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【第85回高校サッカー:3回戦 駒沢会場レポート】緊迫のPK戦を制した作陽、土壇場で勝利を手にした静学がベスト8進出(07.01.03)

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●第一試合
室蘭大谷(北海道)0-0(PK 2-4) 作陽(岡山)
1/3(火)12:10 キックオフ/4,001人/駒沢
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実力伯仲の選手権において、80分で勝敗を決するのは難しい。各会場で繰り広げられるPK戦の数が、拮抗した戦いを物語る。果たして室蘭大谷×作陽の試合も、両者の張り詰めた緊張感が最後まで途切れることなく、終了のホイッスルを聴いた。

互いに厳しいプレスを仕掛けるなか、前半は室蘭大谷が主導権を握っていた。サイドの突破を図る作陽に対し、速やかなフォローを含めた組織的守備で、簡単にはクロスやシュートを打たせない。また中央も、センターバックの近藤大輔を中心にことごとく跳ね返した。ひとたびボールを奪えば、宮澤裕樹、あるいは樋渡英之の2トップに素早く収め、攻撃のギアを一気に上げる。19分には、鋭い攻守の切り替えから宮澤を経由して樋渡へと送り、左サイドからのクロスに西山峻太が飛び込んだ。作陽GK安井豪が辛うじてパンチングで防いでもなお、攻撃は途切れない。宮澤がこぼれ球に反応、ダイレクトボレーを見舞った。しかし、これはポストに嫌われている。

ハーフタイムを挟み、作陽・野村監督はFW小室俊之を投入する。後半立ち上がりこそ室蘭大谷の枡澤貴紀によるクロスバー直撃弾で冷や汗をかいた作陽だが、この小室の快足が徐々に流れを引き寄せた。52分、中盤でボールを奪い前線にスルーパスを送ると、右サイドを駆け上がった韋駄天はすかさずミドルを放つ。DFがコースを阻み、こちらもサイドネットに嫌われるが、以降60分にはFW桜内渚が、また63分には濱中優俊がシュートを撃っている。「残り10分で足が止まった」と加藤監督が振り返ったように、室蘭大谷の運動量が落ちたことも、作陽の攻撃を加速させた。77分には、攻撃の起点となっていたボランチ・立川雄大が小室の折り返しを右足で合わせ、クロスバーを叩いた。

個が組織を生かし、組織が個を生かす一体感を抱かせた両者の好ゲームは、80分では決着がつかぬままPK戦にもつれ込んだ。室蘭大谷はGK安井が反応鋭いセーブも見せるも、結果、4本を沈めた作陽が次戦の権利を手にした。

「子どもたちは自分の力を発揮して戦った。PK戦で敗れたことは仕方がない。大谷らしいサッカーができたと思います」敗れはしたものの、加藤監督は選手たちを讃えた。一方の野村監督は、「最終ラインとボランチでゲームを動かすことは、これまでの3試合のなかで一番できたと思います。もう1試合できることを楽しみに戦いたい」と、つぎを見据えた。苦しみながらも勝利した手応えを携え挑む相手は、9月の高円宮杯で敗れた静岡学園である。明後日はリベンジのときだ。


●第二試合
青森山田(青森) 0-1 静岡学園(静岡)
1/3(火)14:10 キックオフ/6,010人/駒沢
得点者:79' 大石治寿(静岡学園)
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時計の針はすでに80分を回っていた。駒沢競技場に居合わせたほとんどの人間が、第1試合とおなじくPK戦に持ち込まれると思っていたのではないだろうか。しかし、現実は違った。後半ロスタイムに入り、この日スタメンに名を連ねた静岡学園のFW大石冶寿がゴールをこじ開けたのである。クロスに反応して相手DFラインの前に走りこみ、頭で合わせたボールは、追いすがるGKを尻目にタッチの差でゴールを割った。

「入ったかどうか、最初は判りませんでした」劇的な決勝弾を捻じ込んだ2年生FWは、興奮気味に振り返る。
「ヘディングシュートを打とうとずっと待っていたら、クロスが来ました。後半に入っても監督は自分を残してくれたので、絶対に点を取らなければいけないと思っていた。ぼくは結果を残さなければいけない。ゴールを決めることしか考えていなかった」

じつは大石は、最終エントリーでメンバーに滑り込んだ選手である。「県予選はスタンドで応援していました」と、本人も苦笑いする。それでも、いつでも出られるよう準備を怠らなかった。その思いが結実し、チームのベスト8進出の立役者となった。

大石の抜擢を含め、静岡学園の劇的勝利の背景には、井田監督の采配の妙が潜んでいた。両チームともにスコアレスで折り返した後半、指揮官はまずトップ下の刈込真人に代えてFW伊藤達也を投入し、大石と伊藤の2トップに組み替えた。一列下がったFW國吉は、精度の高い左足でクロスを幾度も供給し、効果的なサイドチェンジも図るなど、攻撃を活性させた。

つぎの交代の機会は、74分に訪れる。昨日の佐賀東戦、高速ドリブルで敵を置き去りにし、貴重な追加点をアシストした小倉慎太郎を、MF枝本雄一郎に代えて投入した。
「選手交代は悩みました」と、井田監督は吐露する。いずれの交代も、大石と代えるかどうかがポイントだった。「大石は一発屋で、意外なシュートを打つ選手」指揮官は賭けた。件の決勝点は、その小倉を起点に右サイドの國吉が絶妙なクロスを入れ、最後まで前線を任された大石が決めたゴールだった。

一方、青森山田は敗れたものの、ボランチの李澤が静学の司令塔・杉浦恭兵をマークするなど、徹底した守備で相手の思惑を殺いだ。球際は厳しく、相手の猛攻にも終始耐えた。だが反面、「攻撃にもう少し人数をかけられればよかった」と、黒田監督は振り返る。
「いいかたちはつくれたが、得点には至らなかった。チャンスは前後半にあったので、そこで決めていればという思いはあります。でも、運も足りなかったと思う。選手たちは精一杯やりました」

「最後まで諦めずに自分の仕事をする」というチームのテーマを体現し、静岡学園が拮抗した戦いを制した。「静学には優勝してほしい」敵将のエールを胸に、国立を目指す。

以上

2007.01.03 Reported by 隈元大吾
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