5月27日(日) 2007 J2リーグ戦 第18節
福岡 1 - 2 札幌 (13:03/博多球/7,445人)
得点者:'15 リンコン(福岡)、'47 西谷正也(札幌)、'89 石井謙伍(札幌)
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ピッチの上には、連敗中のチームと首位をひた走るチームの差があった。ひとつ、ひとつのプレーに大きな差があったわけではない。スーパーなプレーが飛び出したわけでもなかった。しかし、どんな状況に置かれても、チームとしてやるべきことを当たり前のようにやりぬいた札幌と、それができなかった福岡との間には明らかなチーム力の差が存在した。これで福岡は4連敗を喫して7位に。勝った札幌は2位との勝点差を10に広げた。
素晴らしい立ち上がりを見せて前半をリードしたのは福岡だった。やや下がり気味の札幌のボランチの前に空くスペースを利用して、ゆっくりとボールを回してペースをつかむと、相手の出方を窺うようにボールをポゼッションし、待ち構える札幌の守備網の穴を丹念に突いてスペースを広げていく。そして15分。19本のパスをつないだ末にリンコンの先制ゴールが生まれる。ゆったりとしたリズムから、素早くシフトチェンジして奪ったゴール。それは福岡が目指すゴールスタイルそのものだった。
前半に放ったシュートは福岡の11本に対して、札幌は3本。この数字が表わすように、その後も主導権を握って試合を進めたのは福岡だった。だが、振り返ってみれば、札幌の戦い方もしたたかだった。「粘り強くやっていればチャンスは必ず来ると思っていた」(三浦俊也監督・札幌)。1点のビハインドにも反撃する姿勢を見せずに引いて構えたまま。先制点後30分も時間があったにもかかわらず、前半を0−1で終える選択をする。それは、勝ち続ける中で得た自信があったこそからの戦術だったのだろう。
そして47分、札幌は同点ゴールを挙げる。福岡陣内中央でこぼれ球を奪い合う中、大きく空いた右サイドのスペースをノーマークで駆け上がった大塚真司がラストパスを受けてシュート。一度はDFにあたってこぼれたが、そのボールを西谷正也が落ち着いてゴールに流し込んだ。そして、ここから試合の流れが札幌へと傾いていく。
前半は引き気味だった大塚と芳賀博信が高い位置からプレスを仕掛けるようになると、福岡のパスワークに少しずつ乱れが生じ始める。それと同時に、福岡はゆったりとしたリズムを捨て、縦に、縦に攻め急ぎ始めた。一度ボールを落ちつけて体制を整えてもよかったが、勝ち切れないチーム状況が焦りを呼んだのかもしれない。過去3試合同様にチームの連携がほころび、中盤が間延びした。
そして札幌は、手堅い守備をベースに、相手が不用意に出てくるところを巧みに捕まえては素早い攻守の切り替えから福岡ゴールを目指す。福岡が攻めようとすればするほど、札幌のしたたかな試合運びが際立っていく。特別なキープレーヤーが流れを変えたわけではない。チームとしての戦い方が徹底され、状況に応じて微修正をしながら、自分たちのやるべきサッカーを披露したことが流れを引き寄せた最大の要因。いつの間にか、札幌は福岡を術中に収めた。
そしてロスタイム。福岡の帰陣が遅いと見るや、砂川がカウエとのパス交換で左サイドを突破。トップスピードに乗ったまま、相手と競り合いながら絶妙なパスをゴール前へ送り込むと、これもまた絶妙なタイミングで飛び出してきた石井がワンタッチでゴールを陥れた。福岡が守備の意識を欠いたこともあったが、一瞬のうちに連動して見事なカウンターを仕掛けた札幌の意思統一の高さが発揮されたシーンでもあった。
福岡のサッカーが悪いわけではない。前半にみせたサッカーは見事の一言。それだけに、後半の変わりようが悔やまれる。この傾向は過去3戦と同じもので、いいサッカーをしながら、それを貫き通すことができないでいる。それは自分たちの戦いに確固たる自信がないからなのか、それとも意識のずれがあるからなのか。いずれにしても戦術上の問題というよりは選手たちの意識の持ちようの問題。苦しい状況が続くが、自分たちで乗り越えるしかない。
そして札幌。首位らしい堂々とした戦いだった。リスクを徹底的に回避した戦い方がクローズアップされるが、戦いを続ける中で、したたかさを身につけてきたように見える。おそらく、自分たちのベースとなる戦い方を選手全員が共通認識として持っているのだろう。だからこそ、ペースを握られる時間も慌てずに時を待つことができる。リーグ戦はまだまだ長い戦いが続くが、それを乗り切る力をつけつつあるように感じられた試合だった。
以上
2007.05.27 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第18節 福岡 vs 札幌 レポート】最高の立ち上がりも福岡4連敗。クローズアップされた札幌のしたたかさと福岡のナイーブさ。(07.05.27)
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