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【J1:第22節 F東京 vs 甲府 レポート】魔の17分間、青赤決戦に散ったF東京が今季初の3連敗を喫する。(06.09.10)

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9月9日(土) 2006 J1リーグ戦 第22節
F東京 1 - 3 甲府 (18:34/味スタ/21,382人)
得点者:'23 茂原岳人(甲府)、'32 バレー(甲府)、'38 バレー(甲府)、'47 ルーカス(F東京)
★ハイライト&会見映像は【こちら】
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試合後、充実した表情で記者陣のインタビューに応えるバレー、茂原岳人ら甲府の選手たちとは対照的に、F東京の伊野波雅彦が無言のまま足早にバスに乗り込んでいく。その光景が、今日の試合のすべてを物語っていた。

今節のJ1では多くのダービーが組まれたが、味の素スタジアムで行なわれたこの試合は、ともに青と赤を基調にするチーム同士の対戦となった。キックオフ前にはサンバ隊の情熱のダンスがスタジアムを盛り上げ、青赤の誇りをかけた戦いに向けて、両ゴール裏からもチームを鼓舞するチャントが鳴り響く。熱戦を期待させる雰囲気がスタジアムを覆う中、試合の火蓋は切られた。

F東京は試合の入り方がまずかった。ケガ人の影響から、右から徳永悠平、ジャーン、藤山竜仁、伊野波の4バック、中盤底には三浦文丈、梶山陽平が並ぶ守備ブロックとなったが、序盤からアウェイの甲府の勢いに押し込まれていく。茂原を頂点にバレー、山崎光太郎が並ぶ甲府の3トップは激しくポジションを入れ替え、豊富な運動量で前線からF東京DF陣をかく乱。7分には早くもバレーに抜け出されて決定機を与えてしまったF東京は、甲府が見せる鋭いカウンターに、すっかり出鼻を挫かれた格好となってしまう。

しかし、10分も過ぎた頃になると、落ち着きを取り戻したF東京も反攻を開始。徳永、伊野波らがサイド攻撃に活路を見出し、これで得たセットプレーから次々とチャンスを生み出していく。しかし、21分に相手のパスミスから得たGKとの一対一を戸田光洋が外した場面が、勝負の分かれ目だったのかもしれない。好機をモノにできず、セットプレーから失点する。サッカーの世界で往々にして起こり得る展開をなぞるかのように、F東京はCKから甲府の茂原にあっさりと決められてしまった。

これで挫けているわけにはいかないホームチームは、その後もゴールをねらったが、32分には藤山が相手を倒したとして無情のPK宣告。これをバレーに難なく決められると、F東京は焦りからかパスミスを頻発し、38分にはバレーの馬力のある突進を止め切れず、敢えなく3失点目。まさに魔の17分間とでも呼びたくなるような立て続きの失点劇に、久々のホーム味スタには甲府の歓喜がこだまするだけとなった。

前半終盤には攻撃に出るしかなくなったF東京が再び甲府を押し込み始め、ここでも決定的場面を作り出したものの、やはりゴールを陥れることはできないまま後半へ。「内容は悪くない」、ハーフタイムにそう語ったF東京の倉又寿雄監督だが、指揮官はここで勝負に出た。ともに久々の先発となった三浦、戸田に代えて、栗澤遼一、川口信男をふたり同時にピッチに送り込む。すると、開始早々に相手の連携ミスを突いたルーカスが今季14得点目を決めて、反撃の狼煙を上げることに成功する。

しかし一方で、その後も甲府のカウンターに脅かされるシーンが続き、F東京は試合の流れを完全に引き寄せるには至らない。相手が引いた状態で前線に入った川口は持ち味のスピードを活かせず、三浦が抜けた中盤では梶山が守備に奔走する状況となり、みるみるうちに疲弊が露になっていく。途中、馬場憂太に代わった阿部吉朗がストライカーらしい動きで前線にリズムの変化をもたらしたが、結局典型的な負けパターンを覆すことはできず。決めるべきところで決め切れなかったF東京は、負けるべくして甲府の前に沈むこととなった。

試合後、倉又監督は「サッカーは難しいものだと痛感した」と振り返り、事前のプランどおりに試合が運ばなかったことを明かにした。主力選手のケガ人の影響が多分にあるとはいえ、チームは2連勝ののち3連敗、さらにここ5試合のうち3試合で3失点を喫するなど、目標とする「堅守速攻」を実践するには程遠い結果となっている。「今日は皆少し下を向いてしまっていたところがあった」と石川直宏も語ったように、ここにきてチームの勝利への欲求が減ってきているのも気になるところだ。「攻守の切り替えが千葉戦(第18節)に比べて悪くなってきている」と続けた石川。理想は既に見えている。8勝3分け11敗、11位。今はただ、現実を見つめてこの道を愚直に進んでいくしかない。

会心の勝利を収めたにも関わらず、甲府の大木武監督は「経験不足なのかなという気がした」とチームに厳しいコメントを寄せたが、奇しくもこれは若手選手が中心となろうとしているF東京にも当てはまる言葉だろう。1シーズン、1試合のなかで、いかにして浮き沈みの幅を小さくしていくのか。また、いかにして「気持ちで相手を凌駕する」(大木監督)のか。今のF東京には、相手チームから学ぶべきことはまだまだ多い。この日攻守に獅子奮迅の活躍を見せた甲府の山本が「この間は下を向いてしまったので、今日は上を向いた」と語ったように、ここからのF東京の意地の反撃を期待したい。

以上

2006.09.10 Reported by 平松順二(ISM)
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