6月30日（土）J1 第18節 新潟 vs 広島（16:00KICK OFF/東北電ス）
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　3連勝がかかるホームの新潟と、6月の初勝利を挙げて中断期間に入りたい広島。ともに得点源の日本代表のゴールが、流れを引き寄せる。

　新潟は矢野貴章がゴールを決めた試合はここまで負けなし。この試合後に発表予定のアジアカップ代表最終23人に入るための最後のアピールになる。
　広島は6月に入って1分2敗と勝ち切れていない。6試合無得点の佐藤寿人にとっても、自身の得点と勝点3をゲットして、すっきりとした気持ちでアジアカップに備えたいところだ。

「勝って前半戦を締めくくりたいですね」。代表合宿を終えて、28日からチームに合流した矢野は、気負いのない表情で話した。リーグ戦、代表招集とオフのないスケジュールが続く。それでも、「疲れはないです。大丈夫」と淡々した様子。そして「チームにとっても自分にとっても大事な一戦」と、広島戦の重要さはしっかりと受け止める。

　今季はここまで5得点。矢野がゴールを決めた5試合は、4勝1分と負けなしだ。前節の千葉戦（2対1）は前半を0対0で折り返す緊迫した中で、後半に先制点を奪った。「チームが苦しいときに勝負できる選手になりたい」。常に描いている理想のイメージ通りに得点し、チームを勝利に導いた。感覚は研ぎ澄まされている。

　代表合宿から戻った後は、「いつも以上に、やらなければ、という気持ちになる」と言う。今回は最終メンバー選出前とあって、生き残りをかけた緊張感が漂っていた。矢野も練習試合で1得点を挙げた。「今の自分がやれることはやってきた」と充実感を持って、チームに戻ってきた。新潟は現在4位。このまま上位争いに食らいついた状態で後半戦を迎えるためにも、広島戦は落とせない。「まず明日の試合です」。責任感をいい刺激にして、ゴールと勝ち星を狙う。

　広島は6月に入って勝利がない。ただ、試合内容は悪くない。駒野、服部の両サイドから揺さぶり、ウェズレイ、佐藤のツートップで勝負、こぼれ球に2列目が反応する。得点パターンはしっかりできている。

　最も結果が欲しい一人が佐藤だ。ここ6試合無得点。前節の神戸戦は決定機を外すなど、不完全燃焼だった。その分、今節に注ぐ集中力も高まる。広島の、対新潟戦（リーグ戦）の敗戦は2004年のセカンドステージ第6節までさかのぼる。ここ2シーズンは負けなし。相性の良さも、ゴールゲットをバックアップする。

　新潟にとっては好調を持続するためにも、苦手をたたいておきたい状況だ。矢野のゴールと3連勝がリンクすれば、中断明けのムードを前向きにしやすくなる。もちろん、広島は勝ち星から遠ざかっている分、貪欲に勝負をかけてくる。

序盤のせめぎ合いで主導権を握れるかがカギになる。

以上

2007.06.29 Reported by 斎藤慎一郎（ニューズ・ライン）