●高円宮杯 第17回全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会 決勝
10月9日(月・祝)13:00/埼玉
名古屋グランパスエイトU-18 vs 滝川第二高校
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前日までの荒れた空模様が一転、澄んだ青空の下、国立競技場で、高円宮杯全日本ユース(U−18)の準決勝2試合が行われ、名古屋グランパスエイトU−18と滝川第二高校が決勝に進出した。
久しぶりに快晴となった、東京地方。スタンドに掲げられた日の丸も大きく揺らぐほどの強風。その中で行われた第一試合。
先にペースをつかんだのは初芝橋本。DFラインからボランチを経由し、ワイドに開いた両サイドを使った展開でチャンスを作る。この日、起点となっていたのは右サイドバックの太田浩輔。思い切りのよい飛び出し、効果的なサイドチェンジとピッチを目一杯走り回った。しかし、決定的なチャンスでシュートを決めきれず、流れは徐々に名古屋に傾いた。
「前半は最悪の0−0。最高の後半にしようと選手を送り出した」という朴才絃監督の言葉通りに緊張がほぐれだした名古屋は、吉田麻也を中心にしっかりと守備から入り、花井聖の個人技や新川織部の突破など、タレント集団といわれる個人の強さ、うまさを見せ、後半は押し気味に試合を進めた。
そして試合終了直前の後半43分。
「GKが前に出てくるのが分かっていたので、ああいう(ループ気味の)シュートは狙っていました」と、満面の笑みだった花井。スタンドもピッチもベンチさえも意表をついたシュートは、美しく弧を描いてゴールに吸い込まれた。
「ミスもあってなかなかうまくいかなかった。でもハーフタイムに(自分たちで)話し合ったら自分たちのサッカーをできるようになった。タレント集団といわれるのはありがたい。だから、一人ひとりがもっと強い意識を持ってやらないといけない。絶対にチャンピオンになりたい」
1−0での辛勝に、キャプテン・吉田(名古屋U-18)は気を引き締めた。
続いて行われた第二試合。
関西プリンスリーグでも2度対戦しているガンバ大阪ユースvs滝川第二高校。
「G大阪にはずっと負けている。倉田秋くんが中心で、チームのいい所、強い所も分かっている。今さらどうしようということもなく、国立を楽しもうと臨んだ」(滝川第二・金崎夢生)
この日も、滝川第二の出足の早さ、攻守の切り替えの早さは健在。さらに、前線からの激しいプレスでボールを奪うと、一気にゴール前まで押し上げ、必ずシュートで終わらせていた。勝ちたいという気持ちが選手たちに乗り移ったかのように、試合の立ち上がりはG大阪を圧倒。それがスコアに表れた。前半19分、相手のクリアボールが田中大二郎に当たって幸運な先制が生まれると、直後の20分。
「これまで(G大阪に対し)先制しても逆転されていた。2点目が大事だった」(滝川第二・黒田和生監督)
右サイドを突破した橘章斗が「コースがあいていたので狙うだけ」と思い切りよく放ったシュートがポストに当たりながらもゴールイン。
「あの2失点でがっくりときた。相手の勢いを感じた」(G大阪・安田晃大)
「1点目も運。2点目もポストに当たって、どちらに行くかわからなかった。でもこの運と勢いを大事にしたい」と、試合後、混み合うミックスゾーンで、黒田監督は紅潮した顔を見せながらそう話していた。
国立での1勝の重みを十分に知り尽くしている滝川第二にとって、まさに国立での準決勝は鬼門ともいえただろう。G大阪に1点を返され、苦しい試合だったともいえるはずだ。しかし、それを上回る運と勢いが、今の滝川第二には確かにあった。そこには確固たる全員の意思があるからだろう。「絶対に(決勝で)勝って、黒田監督を胴上げしたい」(滝川第二・橘)
さて、10月9日(祝)に埼玉スタジアムで行われる決勝戦は、名古屋U18と滝川第二の顔合わせになった。クラブと高校の対決は、どちらに分配があがるのか。
「クラブユースでも、昨年の全日本ユースでも苦しい思いをした。絶対にチャンピオンになりたい。チーム一丸となって(王者を)目指します」(名古屋U−18・吉田麻也)
「アクションを起こして、攻撃的にいくのが名古屋のサッカー。高校サッカーは大きく取り上げられていて、クラブの代表として負けられない」(名古屋U−18・花井聖)
と名古屋勢が口にすれば、滝川第二も負けていない。
「関西勢が3つ残って、最後はウチだけになった。関西代表として立派な試合をしたい。名古屋には昨年勝っているが、相手は燃えてくると思う。勢いに負けないように(決勝に)臨みたい」(滝川第二・黒田監督)
「今まで強いクラブを倒してきた。最後も自分たちのサッカーをして、優勝する」(滝川第二・橘)
キックオフは13:00。クラブが勝つか、高校が勝つか。大会の醍醐味を味わえるゲームを、その目で確かめてもらいたい。
以上
2006.10.07 Reported by 青柳舞子
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●高円宮杯 第17回全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会 準決勝
準決勝第1試合
10月7日(土)12:00/国立
初芝橋本高校 0-1 名古屋グランパスエイトU-18
得点者:'88 花井 聖(名古屋)
準決勝第2試合
10月7日(土)14:30/国立
ガンバ大阪ユース 1-2 滝川第二高校
得点者:'19 田中 大二郎(滝川第二高校)、'20 橘 章斗(滝川第二高校)、'53 星原 健太(ガンバ大阪ユース)
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