11月18日(土) 2006 J2リーグ戦 第49節
湘南 0 - 2 愛媛 (18:04/平塚/4,522人)
得点者:'35 赤井秀一(愛媛)、'82 菅沼実(愛媛)
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1分、3分、7分、9分…、メモを繰ると、試合開始早々から湘南はアジエルが効果的なラストパスを再三に渡り供給していたことが判る。「立ち上がりは集中力が欠けていた」と、愛媛・赤井秀一は振り返ったが、まだエンジンの温まっていない愛媛に修正の間を与えぬ勢いで、湘南はアジエルを起点に相手DFの裏を狙い続けた。2トップのゴールを目指す動きも弛むことなく、また両サイドバックの押し上げも積極的だ。ボールを奪われても、ボランチに入った坂本紘司を中心に危険なエリアを封じ込める。序盤は、連動性を高めた湘南がゲームを支配していた。
だが均衡を破っていない状況で、もしも見た目の優位性が確信にすり替わったのだとしたら、それは時期尚早というものだ。菅野将晃監督は、「前半は狙い通りに裏へ突破し、ビッグチャンスをつくることができた。だが、そこで決め切れなければ勝利はなかなか手に入らない」と語った。そう、ビッグチャンスを逃したということは、転じて相手にとってみれば、危ない場面を凌いだ安堵に加え、ともすれば反撃の自信をも喚起する。「凌いだあとにチャンスができた」と、赤井が振り返ったように。
終始劣勢だった愛媛が、手繰り寄せた数少ないチャンスをモノにしたのは、立ち上がりのピンチを凌いだ後の35分だった。右サイドの素早いリスタートから、赤井が抜け出す。ドリブルで中央へ切れ込み左足を振り抜くと、鋭い弾道がゴール左隅を射抜いた。27分にもサイドチェンジから菅沼実がクロスバーを掠めるシュートを放っていることを思えば、湘南の綻びは愛媛の落ち着きに伴って顔を出していたともいえるだろう。指揮官の「恐れていた隙」を、愛媛は逃さなかった。
後半に入り、湘南は横山聡と中町公祐に代え、フラビオと佐藤悠介を投入、攻撃の活性を目論む。彼らに加え、前半同様、アジエルや加藤望、また尾亦弘友希が絡み、左サイドを軸に攻め立てる。だがフラビオのヘディングは枠を掠め、加藤のシュートも愛媛GK川北裕介に阻まれてしまう。逆に愛媛は82分、赤井のニアへのクロスに菅沼が走りこみ、狭い角度からのシュートを見事にねじ込んだ。2点ビハインドとなっても湘南は必死に前を目指したが、抜け出した石原直樹のヘディングシュートさえ枠をわずかに逸れるなど最後までゴールに見放され、試合終了の笛を聴いた。
数少ないチャンスを勝利に結んだ愛媛は、ここ5試合で3勝2分と好調を維持する。赤井も、「自分たちのサッカーができつつあり、勝てるようになってきた」と手応えを隠さない。試合の流れのなかでの修正を含め、パフォーマンスの細部をさらに詰め、残り2試合に臨みたい。
一方の湘南は、これがサッカーの難しさだろう、今はまさに生みの苦しみに直面している。優位に展開しながら報われない結果は、ほんのわずかな差にしか見えない。「ちょっとの差が大きい」折に触れ、佐藤悠介が口にする台詞を思い出す。彼が指摘するように、わずかに見える差はその実、小さくない。そのほんとうの大きさを、皆がどれだけ共有し、突き詰めることができるか。指揮官のいう「一丸となる」という言葉には、そんな部分も含んでいるのではないか。残り3試合、さらに来季に向け、湘南が越えなければならない壁である。
以上
2006.11.19 Reported by 隈元大吾
J’s GOALニュース
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