●第15回アジア競技大会2006/ドーハ
決勝
12月13日(水)25:00(日本時間)/カタール・Qatar Sports Club Stadium
なでしこジャパン vs 北朝鮮女子代表
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やっとこの日がやってくる。これまで幾度となくチャレンジしてきたアジア制覇への道。アジアカップ、東アジア選手権・・・。アテネオリンピック以来、主要な大会で日本は決勝に進むことすら出来ずにいた。常に立ちはだかる中国、北朝鮮の壁。先のアジアカップでは中国を倒し、手中におさめたかに思えたワールドカップの切符も、準決勝でオーストラリアに、3位決定戦で北朝鮮に敗れたことで消え去ってしまった。残るチャンスはメキシコとのプレーオフに勝つことのみ。その前哨戦として失いかけた自信を取り戻すためにも、このアジア大会での戦いは大きな意味があった。
予選グループリーグ最終戦で中国を破り、続く準決勝でも韓国を退けた日本。決勝の相手は準決勝で延長戦の末、中国をおさえて勝ち上がってきた北朝鮮だ。アテネオリンピック予選では念願の勝利を勝ち取ったが、その後の対戦は日本の2連敗。力の差を見せつけられた形となっている。北朝鮮はズバ抜けた高さがある訳ではないが、フィジカルコンタクトの強さはアジア随一。ヘディング、1-1の場面ではその強さを発揮し、そこからゲームのイニシアティブを奪う。そしてもうひとつ忘れてはいけないのが正確性とパワーを兼ね備えたキック力だ。一本のロングで決定機を作り、ミドルシュートでゴールを脅かす。そんな相手に対し、日本はロングボールをケアしながらも、DFラインを高く保つことが重要だ。そして前半を0-0で折り返すこと。前回の対戦で食らってしまった連続失点などはあってはならない。例え1-1でかなわなくてもポジショニングとカバーリングで十分に対抗できるはずだ。
課題は攻撃面。「いくらカバーリングを完璧にしても、それだけでは得点にはつながらない。そこからいかに展開していくかが問題」と大橋監督は大会直前合宿の場でも語っていた。トップレベルの戦いにおいてはシュート、クロスの精度などすべてにおいて、少しでもプレーに甘さが現れれば、得点を挙げることは不可能だ。相手の攻撃を凌ぎながらも攻撃を組み立てなければならない。
大一番を前にした練習では、北朝鮮と隣り合ってしまい、日本側が練習グランドを変更するハプニングもあったが、場所を移してから1時間あまりの練習の中で、守備から攻撃まであらゆるパターンのポジショニングを確認した。北朝鮮の仮想KONG Hye Okに阪口を、RI Kum Sukに永里を据え、ゴール前でのマークの確認も入念にチェックした。これまで好調だった岩清水が体調不良のため、大事を取って練習を休んでいるのは不安材料ではあるが、代わりに入っている下小鶴もヘディングを強みとするDF。大きな誤算にはなり得ない。
やれることはすべてやった。あとは決戦の時を待つだけだ。初のアジア制覇へ向けて、澤も「苦しい時間帯もあるとは思うけど、チャンスは必ずくると思うので、集中を切らさずにいきたい。優勝しか狙ってないですし、気持ちもひとつになっているので今は試合が楽しみです」と語る。アジアの頂点をめざし、なでしこジャパンの最後の戦いが始まる。
以上
2006.12.13 Reported by 早草紀子
-試合情報(アジア競技大会2006/ドーハ公式サイト=英語)は【こちら】-
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