今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第47節 仙台 vs 山形 レポート】みちのくダービー最終戦で勝点1を分け合った「無念」の山形と「後悔」の仙台。解釈を分けた双方の戦いぶりとは?(06.10.28)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
10月28日(土) 2006 J2リーグ戦 第47節
仙台 0 - 0 山形 (14:04/ユアスタ/13,831人)
★ハイライト&会見映像は【こちら】
----------

この試合について、一言で片付けるならばこうなる。
「立ち上がりからペースを握り続けた山形。仙台も65分前後から流れを引き戻し怒涛の攻撃を見せるが、双方ゴールは割れずにスコアレスドロー」
だが、内容について、もう少し詳細を語る時間を与えてくれるなら、キーボードを叩く私の指が紡ぎ出すのは、山形視点での「無念」と、仙台視点での「後悔」である。無念と後悔、同義にみえて、ここでの意味は大きく異なる。それを双方示していくことで、2006年みちのくダービー最終戦のマッチレポートに代えたい。

山形が感じさせた「無念」。それはすなわち「序盤から圧倒しながら、仙台にとどめを刺す、たった1点が取れなかったこと」に尽きる。
出だしの悪い仙台に対し、山形は立ち上がりから攻守にわたり積極的に仕掛けて、一気に主導権を掴んだ。ボールを奪ってからの動き出しが鈍いため相手に守備のベースを作られる上、そうした守備陣に対して、ここ数節で見られたのと同様に前線の選手が狭いスペースでの強引な攻めを繰り返した仙台の攻撃。山形はDFラインの4人と、秋葉、臼井の急造ダブルボランチで形成される6人の守備ブロックが素早い寄せで対応し、オフサイドになった8分の大柴の抜け出し以外にヒヤリとさせる場面がないなど、守りはほぼ完璧だった。攻撃でも山形は「速攻でサイドの裏を狙う。それがダメなら、逆に数的有利を作ってサイドを押し込む」という狙いが徹底されていた。右サイドで臼井、レアンドロが立て続けに裏を取り決定機を迎えれば、一方の左サイドでは、まずレアンドロがあえてサイドに流れてポジションを取り、そこに同サイドの宮沢、木藤が殺到していくという場面が何度あったことか。仙台はこのサイド、中盤のロペスが(股関節痛のためか)守備への戻りが鈍いこともあり、簡単に数的不利を作られ危険な状況となっていた。山形によるこうした「両サイドの侵食」は、そのまま仙台のサイド攻撃の可能性を削ぐことにもつながる。65分あたりまで、山形が見せていたサッカーは非の打ちどころのないものだった。
だからこそ、手元のカウントで決定機が7度ありながら、33分の臼井による1対1からのドリブルシュートと、38分にレアンドロが放ったロングシュート(ともにGK小針に間一髪防がれる)以外、枠を捉えることが出来なかった決定力不足が、山形のサポーターにはただただ残念で仕方ないだろう。
狙っていたことは全てやれた。だが、フィニッシュの部分のみ報われなかったために、10試合ぶりの勝利という欲しかった結果だけは得られず。山形の心境を「無念」と表現したのは、こうした理由がある。

では、仙台の「後悔」とは。それを説明するには、先ほどから何度も触れている「65分前後」に何が起こったかを記す必要がある。
先に示したとおり、仙台の攻めは序盤から単調だった。前線にボールを出しても山形守備陣の素早い寄せで、仙台は仕方なく奪ったボールを最終ラインに戻すのみ。そんな状況が、2つの交代を経た後の65分前後を境に目に見えて変化する。
61分に入った富田は、それまでの熊林がハーフウェイライン付近をプレーエリアとしていたのに対し、積極的に前でボールに絡もうとした。ボールテクニックのある富田のこうした動きは、ボルジェスやロペスをDFラインと「挟み込む」ことで守備に貢献していたダブルボランチに「3列目の脅威」として混乱を与えた。さらに前半から攻守に貢献し続けたことで、尽きかけていた彼らの体力面にも効いた。これによりサイドが中へ絞らざるを得なくなると、前半は苦しみ続けた中田、磯崎の両サイドバックにようやく「サイドのスペース」という攻撃の活躍の場がもたらされる。
そこに、2分後の中島投入だ。形式上はボルジェスとの2トップだった中島だが、代わりに退いたチアゴにはなかった「サイド裏への飛び出し」で山形守備陣を揺さぶった。以降は(仙台もそのリスクを半分承知で受けた)山形のカウンターの場面以外、終了のホイッスルまで仙台は波状攻撃を続ける。ユアスタの仙台サポーターのボルテージは、ここ数節見なかったほど高まった。しかし仙台も山形同様、ゴールは最後まで割ることが出来ず、スコアレスドローという結末を迎えている。

さて、結果は山形と同じながら、なぜ仙台は「後悔」なのか。押し込みながら、シュートを狙う意識が低く、後半でもシュートは3本しかカウントされなかった。だが、そのことが理由ではない。前節と今節の仙台は、前半に強引さの目立つ攻めが続き、後半に選手交代で流れを得る。しかし最終的には時間切れ、という試合を繰り返した。後半から解き放たれたかのようにワイドな攻撃を披露した仙台のサッカーは、あえて単純な言葉で表現すれば、忘れかけていた興奮を呼び起こす「おもしろい」ものだった。だから、私は仙台の結果を「後悔」と表現した。

仙台には本当にわずかであるが、昇格の可能性がまだ残っている。今日勝点3は得られなかったが、3位柏も壮絶な撃ち合いの末に横浜FCから3ポイントを得ることに失敗(3-3の引き分け)したため、少なくとも次節、仙台の試合がない間に昇格の芽が完全に潰える心配はなくなった。
だが、第48節の休みを経て仙台が戦う相手は、その柏である。ここで「後悔」することがあれば、1試合だけのものでは済まない。この事実の重みを、仙台・ジョエル サンタナ監督はどう考えるか。


以上

2006.10.28 Reported by 佐々木聡
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2026/02/16(月) 10:00 【週末のゴールをイッキ見!】明治安田Jリーグ百年構想リーグ 全ゴールまとめ【0213-0215】