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【J2:第21節 山形 vs 水戸 レポート】5連敗からの復活! 守備でリズムを手にした水戸が、山形を破り今季2勝目を挙げる。(07.06.14)

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6月13日(水) 2007 J2リーグ戦 第21節
山形 1 - 2 水戸 (19:04/NDスタ/2,893人)
得点者:'36 塩沢勝吾(水戸)、'46 豊田陽平(山形)、'73 西野晃平(水戸)

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 水戸のラインは高すぎず低すぎず、しかし、全体がコンパクトに保たれていた。山形の最終ラインにはフリーで回させるものの、そこからライン間の選手に当ててくる縦パスは徹底的に警戒する。「自分を犠牲にしてつまらない感じのサッカーを前半はやりました」という村松は、小椋とともにDFラインの前に張りつき、バイタルエリアを使わせない作業に務めた。その分、奪ったボールはサイドに展開。攻撃の厚みとしては物足りないが、攻守の切り換えの早さで先手を取り、間違いなく主導権は手中にしていた。

 その堅い守りの水戸を前にしても、山形には山形なりにアグレッシブに攻撃したい理由があった。ここ5試合で勝利がなく、その間わずか2得点。安定した守備ベースの上に攻撃力の上積みを図っているが、前節での3失点はポゼッションでのミスを突かれたものだけに、その精度をより高めようとする狙いも、決して不自然なものではない。

 ロングボールでのさぐり合いの後、互いにポゼッションに切り換えたあたりから、高いラインを構える山形が中盤でボールを奪い始める。しかし、この日も山形はミスが多く全体的にリズムに乗り切れない。しかも、生命線でもあるFWでポイントをつくって展開する形が、バイタルエリアをしっかり閉じられていることでなかなか叶わず、立ち上がりには3〜4本つながっていたパスも、いつしか単発で終わることが多くなっていった。

 突然だが、オセロゲームで自分の色を増やすことは、のちに奪われる機会を相手に与えることにもなる。序盤はある程度相手に取らせるのが定石だが、誤解を恐れずに言えば、この試合はオセロゲームのパワーバランスのようにも見えた。力ずくで攻め込む山形と、その力を利用してうまく反撃につなげる水戸。山形に攻めさせることで、山形が本来やりたかった「守備でゲームをつくる」展開を実践できていたのは、水戸のほうではなかったか。そのしたたかさが、いよいよゴール前で結実していく。

 前半29分、ドリブルで攻め上がった金澤から放たれたクロスを、ペナルティーエリアの淵で合わせた塩沢のヘディングはゴールポストの角に当たり、こぼれたボールに岩舘が詰めたシーンはオフサイドの判定。先制のビッグチャンスを逃したかに見えたが、その7分後に訪れる本物のチャンスは逃さなかった。吉本からの縦のフィードを、後ろに下がりながらトラップしようとした小原が足に収めきれず、すかさず体を入れ替えた塩沢が振りきった。GKとの1対1を冷静に沈め、5連敗中にわずか1得点しか挙げていなかった水戸が先制する。40分には岩舘のスルーパスにまたも塩沢が抜け出したが、今度はトラップがやや大きかったのを見逃さなかったGK清水が前に出てキャッチ。追加点こそならなかったが、終盤は水戸の攻勢で折り返した。

 後半から山形は林を投入。裏のスペースを突き、クロスに飛び込む思い切りのいいプレーを発揮する。後半1分、その林へのクロスがニアで跳ね返されると宮沢が拾い、そのまま前方へ山なりのフィードに換える。飛び出してパンチングを試みようとしたGK武田よりも早く豊田がヘッドでとらえたボールはマウスに飛び込み、同点ゴールとなった。

 追いついた勢いを逆転の原動力にしたい山形だったが、水戸の前田監督が後半15分に動く。ここまで走り回ってきた岩舘、塩沢の2トップを、収まりの効く西野、鈴木孝明にチェンジ。それと同時に、小椋、村松も前線へ飛び出す動きを見せ始めることで、主導権は水戸にあることを示し始める。後半22分の右CKでは、平松のヘッドの折り返しを西野が流し込むだけだったが、ボールが浮いてしまい枠の上を越える。しかし前半同様、決定機を逃したあとに得点チャンスが巡ってきた。後半28分、金澤の右クロス。逆サイドから走り込んだ鈴木良和が競りながらヘッドでスラしたその先には、フリーで待っていた西野。今度は落ち着いて枠内に押し込み、水戸が再びリードした。

 山形は後半34分の木藤投入で、ここのところ定番となっている3−5−2システムに切り換え、クロスボールを多用することでこの日2度目のビハインド脱出に懸ける。右サイドからは途中出場の佐々木がクロスを再三上げ、ニアに飛び込んだ林があと一歩で追いつこうかというシーンをつくり、左クロスのクリアボールを拾った小原の右クロスに林がヘディング。さらにロスタイム直前にも林が裏に抜け出そうかというシーンがあったが、鈴木和裕がよく対応したこともあって打ちきれず。すると最後の見せ場は逆に水戸。ロスタイム、金澤が右から直接狙ったミドルシュートはバーを叩いたが、ほどなく試合終了のホイッスルを聞いた。

 中2日のアウェイ連戦と厳しい状況をはねのけ、水戸は今季2勝目を挙げた。「なんとかバックラインが安定してきたので、これでいけばそんなに失点はないだろうと。あとは得点を今日みたいに取ってくれれば、水戸もこれから上位チームに対しても勝つことができるのではないかなと思うし、いいサッカーをまた皆さんに見せられるのではないかなと思っています」と饒舌に話す前田監督と水戸の野望は、これからが本番だ。

 山形はまたもミスから先取点を奪われる課題が克服できず、これで6試合勝利なし。どんな逆境でも冷静にオフサイドを取ってきたDFラインもこれまでになく一体感を欠き、3失点した前節・京都戦よりも状況としては深刻になっているように見える。「チーム全体の戦い方を整理する必要がある」と樋口監督は話す。第1クールのようなかみ合わせのいい状態に戻すにはある程度の時間はかかりそうだが、ここで方向性や手順を間違えれば、それこそシーズンを棒に振ることになりかねない。次節までは中3日。正確かつ早急な判断が求められる。

 そして、リーグ戦はまだ半分以上の日程を残している。「毎回負けは厳しいですけど、負けて終わりだったらみんな辞めればいい。まだチャンスがあるんだから、それを生かさないといけない」(宮沢)。負けずにボールを蹴り続けようとする選手たちには何が必要か。一緒に戦ってきたサポーターなら、その答えは自ずとわかるはずだ。

以上

2007.06.14 Reported by 佐藤円
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