5月20日（日） 2007 J1リーグ戦 第12節
磐田 2 - 3 神戸　（15:04／ヤマハ／12,149人）
得点者：'10 近藤祐介（神戸）、'14 レアンドロ（神戸）、'28 カレンロバート（磐田）、'37 成岡翔（磐田）、'76 レアンドロ（神戸）

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　これまではホームで勝負強さを見せていた磐田と、勝ちきれないゲームが続いていた神戸だが、今日はその立場が逆転して、神戸が磐田から大きなリーグ戦初勝利を飾った。

　ケガ人が多い影響もあって、試合ごとにメンバーが変わる磐田は、今日は４バックを採用して、右からマルキーニョス パラナ、茶野、大井、村井というDFライン。中盤は、ファブリシオが底の位置に入り、右に菊地。左の上田は、菊地よりも少し高めの位置をとり、トップ下が成岡。カレンが１トップ気味に中央に入り、太田が右サイドを中心に自由に動くということで、前線はいつもの形。対する神戸は、先発が予想された三浦が体調不良で欠場したが、出場停止のキムの代わりに田中がボランチに入り、それ以外は前節と同じメンバーで臨んだ。

　立ち上がりは、神戸が前線からしっかりとプレッシャーをかけてくる中で、磐田は遠めからでも積極的にシュートを放ち、どちらも気合いは十分。ただ、磐田のほうは少しミスが目立っていた中での10分、思わぬ形で先制点が生まれる。磐田のCKから神戸がカウンター攻撃を仕掛け、左でボールを受けた大久保がシュート。これが右ポストに当たって跳ね返り、近藤がすかさず押しこんで、神戸が先制点を奪った。このとき、ゴール前に神戸の選手が2人残っていたため、オフサイドと思いこんだ磐田守備陣の足が止まったが、磐田のDFが1人、上がりきらずに残ってしまっていたのが痛かった。

　さらに14分にも、自陣に近いところで成岡が不用意な横パスをミスして神戸のカウンターを食らい、レアンドロにきっちりと決められ、2-0とされてしまう。
　今季はまだ逆転勝ちのない磐田にとって、非常に痛いミスからの2失点。だが、磐田の選手たちは慌てることなく反撃に出て、28分に上田のFKがポストに当たって跳ね返ったところをつなぎ、最後はカレンが頭で押しこんで1点差。
　37分には、カウンターからファブリシオが右に流れてクロスを入れ、成岡がダイビングヘッドで決めて同点。ここは、非常にダイナミックで鮮やかな速攻だった。

　こうして前半のうちに2-2に追いついたことで、今季初の逆転勝利という可能性も十分に見えてきた磐田。実際、神戸が守りを再び整えてきた後半も、サイドからきっちりと崩してチャンスは作っていた。しかし、9分と22分の菊地のシュート、30分の林のオーバーヘッドキックなどの決定機では、いずれもシュートが枠に飛ばない。

　しかし、チャンスを逃し続けていれば、流れは変わってしまうもの。31分、磐田陣内でのスローインのボールを奪った神戸が得意のショートカウンターを仕掛け、近藤のスルーパスからゴール右に飛び出したレアンドロが、狭いニアポストを抜いて勝ち越し点を奪った。後半はシュート2本だけだった神戸が、少ないチャンスをきっちりと生かした。

　ホームで負けられない磐田は、36分に中山を投入するなどして反撃に出るが、39分の中山の決定的なシュートは大きく上に外れてしまう。その後の攻撃も、分厚く固める神戸の守備を崩しきれず、前線へのロングボールも北本にことごとく跳ね返され、決定機を作れないままタイムアップ。

　今季ホーム初黒星となった磐田は、攻めあぐねたわけではなく、要所で良い崩しが見られ、チャンスは作れていた。だが、攻守にミスが多く、集中力が欠けているように見えたのは気になるところ。ホームゲームが2週続く中で、次の新潟戦に向けてどう修正していくかに注目したい。

　一方、神戸のほうは、これまでリーグ戦で4分14敗と圧倒されていた磐田から初勝利を得たこと以上に、勝ちきれない試合が多かった中で勝負強く勝点3をつかみ取ったことに大きな手応えをつかんだようだった。

以上

2007.05.20 Reported by 井上慎也
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