5月27日(日) 2007 J2リーグ戦 第18節
仙台 2 - 0 山形 (13:34/ユアスタ/18,156人)
得点者:'9 萬代宏樹(仙台)、'37 オウンゴ−ル(仙台)
----------
壮絶な点の取り合いとなった前回のダービーで両チームが示したものが、フットボールの魅力のわかりやすい部分だったとすれば、今回のダービーは「頭脳戦」、あるいは「神経戦」とも呼べる、奥の深いものだったと振り返ることが出来る。
結果こそ、前半の2ゴールで仙台の勝利という「シンプル」なものだったが、それが導き出されるまでの過程、特に後半の45分間の展開は、まるで将棋、あるいはチェスの対局でも眺めている気分にさせるものだった。
前回同様、先制は仙台。9分、左で永井から梁に渡ると、動き出しよく小原のマークを外した萬代がニアで一瞬フリーに。そこ目がけて、まだ浅い位置にいた梁から完璧なクロスが入ってくる。決して楽なボールではなかったと思うが、萬代が上手く頭で逸らしたボールは、GK清水に反応の機会すら与えない弾道でゴールマウスへ。
その後仙台には、わずか19分で白井が負傷退場するというアクシデントが襲うが、慌ててピッチに投入された渡辺広大は、持ち前の高さと強さを活かして、山形のU22代表候補であり、前回対決でもヘディングで仙台から1点を奪っている豊田に仕事をさせない。
そうなると、この日のゲームは俄然仙台に傾いて行った。そもそも今節の仙台は、とにかく前線が走り、動き、ポジションを変え、相手のDFラインを幻惑しながら崩していく、第1クール序盤のサッカーを取り戻しており、山形がいつも通り前からプレスをかけようとすればするほど、それをかわした仙台の攻撃は切れ味を増して、倍返しのような形で山形に襲い掛かった。
ハーフウェーライン付近で仙台がボールを奪い前に出た瞬間、プレスをかけそこねた山形の中盤より前の多くの選手が置いていかれる光景も見られるほど、この日の仙台はチーム全体に「キレ」があった。そして37分、仙台はジョニウソンの出足よいカットを起点に、最後は中島が強引に入れた速いグラウンダーのセンタリングが、それをカットしようとした石川のオウンゴールを呼び込んだ。
前半を終了して2−0。山形が2失点以上を許したのは、まさに前回のダービー以来(なお今節も含め、2失点以上を喫したのはここまでわずか2回。その両方が、仙台との対戦)であり、その引き分けたダービーでも、山形は2点差以上のリードを許さなかったからこそ追いつけた部分があることを踏まえれば、この点差は山形にとって「危険水域」を意味する。
そうした背景が、山形の速い仕掛けがもたらす、後半の深い戦いを生む。
後半開始から、山形はキャプテンの宮沢を下げ、守備に定評のある渡辺匠をボランチに投入、中盤の底で相手の攻めを断ち切ることに成功し始めたことで、後半立ち上がりは前半と打って変わり、山形が仙台を押し込む。しかしこの攻勢は仙台守備陣の奮闘で実らず、逆にCKのこぼれ球を拾ったロペスに一発のパスで裏を突かれ、中島にあわやの場面を提供してしまう(これはGKとの1対1で、中島のシュートが正面を突き難を逃れる)。
すると山形は次の策へと移行する。左SBの石川を一列前へ上げての、前回のダービーで終盤の猛攻、そして同点弾を呼び込んだ3バックへのシフトチェンジである。
ところがこの攻撃も仙台には効かない。というのも、試合開始からとにかくペースを掴むことだけを目標に、ひたすらサイドで上下動を繰り返していた菅井、田ノ上の両SBに、前半スタンドからピッチを眺めていた手倉森浩コーチから、後半は少し上がりを自重するようにアドバイスが与えられており、右の臼井、左の石川という、少し位置が高くなった山形両サイドの攻撃に対応する心構えができていたのだ。さらに山形が3バックとした直後には、先制点を決めながらも、その後攻守に駆けずり回り体力が低下していた萬代を外し関口投入。3バック化でどうしても空くサイドのスペースを突くべく姿をちらつかせたことで、攻めに出たい山形に辛らつな「足かせ」をはめる。
ビハインドを埋められない山形、最後の一手は69分。3バックの右を務めていた園田を外し、右のサイドアタッカー佐々木を投入、渡辺匠をDFに下げて3バックを維持しながら、おそらく仙台イレブンの中で最も疲労の色が濃かった田ノ上の前に、快速サイドアタッカーをぶつけてくるものだった。この時点で仙台の交代枠は残り1つ。前半のCB交代が無ければ2つ余っており、田ノ上に代えて磯崎という手も躊躇無く打てたかもしれないが…仙台の次の一手に注目が集まる。
だがここで仙台が見せた一手は、極めて冷静に考えられた、的確なものだった。梁に代えて田村を投入し、右のサイドハーフへ。ここまでロペスの1トップ下にトリプルボランチとなっていた布陣を再びボックス型に戻し、左のサイドハーフに、まだ体力があり余っていた関口を移した。これで左後方の田ノ上の負担は減る。リードは2点で、時間は10分弱、仙台にとって、この交代により一時の混乱が収まった時点で、勝敗は決まった。
山形は終盤、財前が左サイドへ流れて仕掛ける1対1で突破を繰り返して意地を見せるが、そこからフィニッシュになかなか持ち込めず。最後は秋葉のセンタリングに合わせた横山のヘディングが枠を逸れて万事休す。
前回のダービーは土壇場で勝ちきれなかった仙台。ゲームの入り方で勝り、中盤以降の駆け引きにも動じなかったことで、10戦無敗中だった山形から掴んだ、ダービーでの完勝劇だった。
以上
2007.05.27 Reported by 佐々木聡
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第18節 仙台 vs 山形 レポート】好調時のフォームを取り戻した仙台が、10戦無敗の山形をホームで飲みこむ完封勝利。前回ダービーの悔しさを晴らす。(07.05.27)
- 開幕特集
- 開幕招待
- 国立招待
- J.LEAGUE ALL-STAR DAZN CUP
- 熱き一枚を手に入れろ
- ベイブレードコラボ
- 明治安田のJ活
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 移籍情報
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- NEXT GENERATION MATCH 2026
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
















