7月15日(日) 2007 J2リーグ戦 第28節
福岡 0 - 1 仙台 (19:03/博多球/9,406人)
得点者:'74 ロペス(仙台)
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「試合について話をすることは、すごく難しい状況だ」。悲しそうな表情を伴ったリトバルスキー監督の記者会見は、この一言で始まった。スコアだけを見れば0−1。シュート数はともに13本ずつ。だが、内容は仙台の完勝だった。90分間、アグレッシブな姿勢を貫き通し、人もボールも動かす仙台に福岡は全く歯が立たず。警戒していたロペス、梁勇基にもいいようにかき回された。自分たちのホームで喫した屈辱。スタジアムを引き上げる選手たちの足取りは重かった。
勝負は最初の10分で着いたと言っても良かった。
「今日の自分たちのテーマで一番の部分はメンタル的な部分。もう一度自分たちのやってきたことを信じるということだった」(望月達也監督・仙台)。その言葉通り、攻撃的な姿勢を前面に出して福岡に襲いかかる仙台は、4分、6分、そして7分と決定的なシュートを放つ。ボールにつられてしまう福岡は、ボールの反対サイドの選手が全く見えていない。ゴールを奪われなかったのが不思議なくらいだった。そして、この仙台の攻勢で福岡は完全に後手に回った。
ここからは仙台の独壇場。守備をケアするのはCBの2人とジョニウソンの3人。そして、関口訓充、中島裕希の2トップから、中田洋介、磯崎敬太の両SBまで7人の選手が前後左右にポジションチェンジを繰り返して福岡に襲いかかる。それだけではない。走る量も、スピードも、球際での強さも、すべての面で福岡を上回った。「相手のパス回しが速くて、上がってくる人数も多くて、中盤で捕まえるのを手こずってズルズル下げてしまった」(長野聡・福岡)。運動量、1対1というサッカーの基本的な部分でこれだけ差がついてしまってはどうしようもなかった。
福岡が活路を見出すとすれば、高い位置取りの両サイドの裏を突くこと。中盤を布部陽功のワンボランチにして田中佑昌のフォローに久藤清一を置いていたのは、そういった狙いがあったはずだ。しかし、「ボールを取っても回す意識がなかった。相手の速いパス回しに対して、うちはゆったりしたパス回しなのに、相手に合わせてしまった」(長野)というように、ボールをポゼッションするという自分たちのサッカーを見失っては、それもかなわなかった。
それは自分たちのサッカーを信じきれない、そして貫ききれない福岡の弱さと言えるかもしれない。その姿勢は後半にも表れた。一方的に押し込まれる展開に選手たちが選択したのは引いて守ること。しかし、いつもとは違う守備の仕方が機能するはずはない。結果論かも知れないが、J1昇格レースへの生き残りがかかった大事な試合だからこそ、真っ向勝負を挑みたかった。強者に対して逃げることを選択すれば、それは敗戦を意味するからだ。失点は時間の問題だった。
気持ちのこもった、そして、全員が連動して組み立てる攻撃サッカーを展開した仙台は素晴らしかった。この日の試合は90分間を通して技術・戦術面で仙台が上だった。しかし、それ以上に、自分たちのサッカーを信じて貫いた仙台と、どこかで徹底しきれない福岡の現状が如実に表れた試合でもあった。これで福岡の順位は6位。首位の札幌とは14、2位の京都に11、そして3位の仙台との勝点差は7に開いた。「J1昇格までに時間はない」(久永辰徳)。福岡の置かれた状況は厳しくなったと言わざるを得ない。
それでも、サッカーは最後まで何が起こるか分からない。それは福岡に限らず、どのチームにも言えること。そして、最後に笑うためには、自分たちが何を目指し、何をやるべきかを明確にし、そのために最大の努力を重ね、そして貫き通さなければならない。いまの福岡にはそれが求められている。
以上
2007.07.16 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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