5月13日(日) 2007 J2リーグ戦 第15節
福岡 2 - 4 京都 (13:03/博多球/8,742人)
得点者:'18 宮本亨(福岡)、'29 布部陽功(福岡)、'35 アンドレ(京都)、'43 斉藤大介(京都)、'54 アンドレ(京都)、'66 アンドレ(京都)
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「ホームである福岡のアグレッシブなサッカーに後手を踏んだかなと感じています。それで、先制点を取られて、2点目も取られるということで、勝つ確率を上げるには非常に難しいスタートになったと感じていました」(美濃部直彦監督・京都)。
その言葉通り、29分までは完璧ともいえるほどのサッカーを展開した福岡の一方的なペースだった。コンパクトな中盤を形成して鋭いプレスを掛ける福岡は、開始早々から主導権を奪取。トップ下のアレックスが斉藤大介を引っ張ってできた中盤の大きなスペースに1人で立つ布部陽功が自由自在にボールを動かした。前後左右にリズミカルにボールを運ぶ福岡のパスワークの前に京都は右往左往するばかりだった。
18分に宮本亨が挙げた福岡の先制点も、29分の布部の追加点も、結果的にはこぼれ球を押し込む形だったが、そこに至る一連のプレーで京都守備網を完璧に崩しての得点。福岡の理詰めのパスワークに翻弄され続ける京都は、得点だけではなく、その内容でも全く歯が立たない状況だった。守れず、パスはつなげず、サイドで起点を作ろうとすれば簡単につぶされる。そんな京都が勝利をつかむことなど、この時点で予想することは難しかった。
しかし、ここから流れが180度変わってしまうのだからサッカーは恐ろしい。あまりにうまく進む展開に福岡の攻撃陣に油断が生じたのか、リンコン、アレックス、山形恭平、宮崎光平の4人が前線に横並びに。福岡の生命線である中盤のバランスが崩れた。そして京都は、それまでアレックスのマークに追われていた斉藤大介に高い位置から福岡のボランチに対してプレッシャーをかけるようにベンチから指示が出る。そしてアレックスのマークをDFラインに受け渡した斉藤が激しくボールを追い始めた。
このふたつの出来事は、たった6分の間にすべてを逆転させてしまった。中盤に2人だけ取り残された布部と久藤は、斉藤をはじめとする京都のMF陣のプレスの標的に。福岡の攻撃の起点が消えると同時に、中盤で自由を得た京都が本来の姿を現した。京都は福岡のパスをカットし、あるいはセカンドボールを拾ってサイドへ展開。右からは徳重隆明、左からは渡邉大剛がサイドを面白いように突破していく。今度は福岡の守りが機能しない。35分、43分と立て続けにゴールを挙げた京都があっさりと同点に追いついた。
そして後半も京都のペースは変わらない。ハーフタイムを挟んでも修正の効かない福岡に襲いかかると、54分にはセットプレーからアンドレがフリーで頭で合わせてついに逆転。そして66分にはアレックスの後方へのパスミスを奪ったアンドレがハットトリックとなる3点目を奪って試合を決めた。福岡は3−5−2にシステムを変更し、さらに終盤にはリンコン、林祐征、川島眞也を前線に並べてパワープレーに出たが功を奏せず。ホームの観衆の前で信じられない逆転負けを喫した。
福岡の自滅だった。攻撃陣のポジショニングの悪さから、自らのバランスを崩し、中盤が間延びし、さらにセットプレー時にはマークにつけないという基本的なミスも犯した。やっているサッカーが悪いのではない。やるべきことをやらなかったが故の自滅だった。「今日できなかったことを修正して次に生かせなかったらプロじゃない」。そう選手に語りかけたというリトバルスキー監督。次節の鳥栖戦で真価が問われる。
一方、見事な逆転勝ちを演じた京都。同点に追いついたアグレッシブな姿勢と、いい守備から素早く攻撃に移行するプレースタイルは、高い実力を保持していることを改めて示すものであった。しかし、美濃部監督は選手の頑張りを認めながらも苦言を呈した。「今日は勝利をものにできたが、すべての課題が解決したとは思っていない。もっと改善して安定したゲーム作りをしていかないと、上にはいけないと思っている」。J1昇格を果たすには波の少ない試合をすることが条件。こちらも、次の試合でどれだけやれるかに注目が集まる。
以上
2007.05.13 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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