5月23日(水) 2007 J2リーグ戦 第17節
湘南 1 - 2 札幌 (19:03/平塚/3,872人)
得点者:'17 アジエル(湘南)、'56 西谷正也(札幌)、'80 ダヴィ(札幌)
----------
ハーフタイムの指示が、首位チームの問題点を如実に物語っていた。
「前線でしっかりボールを収めよう。前からプレスをかけ、積極的なプレーでシュートチャンスをつくりだそう」
たしかに前半の主導権は湘南にあった。持ち前の攻撃的なディフェンスを仕掛け次第に流れを手繰り寄せたホームチームは、15分、16分とアジエルが立て続けにシュートを放った直後、先制機を迎える。17分、ドリブル突破によって自ら手にした距離のあるフリーキックを、アジエルが直接ゴールへ結んだのだ。
北島義生のアプローチをはじめ、先制点によってさらにタイトになった湘南のディフェンスは相手のポゼッションを許さない。「プレーしていくうちにプレスをもっと仕掛けたほうがいいと判断した」というボランチが芳賀博信やカウエにボールが入るや圧力をかけ、札幌の展開の芽を摘んだ。連動する前線からのプレスも効果的で、首位チームはミスを誘発するなど歯車を狂わせていく。発熱に見舞われたという最終ラインのメンバーのコンディションもパフォーマンスに影を落としていたのだろう。
しかし、「もう1点が奪えなかった」と菅野将晃監督が振り返ったように、流れのなかでもチャンスをつくっていた湘南に対し、札幌も水際で食い止め、前半を最少失点に抑えた。直近で思い出されたのが前々節のC大阪戦である。アウェイに乗り込んだ札幌は、前半から続く敵の攻勢もセンターバックを中心に凌ぎきり、後半に虎の子の1点を奪取、勝利をかっさらっている。状況こそ違えど、堅い守りからこぼれてきた隙を逃さぬ首位チームが、このまま終わるとは到底思えなかった。
そして後半、三浦俊也監督は砂川誠を右に、石井謙伍をトップに据え、攻撃のテコ入れを図る。彼らはさっそく指揮官の期待に応えた。まずは10分、砂川が起点となりダヴィが右サイドを突破、豊富に動いていた石井がペナルティエリアに侵入しファウルを誘う。直後のPKを西谷正也がきっちりと沈め、札幌が同点に追いついた。
フィニッシュを目指す動きが互いに活性化するなか、湘南は負傷の斉藤俊秀に代えて松本昂聡を、また前線に柿本倫明を投入し、反撃を試みる。対する札幌も左サイドバックにカウエを移し、大塚真司をボランチへ送り出した。「経験ある選手だし、いいポジションにいた」と北島が振り返った途中出場のボランチは中盤を締め、攻撃へと導く。35分の決勝弾は、湘南が前がかりになっていたところを札幌が中盤で奪い返し、カウンターに繋げたものだ。ダヴィのパスに反応し、右サイドのスペースに展開した砂川が送ったクロスを、そのまま一直線に走りこんだダヴィがヘッドで合わせ、逆転に成功したのだった。湘南もその後、名良橋晃が今季初めてピッチに立ち、また加藤望やアジエル、柿本、松本らが絡んでゴールを目指すが届かず、試合終了の笛を聴いた。
札幌は前半の劣勢を取り返し、4連勝で首位をがっちりとキープした。コンディションの優れない状況下でも、流れのなかでの得点を許さず抜け目ない攻撃で勝点3を奪うあたり、揺るぎない自信が備わっていることを感じさせる。先制を与えながら逆転勝利を果たしたのは、今季これが初めてのことだ。「抜け出したとは思っていない」と指揮官はあくまで冷静だが、新たに手にした実績は次節のアウェイ福岡戦、また今後に向けても、貴重な糧となろう。
一方の湘南は首位との直接対決に敗れ、2連勝のあと2連敗と、過密な日程を含めたリーグの厳しさに晒されている。満身創痍の状態だが、菅野監督も試合後に触れたように、「いかに前向きに次へ向かえるか」、すなわち今季の大きな課題でもあるリバウンドメンタリティが今あらためて求められていると言えよう。他会場の結果を受け、リーグはさらに混沌の様相を呈してきた。培ってきた足場は固い。集中力をふたたび高め、次節は長居へ臨む。
以上
2007.05.24 Reported by 隈元大吾
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第17節 湘南 vs 札幌 レポート】逆転に成功した札幌が4連勝で首位をがっちりキープ。湘南は痛い連敗を喫す(07.05.24)













