5月13日(日) 2007 J2リーグ戦 第15節
山形 1 - 1 東京V (14:04/NDスタ/8,221人)
得点者:'72 ディエゴ(東京V)、'77 臼井幸平(山形)
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ボランチ秋葉、DFレオナルド、FW豊田が出場停止となることは判っていたが、さらに、前節で貴重な1点を挙げたFW根本が週半ばに負傷。試合当日の朝になってボランチの渡辺が「首が痛くなったということです」(樋口監督)と急遽、出場を回避する。苦しいメンバー構成を強いられることとなったが、山形にとってはホームゲームでもあり、第1クールで敗れたリベンジを果たしたい。暫定ながらクラブ史上初めて単独首位に立った山形のプレーを観ようと今季最多の8,221人が集まった試合で、勝ち点3は譲れない。
スタジアム内には、旗が気まぐれにたなびくような不規則な風が渦巻いていた。「風下にうちが立っているという状態だったという部分で、少しあいまいな状態になったのと、セカンドボールをはね返せなくて、拾われる場面が多かった」(樋口監督)という立ち上がり。
今季全試合で途中出場を続けていたFW横山と、第3節・京都戦で26分間プレーしただけのMF佐藤健太郎がともに今季初先発の、決して成熟度の高いメンバー構成とは言えない布陣の山形。クリアミスのボールをフッキに裏でさらわれたり、フィードの精度不足から簡単にボールを失うシーンが見られた。しかし9分、11分と横山の立て続けのシュートでひとまず東京Vの勢いを止めた後は、DFラインでのチャレンジ・アンド・カバーなど組織的な守備が通常作動。サイドで起点をつくりたがるフッキに対しては追い込みながら最後は囲い込み、あるいはボールを奪うなど、前節で京都から4得点を挙げた強力な東京V攻撃陣にゴールを割らせなかった。
前節と同じメンバー、同じフォーメーションで戦う東京Vは、テクニックで風で暴れるボールを足元に収め、立ち上がりすぐの時間帯では圧倒的にボール支配率で上回る。が、しぶとく体を寄せる山形の守備に、ゴールを割ることができない。前半15分に得たペナルティーエリアのすぐ外からのFKは、力んだフッキがミートできず。前半31分には服部の縦パスに金澤が飛び出したがクロスをキャッチされ、その直後にはゼルイスのロングパスを受けたフッキが右サイドをえぐってマイナスクロス。ディエゴのシュートがCKにつながるが、土屋の戻りながらのヘディングシュートもGK清水にキャッチされた。再三のチャンスを活かすことができず、逆に山形にスペースを使われるシーンもあったが、前半は0−0で折り返す。
後半は立ち上がりから、落ち着かない様相に。後半10分には、横山のオーバーヘッドキックがポストで跳ね返り、拾った東京Vがそのままカウンターに雪崩れ込むなど、奪ったボールがゴール前まで一気に運ばれる展開がしばらく続いた。
均衡が破れたのは後半27分のスローインの場面。途中出場の船越がダイレクトで裏へ流すと、ほんの一瞬、裏を取られた山形DFを置き去りに、フッキがえぐってマイナスのクロス。最後はゴール前に入ってきたディエゴが落ち着いて合わせたゴールは、個の力が連動した、切れ味の鋭いものだった。
しかし、リードを許した山形も、宮沢、木藤を中心に中盤のセカンドボールに食らいつき、奪うとサイドへ展開して攻め込んだ。
そして後半32分、左コーナー付近からのFK。「風を計算に入れて、少し右に蹴った」という財前のインスイングのボールは、放っておけばファーポストを巻いてゴールラインを割るような軌道だったが、そこへ外から飛び込んで来た臼井。ニアや中央に人が流れぽっかり穴が開いたスペースへ、ノーマークで逆サイドから走り込み、バウンドした上がり端をスライディングしながらボレー気味に合わせた。
同点に追いつかれた東京Vは、後半34分にタイミングよく裏へ飛び出した土屋のシュートが惜しくもサイドネットを揺らして以降は、ほぼ防戦一方。萩村投入とともに変えた3−5−2でも、福田、服部の両WBが張り出すことができず、山形の右サイド臼井のドリブルでいいようにかき回された。ただ、山形も圧倒的に押し込んだロスタイムを含めた時間帯に決勝点が挙げられず、試合は1−1のドローで終わった。
東京Vは前節でようやく勝利を手に入れたとは言え、失ったものを取り戻すことを考えれば、この試合の勝ち点1は十分なものではない。ただ、「前半は0−0で抑えたというのが収穫としてあった」(廣山)と変化の兆しもある。この変化をしっかりと育てるか、潰してしまうのか。次節、好調・湘南との試合は真価が問われる戦いになる。
山形は苦しいメンバー構成を強いられながらドローに持ち込み、9戦負け無し。特に守備では集中を切らさず、「チーム全体のコンセプトが浸透しているという手ごたえを感じた」(樋口監督)と同時に、実戦経験の浅い選手はまたひとつ貴重な財産を手に入れた。首位の座は札幌に明け渡すことになったが、可能性を感じさせる戦いは継続している。
以上
2007.05.13 Reported by 佐藤 円
J’s GOALニュース
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