9月9日(土) 2006 J1リーグ戦 第22節
大分 0 - 0 福岡 (19:04/九石ド/26,841人)
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試合終了の瞬間、スタジアムが静寂に包まれた。歓喜ではない。しかし落胆でもない。サポーターの複雑な思いが、その静寂に込められていた。
更なる上位進出を目指す大分にとっては取りこぼしは許されない。たとえ、エジミウソン、トゥーリオの2人を欠こうとも、中東から帰ってきたばかりの梅崎司と西川周作のコンディションが万全でなくても、勝利が必要なことに変わりはない。実際、後半は一方的に福岡を押し込む展開にも持ち込んだ。しかし、ゴールを奪うことができずにスコアレスドロー。様々な事情を考えれば最低限の仕事は果たしたが、決して満足のいくものではなかった。
一方、真夏の5連戦を終えて仕切り直しの1戦を迎えた福岡にとって、この日の試合は本来の姿である「0に抑えて勝つ」というスタイルをやり遂げることが最大のポイントだった。累積警告で千代反田を欠く最終ラインは柳楽智和が合格点の出来を見せ、ピンチにはボランチもFWも体を張ってボールをはじき返した。そして8試合ぶりの無失点試合。最下位からの脱出を果たした。しかし、福岡にとって何よりも優先されるのは勝ち点3。喜びを口にすることはできなかった。
「前半は、本来うちが出せるプレーができなかった」(シャムスカ監督・大分)。チームに大きな問題があったわけではない。しかし、バランスを取ることに注力した西山哲平と藤田義明のダブルボランチは守ることはできても前へボールを運ぶことができず、大分から、いつものスペースへ飛び出していくダイナミックなプレーが影を潜めた。さすがの梅崎も本来のキレはまったく感じられず。全体的にミスが多く、簡単に相手にボールを渡してしまうシーンも散見された。
そんな大分の前に主導権を握ったのは福岡。ボールをほぼ一方的に支配すると、人もボールも良く動かして試合を進めていく。全体のバランスはまずまず。深谷友基に決定的なシュートを浴びたものの、打たれたシュートは2本に抑えた。しかし、サイドに蓋をして5バック気味に引いて守る大分のDFをどうしても崩しきれず。それでも手に入れた3回の決定機も決めきることができなかった。いずれかがゴールネットを揺らしていれば、試合の行方は違ったものになっていただろう。
後半に入って主導権を握ったのは大分。「相手も疲れて動けなくなるんで、ボランチの位置から前へ飛び出せばチャンスが増えると思った」(藤田・大分)。この動きを福岡は捕まえられない。そして間延びした中盤を使って大分が攻め込む時間帯が増えていく。「後半に入ってから、やっと本来の力を見せることができ、点を取るチャンスもたくさん作れた」(シャムスカ監督)。そして、20分過ぎから何度となく決定機を作り出した。だがゴールだけが遠かった。
そして福岡は、大分のミスにも助けられながらも粘りを見せた。中盤は支配されたものの、最後のところでは体を寄せてシュートコースをふさぎ、体を投げ出してシュートをブロックした。ここまでディテールの部分を押さえきれずに失点するシーンが目立ったが、この日は集中が途切れない。そして88分、交代出場のラファエルの決定的なシュートをGK水谷雄一がスーパーセーブ。そして2分間のロスタイムを終えて試合終了のホイッスルが鳴り響いた。
両チームにとって、決して満足とは言えない結果だった。しかし、ここは、ともにポジティブに捕らえたいところだ。大分は暫定ながら5位に浮上。ここまで、エジミウソンとトゥーリオが引っ張ってきた中盤だが、西山、藤田の2人が新たな可能性も見せた。そして福岡も、一時は完全崩壊したかに見えた守備に粘り強さが戻ってきた。ようやく、自分たちが戻るべき場所を確認できたことは、これから続く苦しい戦いのよりどころになるはずだ。求めた勝ち点3を手にすることはできなかったが、互いに及第点はつけられるゲームだったと言えるだろう。
以上
2006.09.10 Reported by 中倉一志
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