーバートレーニング症候群に陥っていた森崎和幸もまた、右DFという新しい場所で可能性を見せつけた。
さらに戦術も変わった。明らかに攻撃的になった。戸田・森崎和・ダバツという3バックは、スペースがあれば前にドリブルで進み、精度の高いパスで攻撃の起点となる。守備時も後ろで構えるのではなく、積極的にボールを奪いにいく攻撃的守備を仕掛ける。中盤は、若い3人が次々にポジションを変え、スペースを鋭くつく飛び出しを見せる。そのため、彼らMF陣がFWのラインを追い越す動きを見せる回数は、間違いなく増えた。ペトロヴィッチ戦術が浸透し、今のメンバーが確立されたG大阪戦以降、MF陣がゴールを重ねているのは決して偶然ではない。その成果が、7月以降の8試合で1試合平均得点1.63という数字。ペトロヴィッチ監督就任前の平均得点は1.17だったわけだから、飛躍的に伸びたと表現していい結果だ。
一方の磐田は、起用する選手に大きな変化は見られない。2年目の磐田ユース出身MF上田康太が抜擢されたくらいだろう。ただ、アジウソン監督の特徴は、相手に合わせてポジションやシステムを細かく修正すること。例えば上田は左サイドバックやボランチ、福西崇史は本職のボランチだけでなくトップ下、時にはFWの位置でプレーする。DFラインの枚数も、相手の戦術に合わせて3バックと4バックを使い分ける。パスをつないで攻めるという基本コンセプトをベースに、枝葉となる部分はアジウソン流の味付けがなされるようになったのだ。
数字で見れば、明らかに攻撃面での成果が見える。1試合平均得点も1.89と山本監督時代の1.45を上回っている。失点数は若干増えているものの、山本時代には1度しかなかった1試合3得点を既に4度も記録。爆発力は間違いなくあがった。
両チームとも、新監督になって状態は上向きと言っていい。だがそれが、爆発的な勝利の連続に結びついていない。素晴らしい内容で勝ったかと思えば、不甲斐ない闘いを見せたりもする。そこで思い出したいのが、冒頭の言葉だ。もう一度、書いておこう。
「努力は報われる。壁と出会っても我慢強くやり続ければ」。
明日の試合では、両チームとも今までやり続けたことを信じて、我慢強く貫き通してほしい。それが、夏休み最後のJリーグの試合に駆けつけるだろう少年少女たちへの、プロ・フットボーラーとしてのメッセージとなるはずだ。
以上
2006.08.29 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
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