8月30日(水) 2006 J1リーグ戦 第21節
F東京 2 - 3 C大阪 (19:04/国立/21,041人)
得点者:'2 河村崇大(C大阪)、'18 ルーカス(F東京)、'52 藤本康太(C大阪)、'82 西澤明訓(C大阪)、'89 馬場憂太(F東京)
----------
夏休み最後のJリーグ開催日となった8月30日、国立競技場をホームにF東京がC大阪をむかえた。試合開始前には、「FC東京中学生クラブ」の会員の中から選ばれた3名によって、国立競技場の聖火台に灯がともされたが、この数時間前には、日本の2016年オリンピック開催立候補地として東京が選ばれており、夏の夜の国立にともされた聖火台の灯は、まるでそれを祝っているようにも見えた。
F東京は、負傷した茂庭に代わって増嶋が、出場停止の徳永に代わって右サイドバックには伊野波が入った。そして前節まではベンチスタートだった阿部がスタメンに。「サイドからのボールに飛び込める(倉又監督)」ことを期待されての投入に、阿部も「しっかりゴールに絡んでいきたい」と意気込みを話した。一方のC大阪は大久保とブルーノ・クアドロスが出場停止のこの試合だが、藤本、前田、柳本、山崎というメンバーで「F東京のサイド攻撃に対応するため(古橋)」4バック、そして西澤、古橋、森島、そしてC大阪での初スタメン出場の名波が前で攻撃を組み立てる。
前半2分、早々に試合が動いた。F東京にとっては「前線からプレッシャーをかけたかったが、それがうまくいかなかった(石川)」ことを修正しようとしていた時間だった。名波の左からのクロスに西澤がヘディングであわすも、ポストに。しかし、そのこぼれだまにボランチの河村が鋭く走りこんでC大阪が先制。C大阪にとっては早い時間から勢いがつく展開となった。しかし、18分、赤嶺の突破を阻止しようとしたC大阪の前田がゴール前でファウルをおかし、F東京がPKを得る。これをルーカスが冷静に鋭いシュートを決めて1−1。F東京は、早い時間に追いついたことで次第にリズムをつかみ始めた。23分に梶山がミドルシュート、終了間際には阿部がゴール前でシュートを放つなど数々の決定的なチャンスは見られるもののいずれも得点ならず。一方、終了間際にはC大阪がFKを得る。古橋、名波が並び緊張が漂った瞬間だが、古橋が蹴ったシュートは土肥が片手ではじき、1−1のまま前半を終了。ともにチャンスをいかしきることは出来なかった。
後半冒頭から、F東京は赤嶺に代えて馬場を、前半で足首を痛めた増嶋に代えて中澤を投入。「前線でチャンスに絡め」と馬場に指示を出し送り出した倉又監督。トップ下に馬場が入ったF東京は、前線でリズムを作り始めた。しかしそんな流れの中得点を加えたのはC大阪だった。後半7分、名波の蹴ったCKに中央で藤本があわせ追加点、C大阪に追い風となった。「どうしても勝ち点3、絶対に勝ちたい」とこの試合に向けて熱い思いを語っていた河村はチャンスがあればと積極的に前へ前へと飛び出し、ゴール前に幾度となく顔を出し、磐田時代に慣れ親しんだ名波とのプレーにも阿吽の呼吸を感じさせる。13分には中澤のファウルでFKを得たC大阪。前半と同じく名波と古橋がボールの前に並んだ。今度は名波が左足を振りぬいたが、バーに当たりゴールならず、跳ね返ったボールに対して森島が反応するもオフサイド。スタジアムにかけつけた21,000人を超える観客が大きく沸いた瞬間だった。
F東京は後半の18分、浅利に代えて栗澤を投入、3枚目のカードを切った。一方のC大阪は25分、ここまでゲームをコントロールしてきた名波に代えてピンゴを投入、退く名波にセレッソサポーターからは大きな拍手が送られた。その後31分には森島に代えて運動量豊富な柿本を投入した塚田監督。その間、F東京は、伊野波を左サイドにポジションチェンジさせ、左に伊野波、右に石川という形で、DFの右に藤山を移し、ほぼ3バックの形へと変更。攻撃を仕掛け続けるもゴールが遠いF東京。後半37分にはC大阪が西澤のゴールで追加点、3−1となる。ロスタイムに馬場が執念で押し込むも3−2で試合終了。C大阪が今シーズン3勝目で最下位を脱出することになり、嬉しい勝利を手にした。
交替したあともベンチに座らずピッチの中に声を送り続けた名波は、試合後に「座ったらやられそうだったから座らなかった。声を送ることで何か伝えられればと思って」と笑顔を見せながら語った。前線に豊富なタレントを多く抱えるC大阪に名波が加わったことによる、攻撃の多彩ぶりに期待を高めることが出来る試合でもあった。一方のF東京は後半放ったシュートはC大阪の倍以上の15本、チャンスを決めきれずゴールに嫌われた試合となった。「そうしたチャンスを決めきれる試合とそうでない試合があった」とこの4連戦を振り返って石川は語ったが、倉又新監督体制のもと、その課題を克服することこそが安定した力を発揮させることにつながることは間違いないだろう。そして、終了間際になればなるほどひときわ目立つ動きを見せた伊野波のそのスタミナと、「オールラウンド(倉又監督)」と評価されるプレーを今後F東京がどう活かしていくのか、ここにも期待したていたい。
夏休み最後のリーグ戦、国立のナイトゲームで笑ったのはアウェイのC大阪だった。
これで夏は終わった。ここからおよそ10日間の中断をはさみ、いよいよ秋の戦いへと突入する。
以上
2006.08.31 Reported by 日々野真理
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第21節 F東京 vs C大阪 レポート】F東京が22本のシュートを放つもチャンスを決めきれず連敗。C大阪は3勝目をあげ最下位脱出。(06.08.31)















