6月13日(水) 2007 J2リーグ戦 第21節
仙台 1 - 0 福岡 (19:04/ユアスタ/11,301人)
得点者:'52 菅井直樹(仙台)
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52分、タイミングよくペナルティーエリア手前に顔を出してきた田村に、ロペスからパスが出る。右サイドに展開しようとした田村のパスはチェックに入った久藤の足に当たるが、それにより角度を変えたボールは、ゴール右に走りこんできた菅井にとって余計に素晴らしいボールとなってしまった。
そして菅井が、この幸運…だけではなく、幸運を呼び込んだ「同い年のルーキー」田村の働きへ感謝を表すがごとく、入ってきたボールを強烈なジャンピングボレーで叩き込む。
先制点は仙台。そして結局、このゴールが決勝点となった。
ゲームの立ち上がり自体は福岡のものだった。6分には右ウイングの田中が強烈なミドル。さらに7分には右サイドからドリブルで持ち込んだ久藤が、ペナルティーアークのアレックスからワンツーを受ける形でゴール左に流れフリーでシュートチャンスを迎える。
しかしこの決定機に、前節に引き続き今節2度目のスタメン出場となった小針が立ちはだかり、ファーサイドへコースを突いた久藤のシュートを左足一本で弾く。このファインセーブは、以降試合終了までの仙台の守備陣を精神的に支えるワンプレーとなった。
同時に攻撃陣も、前節の東京V戦とは違い、早い時間に目を覚まし始める。試合開始から、縦に急ぎすぎるあまりに、パスミスなどでチャンスを潰す場面が多かった仙台だったが、今日はピッチ上の選手たちに「自己再生」の意識があった。梁の試合後コメントにもあるように、15分頃から仙台には、しっかりとパスをつなぎ、人数をかけてサイドを侵食して行く良いリズムが戻ってきた。
その分、確かにボールを奪われた時にはピンチとなりやすく、返す刀で福岡の鋭いカウンターも何本か浴びることになるわけだが、それでも前半をほぼ無抵抗のまま終えることになった前節と比べれば、自分たちのサッカーを取り戻して決定機の数で互角以上の状態へと持ち込んだ仙台の修正能力は特記すべきことである。そもそも冒頭で触れたゴールの場面も、サイドでボールを受けたロペスにマークが寄ったところ、空いた中央に田村が入ってきて生まれたもの。その意味でこのゴールは、仙台にとっては狙い通り、取るべくして取ったゴールだった。
こうして、逃げる仙台、追う福岡という構図となった残り40分弱。イーブンの状況と違い、それぞれ明確な目的を持つこととなった中で、両チームの戦いぶりに差が出てくる。
仙台は1点を守る上で、的確に、そして素早く動いた。まずリードを奪った後に、前線に中原を残し、自陣で2ラインを作りゴール前を固める守備ブロックを構築。軽い負傷もあって菅井を下げた後は田村を右のSBに下げ、富田をボランチへ。その後どうしても守りが中央に寄ることで、特に仙台の左サイド、つまり福岡の右サイドを田中に使われ始めたと感じれば、中原を下げて左SBに磯崎投入という一瞬驚く交代を見せるが、右サイドハーフのロペスを前線へ上げ、左サイドハーフの梁を右へ移した後に、左SBだった田ノ上を一列前の左サイドハーフに上げるという複数選手の移動で難なく対応。
こうしたスムーズな交代、相手への対応を可能にしたのは、仙台の選手たちが持つ、流行り言葉で言うところの「ポリバレント能力」だった。試合中にポジションを変えた選手は、同ポジションでの左右チェンジという梁を含めると5人(梁、ロペス、関口、田村、田ノ上)。「複数のポジションを選手たちにはこなしてもらう」と開幕前から語っていた望月監督の方針が、この試合は大いに活きたと言える。
こうしたチームとしての力にさらに、59分と64分のリンコンの決定機をそれぞれ止めた渡辺と小針、そしてロスタイム、CKからの混戦の中で柴村に当たりゴールマウスに飛んで行ったボールをライン上でクリアした磯崎など、開始直後の小針から続く神がかり的な集中力が加わり、仙台は今季初の「1−0勝利」を得ることが出来た。
その一方で福岡には、打つ手に限りがあったように思える。点を取るためにはリンコンにボールを入れる必要があった中で、彼にボールを供給する手段(一例を挙げれば、田中のサイド突破など)を仙台は封じてきた。しかしそのような状況下でリトバルスキー監督が採った策は、CB川島を下げて長身の林を前線に投入する一手。ボールの供給方法が無いところに「供給先」の選手を入れるという方法だった。
しかしそれならそれで、1点を追いつくという現実を重視すれば、早くパワープレーに移行する道もあったし、おそらくリトバルスキー監督が意図していたのもそこだろう。だが監督の狙いを、ピッチ上の選手たちはなかなか感じられなかった。実際にロスタイムでは、立て続けにCKが続く中で、仙台は福岡の高さにかなりの苦戦を強いられていたため、そうした攻めに早い時間から来られていれば展開は違っていたかもしれない。あるいは試合立ち上がりにあった久藤の好機のように、中盤が仕掛けて中央からトップに絡む動きで「供給路」を増やせられれば、という思いを、後半の特に主導権を握りつつあった時間帯に抱かせられた。
両チームとも決定機の数はほぼ同じ。仙台が後半、福岡に点を許さなかったのは、先に触れた「局面での素晴らしい守り」に寄るところも大きいだろう。しかしそれとは別に、ピッチ上での「適応能力」にこの試合では差があった。勝った仙台の側にチームとしての満足感が高くあるのは、そのせいかと思われる。
以上
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第21節 仙台 vs 福岡 レポート】ピッチ上の状況、そしてベンチの采配に、的確にそしてスムーズに対応した仙台が、今季初の「1−0」を手繰り寄せた。(07.06.14)
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