6月30日（土）J1 第18節 大宮 vs Ｇ大阪（16:00KICK OFF/駒場）
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■注目プレイヤー： 冨田　大介選手（大宮）
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　リーグ最小得点の15位大宮と、現在ぶっちぎりのリーグ最多得点を記録する首位Ｇ大阪との一戦。この数字だけを眺めれば、すでに勝敗は見えている試合にも思えるが、大宮が誇るリーグ３位タイの堅守が両者の距離を一気に縮めることとなる。５月６日の浦和戦以降、ここ８戦を２勝６分けとし、約２カ月にわたって無敗で乗り切ってきた大宮だが、この期間での失点はわずかに３。確実に負けないチームへと変貌を遂げてきたチームがさらに自信を深めるには、Ｇ大阪相手の白星に勝るものはない。

　この一戦を前にして、大宮ではFWサーレスが退団、一方のＧ大阪ではバレーが全治３週間の故障で戦線離脱となった。あくまでも不発に終わったストライカーが抜けた大宮に対して、今季９ゴールを挙げて得点ランキング３位タイに付けるバレーの離脱が、Ｇ大阪に与える影響は決して小さいものではないだろう。ただ、代わりに出てくるのが日本代表FW播戸竜二と、首位チームは改めて選手層の厚さを見せ付ける。なお、日本代表ということで言えば、Ｇ大阪にとっては24日から27日までの代表合宿に５人の選手を送り込んだ影響も心配されるところだ。疲労という観点からはもちろん、バレー、およびU-20Ｗ杯出場のためにチームを離れた安田理大を合わせれば、チームは７人の選手を欠いて今週のトレーニングに臨んでいる。これに対するホームの大宮にとっては、この間隙を縫いたいところではあるが、問題となるのはやはりＧ大阪の攻撃陣をどう抑え込むかが最重要項目となる。

　Ｇ大阪で先発が予想される播戸とマグノ・アウベスという昨季の黄金コンビに対するは、大宮のレアンドロと冨田大介のセンターバックコンビ。西村卓朗と波戸康広の両サイドバック、およびアンカーの斉藤雅人との連携においてではあるが、そのなかでもマグノ・アウベスとレアンドロとのマッチアップは、この試合で外すわけにはいかない注目ポイントになる。豪快なボール奪取力と高精度のフィードを兼備し、今や大宮の最終ラインの壁として君臨するレアンドロは、ここにきて復調してきた昨季得点王マグノ・アウベスにどのような罠を仕掛けるのか。かつてフルミネンセ（ブラジル）でチームメイトとしてプレーした両者の意地のぶつかり合いが、ハイレベルな攻防になることは間違いない。

　そして、大宮が勝利するために必要不可欠なゴールを前に鍵を握るのは、やはり小林大悟、藤本主税の両サイドだろう。故障を抱えつつも、多種多様なキックを駆使して右サイドで独特な雰囲気を放つ小林大と、チームの最後の仕掛けの部分を担う藤本の活躍なくして、大宮の金星は難しい。「だんだん良くなってきた実感はある。今やっていることを続けることが大事」と藤本が語るように、サイドチェンジをふんだんに盛り込んだワイド攻撃は、爽快さを備えつつある。あとは前節の第17節横浜FM戦でもシュートが６本に終わったことが示すように、単調な攻撃から脱却し、ゴールへの筋道でリズムの変化さえ付けることができれば、今季２度目の複数得点試合も見えてくるだろう。

　「結果で自分たちのサッカーが正しいことを証明しないといけない」。攻撃陣のひとりとして先発を続ける片岡はそう語ったが、この試合での勝利は次のステージへの第一歩になり得る。中断明け後の後半戦に向け、“やりにくい”チームから、“対戦したくない”チームへと進化を遂げるべく、この一戦は大宮にとって今季最も重要なゲームのひとつとなる。

以上