●キリンカップサッカー2007〜ALL FOR 2010!〜
第3戦 2007年6月5日(火)19:20キックオフ/埼玉/45,091人
日本代表 0-0 コロンビア代表
※大会結果:1勝1分 勝点4 得失点差+2 でオシムジャパンが初タイトル獲得!
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「コロンビアのような戦術的にも高く、速さもあり、いいサッカーをしてくる相手に負けなかったことは自信になる。チームはまだ若いし、キリンカップというタイトルを1つ取ったことも大きい」とオシムジャパンデビューを飾った中田浩二(バーゼル)は指揮官の胸中を代弁していた。「過去の親善試合で一番強かったのはアルゼンチンだけど、その次くらいに強かった」と中村俊輔(セルティック)も言い切る相手だけに、この苦戦はある意味、当然だったかもしれない。
とはいえ、前半はあまりに機能しなかった。最大の要因は4−2−3−1の新布陣とポジションへの戸惑いだろう。中盤に中村憲剛(川崎F)、遠藤保仁(G大阪)、稲本潤一(フランクフルト)、中村俊と似たようなタイプを並べたことで、ボール回しにリズムが出なくなってしまったのだ。トップ下という不慣れな位置に入った稲本が相手の裏に飛び出したり、2列目に並んだ中村俊、遠藤と流動的に動くシーンも少なかった。「これはカミカゼシステム。リスクの大きな構成だった」と話すオシム監督も、この状況をあらかじめ想定していただろう。もしかすると、旧ユーゴスラビア代表時代にやったように「スター選手を並べるだけではチームになりえない」ことをあえて周囲に理解させたかったのかもしれないが…。いずれにしても、今回のテストには大きな意味があったに違いない。
後半になって相手の運動量が落ち、稲本に代えて羽生直剛(千葉)が入ると、日本のリズムは目に見えてよくなった。決定機もあったが、決めきれないのが今の日本代表。高原直泰(フランクフルト)や中村俊らもゴールに直結する仕事ができずじまい。スコアレスドローで何とか3年ぶりのキリンカップ優勝を果たしたが、7月のアジアカップに向け、連携や決定力の面ではまだまだ改善の余地がある。この試合をしっかりと分析することが次へとつながる。
1日から始まったキリンカップもいよいよ5日が最終戦。日本とコロンビアが1勝同士で優勝を賭け、埼玉スタジアムで激突した。
この日のオシムジャパンにはタイトル獲得に加え、欧州組4人衆が機能するかというもう1つの大きなテーマがあった。指揮官は中田を左サイド、稲本をトップ下、中村俊を右MF、高原を1トップにすえる形で先発起用。卓越した個人技とパスセンスを擁するコロンビアの中盤を制圧するため、あえてMFを5人置くという奇策に出たのだ。
「中1日の試合だから、コロンビアは様子見で来ると思った」と中村憲は話したが、彼らは序盤から積極的に攻めてきた。個人技と小刻みなパス回しで日本陣内に侵入。これを捕まえるのに苦労する。しかも練習でも試していない新布陣に日本選手たちは混乱する。
そんな流れから、前半にはコロンビアに2度の決定機を作られる。最初は16分、中村が滑って失ったボールを受けた司令塔のフェレイラ(8番)のスルーパスに呼応したエディソン・ペレア(7番)が前線でフリーになったシーン。もう1つが前半終了間際、再びE・ペレアがビッグチャンスを迎えながら弱いシュートを打ってGK川口能活(磐田)にキャッチされた場面。どちらも完全に崩されながら入らず、日本は九死に一生を得た。
「フィジカルの準備ができていない選手がいた」と暗に苦言を呈された稲本は前半で交代。「意外なポジションで戸惑うことが多かった。本来のポジションで勝負したかった」と本人も不完全燃焼感を口にするしかなかった。中田も右足首をひねって今野泰幸(F東京)と代わった。2人にとっては実にホロ苦いオシムジャパン初戦だった。
後半は4−4−2に近い布陣へ。羽生が高原の周辺を衛星的に動いてチャンスを作り始める。これで中村俊と遠藤も本来の2列目で落ち着き、スムーズなパス回しが戻ってきた。そして後半15分、左に開いた高原がタメを作って羽生→遠藤→中村俊とダイレクトパスがつながる。そして右サイドに走りこんだ中村憲がフリーでシュート。これこそ完璧な崩しだったが、彼はシュートをふかしてしまう。「誰もいなかったスペースに突然、カバーが来た」と話ように、肝心なところで国際経験不足が出てしまったのだ。チームにとっては悔やまれるシーンだった。
その後、オシム監督は巻誠一郎(千葉)や藤本淳吾(清水)、播戸竜二(G大阪)らを投入して1点を取りに行くが、フィニッシュに至る攻撃を仕掛けられない。奇妙な沈黙の中、試合は0−0のまま終了。日本とコロンビアのシュート数が6対4だったことを見てもこの結果はやむをえない面はある。
相手が強いとわずか1試合でも得るものが格段に多い。収穫を挙げるとすれば、前半の組織的な守備と後半に見せたスムーズなボール回しだろう。「あれだけの相手にしっかりと守れた」と中村俊も話すように、守備の連動性は高かった。後半にはオシムサッカーの目指すべき姿が垣間見えた。これをアジアカップでも実践していくべきだ。
エレガントな選手を並べるだけではすぐには連動しない。その厳しい現実を改めて突きつけられたのもプラスだ。指揮官もかつては「効率性とエレガントは両立しない。それを併せ持つのはバルセロナくらいだ」と語ったが、さまざまな役割がいて、チームは初めて1つになるのだ。我々メディアもそれを理解したうえで代表を見続けていく必要がある。
「サッカーの学校としては非常にいい授業だった」とオシム監督は一応の満足感を口にした。中村俊も「チームが何を求めているのか何となく分かった。次は連動させながら自分の持っているものを出したい」と前向きにコメントしている。このコロンビア戦はアジアカップ3連覇を目指すチームにとってのいいステップになりそうだ。
以上
2007.06.06 Reported by 元川悦子
J’s GOALニュース
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