10月28日(土) 2006 J1リーグ戦 第29節
広島 3 - 0 横浜FM (14:04/広島ビ/16,162人)
得点者:'13 ウェズレイ(広島)、'50 佐藤寿人(広島)、'74 ウェズレイ(広島)
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左サイドを抜け出したマルケスが一気に加速した。広島のDFがカバーに入るが間に合わない。糸を引くような鋭いクロスが、DFラインとGKの間に、正確に入ってくる。飛び込んできたのは久保竜彦だ。
バシッ!!
次の瞬間に響いたのは、広島GK下田崇の右足にシュートが当たった音だった。試合後、横浜FM水沼貴史監督が「前半にビッグチャンスもあったが決められなかった」と嘆き、広島ペトロヴィッチ監督も「あのシュートをシモ(下田)が止めてくれたことが大きかった」とため息をついたこの前半6分のシーンが、その後の流れを決めた大きなポイントだった。
このシーン、下田は「ゴールになってもおかしくなかった」と語っている。つまりあのセービングは、かなり偶然性の強いものだった、と言えるだろう。ただ、今日の広島にはその幸運を自分たちの力にすることのできる強さがあった。
その源泉は何と言ってもウェズレイである。
実はウェズレイは、前日まで風邪をひいていて、体調は決してよくなかった。だが彼は、そんなことはおくびにも出さず、練習にもフルメニューで参加していた。さらに全体練習後には若いGK河野直人をつかまえ、FKの練習を何十本も続けた。今季一度も決めていない直接FKの感覚を取り戻そうと、毎日必死になって右足を振り続けた34歳。彼の鋼のような肉体や柔らかなボールタッチ、強烈なキックなどは、決して天賦の才だけでなく10代の頃から継続してきた不断の努力があればこそだったのだ。
13分、ウェズレイが放った約25mのFKは、白い糸を引くようなラインドライブの軌道を描いて、ゴール左隅に飛び込む。ウェズレイの努力の結晶ともいえるこのゴールが、広島に勇気を呼び込んだ。
ボール支配率こそ横浜FMが広島を上回った。しかしそれは、広島にとって想定の範囲内。森崎浩司を中心とした広島のMF陣はこの日、前に出ることよりもまずゾーンを固め、入ってきた横浜FMの選手をしっかりとつかまえることにより、二重三重にはりめぐらされた広島の網の中に誘い込むことに徹した。そのため、横浜FMは「ボールを持つ」というより「持たされる」状況になる。苦し紛れにサイドに逃げても広島のDF陣が待ち受け、彼らの圧力がクロスのコースを限定させてはじき返した。その結果、ボールを支配していた横浜FMのシュートは前半でわずか3本。一方の広島は、カウンターから9本のシュートを浴びせかけるほか、服部公太が左サイドから切り込んで決定的なシーンをつくるなど、チャンスの数でも上回った。
後半も展開はほとんど変わらない。横浜FMのボールポゼッションは巧みだったが、広島の身体を張った守りと下田の好守に阻まれて決定機を作れない。50分に佐藤寿人がウェズレイのパスを受けて追加点を決め、広島が試合の流れを完全にモノにすると、水沼監督は63分に山瀬幸宏を投入して4-4-2にシステムを変更して勝負に出た。しかし、横浜FMの動きは一向に活性化せず、広島の術中にはまるばかり。74分にはウェズレイが広島のホーム通算350点となるゴールをたたき込んで勝利に花を添えた。
この試合、ウェズレイと佐藤寿人という恐怖の2トップが広島を勝利を導いたことは間違いない。しかし、その強力2トップを下支えしDFラインの負担を軽減させるために走り回ったMF陣、ギリギリの状況で横浜FMのアタッカーをストップしたDF陣&GKと、広島の選手全員が統一した考えで戦ったことが勝利を呼び込んだ事実も忘れてはならない。一方の横浜FMは、局面で高い技術を見せつけるも、それがチームとして1本の幹を形成できず、終始バラバラの状態で淡々とゲームを終えてしまった。運動量で劣り、球際の戦いで広島の気迫に圧倒されてしまっては、いくらボール支配率を高めても勝てる道理はない。「スコア通りの完敗」という水沼監督の言葉に怒気が含まれていたのも当然だ。
74分、足がつるまで走り回り、ヘトヘトの状態で途中交代となったMF李漢宰に対し、広島サポーターから万雷の拍手が送られた。その時、李の胸の内にこんな感情がこみ上げてきた、と言う。この彼の言葉こそ、全員で勝利のために戦った広島の選手共通の想いだろう。
「自分のプレーをサポーターはしっかりと見ていてくれていた。チームのために頑張る選手のことを、サポーターは決して見捨てないんだな」
以上
2006.10.28 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第29節 広島 vs 横浜FM レポート】全員の意志を統一して闘った広島が、横浜FMの能力の高さを封殺して快勝。(06.10.28)
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