11月11日(土) 2006 J2リーグ戦 第48節
横浜FC 1 - 2 東京V (14:04/三ツ沢/5,741人)
得点者:'29 マルクス(東京V)、'43 内田智也(横浜FC)、'68 平本一樹(東京V)
★ハイライト&会見映像は【こちら】
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J2も残すところ5試合となり、「昇格」の行方を捜すべく、今日の三ツ沢にはいつも以上の報道陣が集まった。1時間後に行われる神戸での神戸vs柏の結果によっては、横浜FCが首位に立つ可能性もあるだけに、その報道陣の数から、注目度も高かったことが伺える。
朝から降り続く生憎の雨にも関わらず、三ツ沢球技場の周囲では、サポーターも昇格争いの決着がつく日に向け、様々な活動を行っていた。あるサポーターグループの有志は、昇格Tシャツを作製しているという。試合の前日には、チームに宛てて、選手全員分のそれを贈ったのだと話してくれた。また、横浜駅から球技場に向かう途中の坂道。駅から出ているバスも通るその坂の途中には、「さあ行こう この丘の上の 昇格へのラストスパート ↑」という大きな横断幕が。スタジアムに向かうまでの道のりで、ファンの気持ちを高めていた。
そんな三ツ沢に東京Vを迎えての一戦。
水戸に1-4と完敗してしまった前節から若干メンバーを代えるなどしてスタートを迎えた東京V。一方横浜FCは、アウグストを怪我で欠き、前節の柏戦で途中出場した崔・アレモンがスタートからピッチに立つものの、それ以外はほとんど「いつも通り」のメンバーで臨む。
試合は、ボールに対して強いプレッシャーを掛けてこない東京Vを目の前にしながら、立ち上がりから横浜FCのペースで進んで行く。「マルクスがあまり守備が得意じゃないというところで、そのサイド、ソンヨン・内田がある程度かき乱しながらやっていた」と高木監督が話すように、前半から横浜FCは右サイド多く使っての攻撃が目立っていた。しかし「最後もう一歩の突破だったり、クロスというところが、前半は非常に少なかった。(高木監督)」
なかなかゴールを割ることが出来ない展開の中、東京VのFKのチャンス。朝から降り続いていた雨は、キックオフが近づくにつれ強くなり、また試合が進むにつれて大きな雨粒が音を立てて激しくピッチを濡らしていた。ちょうどその雨の影響で視界も悪くなっていた時に訪れたFKだった。スリッピーなピッチを上手く利用しマルクスの蹴ったグラウンダーのボールは、壁の間をするりと抜け、ゴールネットに吸い込まれてしまった。「マルクスのアイディアのあるセットプレーだった(高木監督)」は、東京Vに先制点を呼び込んだ。
しかし、その約15分後の前半終了間際、左にいた鄭からのボールを城がうまく繋ぎ、内田が落ち着いて左足を振りぬくと、横浜FCの同点弾が生まれる。どしゃ降りの雨に濡れながら観戦しているスタンドのファンが大きく沸いた。
後半に入り、横浜FCは何度かチャンスを作るも、最後のフィニッシュの部分で枠を捉えることが出来ない。そんな中訪れた追加点のシーンは後半23分だった。横浜FCはミスからボールを奪われカウンターを受ける。この数分前、まったく同じシーンを見た。しかし、その時は、同じように個人技で打開してくる平本を、横浜FCの選手が3人で囲み、ゴールまでの突破は許さなかったが…。
高木監督は「2点目に関しては、あぁいうミスを犯してしまうと、あれだけの速い選手がいる中では対応できなかったかな…という部分がある。その前の段階で、ミスがあったりとか、あの時も両SBがいっぺんに出てしまったという、そのあたりの後のバランスのことも伝えようかな…と思っていた矢先だったので…。ただ、その後点を取りに行かなくてはならない状況だったので、そこは特に選手には伝えずにやったが、ひょっとしたら、指示がもう何十秒とか何分とか早かったら、あの失点は防げたのかもしれないと思う。2点目のシーンは、ボールの取られ方、あとは平本の個人技で突破されたという部分で、非常に残念」と悔やんだ。
平本は「ゴール前でひとつ前にも同じシーンがあった。その時、マルクスにパスをしてしまって結局ゴールにならなかったので、次は自分で行ってやる…という気持ちで打ちに行った。今日は自分の持ち味が出せた」と、気持ちで押し込んだゴールを振り返った。
その後横浜FCは滝澤を北村に、小野を中島に代え、そして最後は早川を高い位置に上げるなどして果敢に点を奪いに行くも、そのまま試合終了。1-2で東京Vに惜敗した。
東京Vのラモス監督は「相手は昇格を狙っているチームだが、我々は失うものは何もない。だからこそ90分走って、プライドを持って戦ってもらいたかった。今日の試合は難しい試合になると思ったが、一番集中して、気持ちの強い選手が多くピッチに立っている方が勝つのではないかと思っていた。チャンスが来た時に決めてくれたし、それで試合の流れがこっちになったのではないかなと思う。今日の試合は素晴らしい試合だったと思う」と選手たちを称えた。
一方、6試合ぶりの黒星を喫した横浜FCだったが、試合後の選手たちに暗い表情はない。もちろん、負けてしまったことを悔やんでいない選手はいない。ただ、「リトリートしてディフェンスするのは良くなっているし、そういう部分で最後のところ、あと少し詰めていければ全然問題ないと思う。ただ、やっぱり最後の個人技でやられた…という、個人技でドリブルされてあそこを止め切れなかったというのも自分たちの責任だし、一発カウンターのようなもの。点を取りに行ってああいう結果になってしまった。その辺の一点の重みというのが大きいと思う。そういう部分をしっかりと修正できれば…。ガチガチに守ってそこから失点されてるわけじゃないし、そこらへんは自信を持ってやればいい」とキャプテン・城が話すとおり、内容的に悲観する必要はない。「この状況はしっかりと受け止めて、次に向けて切り替えてやっていきたい」選手はそう口々に話し、スタジアムを後にした。
今日の結果を受け、神戸・横浜FC・柏が勝点差1ずつで並ぶ大混戦となった。サッカーの神様は、どこまでも「一番面白い展開」を追及するようだ。
残り4試合、常に挑戦者である気持ちを忘れず、いつも通りのプレーを思い切りピッチで表現して欲しい。
昇格争いは、最終節まで目が離せなそうだ。
以上
2006.11.11 Reported by 浅野有香
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第48節 横浜FC vs 東京V レポート】昇格争い真っ只中の横浜FCが1-2と東京Vに惜敗。残り4節を残して上位3チームが勝ち点差1ずつで並ぶ大混戦に。(06.11.11)
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