5月27日(日)J2 第18節 仙台 vs 山形(13:30KICK OFF/ユアスタ)
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今週末のダービーと言われれば、芝2,400メートル…ではなく、長さ105メートル幅68メートルのピッチの方。少なくとも、このページに目を通していただいている、宮城、山形両県の人間にとってはそうだろう。
雨天の下、ダービー史上に残る3−3の激闘となった前回対決(4/25)から1ヶ月、早くも2ndラウンドがやってきた。Jの舞台で26度目となる、みちのくダービーである。
今回の対決でホストとなる仙台。しかし残念ながら、隣県からの来客に対してほがらかなスマイルを作れるような状況にはない。5月に入り1勝4敗。昇格を果たした2001年シーズン、3連敗は一度もなかったことを参考とすれば、2連敗中の仙台にとって今節は、ダービー云々以前に結果を出さなければならない一戦となっている。
第16節(5/20)徳島戦では2人の退場者を出し、悪いことは重なるもので翌節(5/23)の鳥栖戦では、DFの足に当たりコースが変わったシュートが決勝点となる敗戦を喫するなど、この連敗中は運もなさげに見えた。
しかし、望月監督の言葉を聞いていると「不運」という言葉に決して逃げようとしていないチームの姿が見えてくる。「自分たちは成長過程の中にいるのだから、負けもまた、プラスにしていかないといけない。自分たちは1年間、『チャレンジャー』という気持ちで臨んでいる。結果を得るために、チャレンジをもう一度していきたい」。
実際にこの連敗中、改善した点が全くなかったわけではない。「試合への入り方の悪さ」を指摘され続けてきたチームだが、前節の鳥栖戦ではアウェイながら、試合開始のホイッスルから集中し、慎重にゲームに入ることが出来た。
ただ同時に鳥栖戦では、同時進行していた別の課題もクローズアップされた。ボールを中心に全員が連動したワンタッチでの流れるような崩しが減り、タッチ数の増加による攻めのスローダウン、さらには呼吸の合わなさからくるマイボールの残念な喪失が目立ったのだ。
ある時期を境に仙台は、相手DFライン裏へのロングボールを多用するようになった。これは開幕当初のショートパス攻撃とはタイプの異なる武器としてオプション的に使うという狙いもあったのだが、勝てなくなり「大事にいきたい」という気持ちが選手の中で強く働きすぎたこともあり、開幕時に携えていた良いリズムは失われてしまった。
そこで今節に向けて仙台は、センターバックがボールを跳ね返したところから始まるダイレクトでのパス回しから、動きを切らずにサイドを崩してシュートまで行くトレーニングの中で「選手がどのタイミングで、どう動き出していくのか」の再確認を目指した。
ロングボールでライン裏を狙う攻撃に関しては、ウィリアンに代わり、動き出しのスピードやセンスに関しては抜群の萬代が出場停止から戻ってくるだけに期待できる。それプラス、第1クールに見せたダイレクトパスのリズムを思い出すことができれば、敗戦の4試合でわずか1得点に留まっている攻撃陣の復活、そしてダービーで勝利の可能性はぐっと高まる。
「(鳥栖戦で)スタートの入り方は集中してできていた。そんな中で、動きの大胆さを出すことができれば」と望月監督。仙台はダービーということで数割増しとなるだろうホームの大声援を受け、攻撃で再び「チャレンジャー」なところを見せられるか。
一方の山形だがこちらは守備が固い。3失点となった前回のダービー以降、2失点以上を喫した試合は0。しかし仙台と悩みの部分は似ているようで、ここ最近は若干得点力にかげりが見られる。前節の徳島戦も相手の3倍近くとなる14本のシュートを放ちながら無得点に終わり、勝点を1奪うに留まった。
だがそれでも敗戦となることなく、しぶとく勝点を奪い続けている理由。それは試合のペースを、相手よりも長い時間掴めていることにある。点が入らずとも、相手のサッカーをやらせない限り、勝点が0になることはない。そして山形にこうした安定した試合運びをもたらしているのが、高いDFラインに支えられた前からのプレッシングである。
仙台がそれを打ち破るためには、まさに攻撃の「使い分け」が必要になってくるだろう。前からプレスに来られたら、ロングボールでDFラインを下げさせる、それで山形が引いたら、今度は薄くなった中盤からダイレクトパスで切り崩していく。相手の出方を見て、臨機応変に武器を切り替えることができるか、選手の判断の早さが試される。
共にU−22の代表候補に選ばれた、仙台の萬代、山形の豊田という両FW、前回のダービーにはケガで出場できなかった元仙台・財前の登場など、ダービーを前に役者は揃った。独特の雰囲気の中で彼らが見せる姿に、私たちも大いに酔いしれたい。
以上
2007.05.25 Reported by 佐々木聡
J’s GOALニュース
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