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【ヤマザキナビスコカップ 鹿島 vs 広島 レポート】柳沢、小笠原の復活で鹿島が貫禄の勝利。2年連続の準決勝を果たす。(07.07.16)

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7月15日(日) 2007 ヤマザキナビスコカップ
鹿島 3 - 1 広島 (18:30/カシマ/8,647人)
得点者:'15 マルキーニョス(鹿島)、'40 マルキーニョス(鹿島)、'47 野沢拓也(鹿島)、'63 ウェズレイ(広島)

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試合前のウォーミングアップ。フィジカルコーチの指示で鹿島の選手たちが短い距離のダッシュを繰り返す。その表情は引き締まり全力でのダッシュを黙々と繰り返す。フィジカルコーチが手を叩くリズムが全く乱れない。毎試合見られる光景とどこかなにかが違う。ピーンと張りつめた緊張感。選手たちからは溢れんばかりの闘志がみなぎっていた。

この試合、鹿島にとっては難しい状況でのスタートだった。まずはアウェイゴール。第1戦を0−1で敗れたためアウェイゴールを奪うことができず、第2戦での失点は大きなビハインドとなる可能性を抱えていた。また、戦術的にもなにかしらの対策を講じる必要があった。前の試合では、中盤の配球役だった青木が激しくすばやいマークにあい、ボールの展開を阻害され攻めの形がつくれずに終戦していた。
だが、鹿島のオズワルド オリヴェイラ監督にとって、これらの問題に答えを出すことは意外と簡単だったのかも知れない。柳沢敦と小笠原満男という、チームに大きな影響を与える2人の選手が戻ってきたからだ。監督は試合後、「彼らがチームに与える影響というのは計り知れない」と語っている。実際、試合のなかで彼らの存在感は際だっていた。

ゲームは大荒れの天気のなか始まった。いったんは雨も止み青空が顔を出したものの、試合開始直前から雨と風が激しくなる。強い風がスタジアム内で巻くなか前半は鹿島が風上に立った。鹿島が攻め、広島が守るという第1戦の構図は変わらない。鹿島は本山と新井場のコンビネーションで左サイドを突破し、何度かチャンスをつくる。しかし、序盤目立ったのは広島の速攻だった。鹿島はセンターバックにファボンを起用していたが、岩政との連携がいまひとつ。開始早々のFKではマークミス。時おり繰り出される広島の鋭い速攻に対してはマークに付ききれずシュートまで行かれてしまっていた。
だが、前半15分、鹿島に待望の先制点が入る。それまでも何度と無くDFラインの裏側を狙う動きをしていたマルキーニョスへ本山から絶妙のパス。森崎和幸を振り切ったマルキーニョスはフリーでシュート。キーパーの届かないコースへ確実にコントロールし、初めてのチャンスをきっちりものにした。

このあたりから鹿島の攻勢が一気に強まる。相手にボールを奪われると前線から激しくチェック。中盤に出たボールに対しても、すばやく相手を囲みボールを奪っていった。特に、相手陣でのスローイングに対しては、マークをはっきりさせプレッシャーを与えた。事前のスカウティングで広島の選手の対応に問題があることを見抜いていたのか、スローイングの機会は「ボールを奪うチャンス」とチーム共通の狙いを定めていたようだった。実際、広島の選手たちはボールの出し所がなく、スローを受けた選手が苦し紛れに前線に蹴り出す場面が続出していた。
そして40分、鹿島が2戦トータルでの勝ち越しとなる2点目をあげる。決めたのはまたもマルキーニョス。小笠原の中盤でのパスカットから、中後、柳沢とつながったパスを決めたものだった。柳沢をマークしていた盛田はしばしば鋭い動きについて行けず対応に苦慮していたため、多少距離をとってマークしていたのが災いしてしまった。

後半も鹿島のペースで試合が進む。開始早々、ファボンからのロングフィードを受けた柳沢が左サイドを抜け出てセンタリング。走り込んだ野沢が頭で合わせ、決定的3点目が鹿島に入った。前半は前線から激しくチェイスしたことから鹿島のペースで試合が続くことはないと思われた。それだけに、この3点目は大きな大きな追加点となった。
その後、平繁、柏木と若手選手を立て続けに投入した広島が、ウェズレイの得点で一矢報い、あと1点で準決勝に進める状況をつくる。さらに槙野を入れ、4バックにして攻勢をかけるも効果的な戦術変更とはいかず、鹿島に時間を使い切られてタイムアップ。鹿島アントラーズが2年連続の準決勝進出を決めた。

鹿島の勝因は、やはり柳沢、小笠原の復帰が大きかった。柳沢はパートナーとなるFWを活かす選手。サポートを受けたマルキーニョスが2得点の活躍し、柳沢自身も2アシストとらしさを見せた。また、小笠原の起用は、広島への第一の対応策であった。ダイヤモンド型だった中盤はボックス型となり、中盤の底で中後と小笠原が代わる代わる入ることで、広島にプレスの的を絞らせなかった。つねにリードする展開だったということはあるものの、パス回しに苦慮する場面はほとんどなかったと言えるだろう。

ふたりの復帰に加え、ファボンもひさびさの先発出場。リーグ戦ではガンバ大阪、浦和レッズの後塵に配するものの、両チームに匹敵する戦力がようやく揃った。しかし、チームの完成度という点においてはまだまだ。得点シーンはいずれも相手のミスに乗じたもので、自らのパス回しでディフェンスを崩したシーンは試合を通じても少なかった。前半には、小笠原から本山へのスルーパス、グラウンダーの折り返しに柳沢が飛び込むというプレーが一度だけあった。3人が連動することで美しいプレーが生まれることはこれまでも実証済み。今後、どれだけこうしたシーンをつくれるかが問われてくる。約1ヶ月の中断期間でどういうチームに仕上げてくるのか楽しみにしていきたい。

以上

2007.07.16 Reported by 田中滋
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