●キリンカップサッカー2007〜ALL FOR 2010!〜
第1戦 2007年6月1日(金)19:15キックオフ/エコパ/28,635人
日本代表 2-0 モンテネグロ代表
得点者:23' 中澤佑二(日本代表)、38' 高原直泰(日本代表)
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190cm台のモンテネグロ守備陣を上回る中澤佑二(横浜FM)の高さのあるヘッドに、前日に練習した通りのパーフェクトな崩しによる高原直泰(フランクフルト)の2点目…。前半45分間を見る限りでは、日本の大量得点勝利は十分ありえるはずだった。
ところが後半に入るや否や、素早いパス回しが減り、チームの連動性が急激に低下する。相手にPKを与える決定的なミスまで起きた。日本代表のイビチャ・オシム監督は怒りをあらわにし、試合後には「最初の時間帯はいいゲームができたのに、途中から個人プレーに走る選手が出てきた。シンプルにボールと人を動かすのが日本のサッカーなのに、個人プレーをする選手が出てきて、いいリズムが壊れてしまった」と思わず苦言を呈した。
高さと技術は備えているにせよ、コンディション不良のモンテネグロに2−0という結果は不完全燃焼感が残る。期待された水野晃樹(千葉)、途中交代の選手たちも持ち味を発揮しきれなかった。収穫と課題の両面が如実に出たキリンカップ初戦。5日の第2戦・コロンビア戦(埼玉)に向け、さらにチームを前進させなければならない…。
昨夏に発足したオシムジャパンにとって最初のタイトルマッチとなるキリンカップ。初戦の相手・モンテネグロはかつて指揮官が率いた旧ユーゴスラビアの一部ということもあり、負けられない相手だった。
2試合で多くの選手をテストする考えを示唆していた指揮官だが、スタメンは全くの未知数。配られたリストに稲本潤一(フランクフルト)、中田浩二(FCバーゼル)の両欧州組の名前もなく、常連組の川口能活(磐田)も巻誠一郎(千葉)も入っていない。この日は最終ラインと中盤を常連メンバーで固め、GK楢崎正剛(名古屋)、矢野貴章(新潟)を新たに先発させたのだ。システムは4−4−2から始まったが、試合途中に3〜4回にわたって目まぐるしく変化した。モンテネグロは4−3−3からのスタートだ。
日本の素早いボール回しと機動力を警戒したのか、モンテネグロは序盤から自陣に引いてきた。その守備的な戦い方に日本は苦労したが、横パスを主体にタテへのボールを臨機応変に入れる形が機能。徐々にリズムをつかむ。前半23分にはショートコーナーから初めてキャプテンマークを巻いた遠藤保仁(G大阪)がファーサイドにクロスを送り、飛び込んだ中澤がヘッド。高さには高さで対抗する形が的中し、日本が早い時間帯に先制する。
38分に高原が奪った追加点は「理想の崩し」から生まれる。左サイドでキープした中村憲剛(川崎F)が右サイドを上がった駒野友一(広島)へ展開。駒野は速く正確なクロスを入れた。次の瞬間、ニアサイドに入り込んだ高原が豪快に頭で合わせる。前日に確認したことをすぐ具現化できるところがチームの成長だろう。3月のペルー戦(横浜国際)に続くゴールに、高原本人も「こういう形を多くしていくことが大事」と満足感をのぞかせた。
前半のシュート数は7対2。終盤の山岸智(千葉)の決定機なども含めれば、ほとんどがゴール枠を捉えていた。両者の差は歴然としているようにも思われた。
しかし後半の日本は「らしさ」を出せなかった。9分に狙い済まして打った中村憲のミドルシュートが枠を大きく外れたあたりからリズムがおかしくなる。この5分後には左サイドでフリーになった山岸のクロスがあさっての方向へ。これに痺れを切らした指揮官はすぐさま佐藤寿人(広島)に交代する。
悪い流れがこれで切れればよかったが、今度は高原がペナルティエリア内で相手を倒してPKを与えてしまう。「軽率な時間があったことに対する罰」と指揮官が言うピンチはキッカー・ブルザノビッチ(10番)のミスに助けられた。その後の選手交代で多少はシンプルなサッカーに戻ったものの追加点は奪えない。後半のシュート数は5対5の互角。2−0の勝利も、見る側にとっては決して後味のいいものではなかった。
遠藤は「運動量もパスのテンポも落ちて1人1人の持つ時間が長くなった。シュートも枠に飛んでいない。誰が悪いとかいう話じゃない」と後半について総括したが、名指しでミスを指摘された中村憲は「個人プレーをした選手とは自分のことだと思う」と潔く反省していた。が、オシム監督の厳しい発言は期待の裏返しだ。3月のペルー戦後にも、中村俊輔(セルティック)に「やればいいのは単純なプレー。天才的なことをやろうとすると無残な結果になる」と語りかけている。
「タイミングが悪いこと、手間をかけすぎること、ボールが私物であるかのようにキープしようとすることなどなど、そういうことを直さずにはいいチームになれない」とも指揮官は強調した。とはいえ、突きつけられた課題を克服するたびにチームは強くなる。出来の悪かった後半をしっかりと振り返り、分析することが5日の第2戦、7月のアジアカップにつながる。
それに悪い部分ばかりではなかった。代表初先発の矢野は高原にスペースを作って2点目をお膳立てし、果敢にゴールを狙った。駒野の鋭いクロスはビッグチャンスを演出し、遠藤・鈴木・中村憲の中盤も前半はまずまず連動していた。最終ラインは複雑なシステム変更を戸惑うことなくこなし、適応力の高さを示した。前向きな部分もきちんと評価すべきだ。
この戦いを踏まえてコロンビア戦に挑むわけだが、次は中村俊を含めた欧州組、川口、巻らの先発が予想される。彼らがオシム監督の求めるサッカーをどこまで実践できるのか。チームの連動性は高まるのか。キリンカップタイトル獲得を狙うのはもちろんだが、それ以上にアジアカップ前最後の試合を有効に生かしたい。
以上
2007.06.02 Reported by 元川悦子
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●キリンカップサッカー2007〜ALL FOR 2010!〜
第3戦 2007年6月5日(火)19:20キックオフ/埼玉
日本代表 vs コロンビア代表
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J’s GOALニュース
一覧へ【代表4連戦!:日本代表 キリンカップ モンテネグロ代表戦レポート】理想的な崩しから前半のうちに2点を奪うも後半はペースダウン。モンテネグロに勝利もオシム監督はあえて苦言を呈す(07.06.02)
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