今月27日から29日、神戸で行われる合宿に臨むU22日本代表候補29人が発表された。
この神戸合宿は中国で行われるプレ五輪大会（＝U-22 4カ国トーナメント2007中国・瀋陽／8月1日〜5日）に直結するもので、中国行きのメンバーは神戸合宿終了時の29日に発表される予定になっている。最終予選の初戦・ベトナム戦（8月22日＠国立）まで1か月を切ったチームにとっては、最後の合宿とも言える重要な機会になる。

メンバー29人を見てみると、林彰洋（流通経済大）、内田篤人（鹿島）、槙野智章（広島）、安田理大（G大阪）、梅崎司（大分）、柏木陽介（広島）の6人がカナダU-20ワールドカップ組から招集されている。2月に熊本で行われた合宿での飛び級招集は、林、福元洋平（大分）、内田の3人のみだった。カナダU-20ワールドカップが終わり、最終予選を迎えるこのタイミングで、本格的にU20日本代表組がU22日本代表へ「戦力として」組み込まれたことになる。
「今回は代表候補ということで人数をたくさん呼ぶことができたので、FIFA U-20ワールドカップでの経験値を、ひとつ上のカテゴリーで活かしてもらいたい。ここで初めて呼んだ選手もいるので、そういう選手の見極めやチームの中でのスキルを見ていきたい。」と、コーチとして参加中のアジアカップが行われているベトナムで反町監督はコメントしている。彼ら6人に求められているのは、カナダでの経験を活かすということ。世界と互角に戦えた半面、やり残したことも少なくない彼らにとって、新たな出発地点となる。

29人中6人のU20日本代表からの招集というのは決して大きい数字ではない。例えば前回のアテネ五輪大会時と比較してみても、03年11〜12月に行われたUAEワールドユース組から、04年1月に宮崎で行われたU22山本ジャパンに招集されたのはなんと11人。その宮崎合宿は総招集人数37人という大規模なものではあったが、UAE組の合流はチームのオプションを増やすことではなく、もっと幹の部分の補強につながっていった。今回の6人は数こそ少ないが、チームの中心に食い込むことで全体のレベルアップに直結することになるだろう。

彼ら6人以外を見てみると、初招集はなし。これまで約1年の強化期間で、反町監督の中で構想が固まりつつあることがうかがえる。
メンバーが見えてきた中での神戸合宿、そして中国合宿という流れの中では、反町ジャパンがこの1年で積み重ねてきたものを実戦の中で確認する、最後の場ということになる。相手が引いて守ってくるであろうアジア最終予選の試合を想定すると、その中でいかに得点するか。監督が軸に据えている平山相太（F東京）を中心とした得点パターンや個人技の生かしどころ、守備ではあっという間にゴールを脅かす中東勢のスピードに対し、誰がどのようなマークの付き方をするのかなど、これまでの延長線上を実戦の中で確認しておきたい。

また、今大会の対戦相手は、北朝鮮、中国、ボツワナの３カ国。
初戦（8/1・水・18:00キックオフ＝日本時間）の相手・北朝鮮は、2次予選Ｅ組でイラクについで2位通過。予選中唯一の黒星はそのイラク相手のもので、順当な通過だったことがうかがえる。昨年12月に行われたアジア大会で、この世代を含めたU23北朝鮮代表と日本がグループリーグで戦っており、1-2で敗れている。この時は引き分けでも決勝トーナメント進出の可能性があり、ハーフタイムを1-1で迎えていたにもかかわらず、勝ちに行くのか引き分けを狙うのか、自分たちの中で意思統一が取れず崩れていった。北朝鮮代表はカウンター主体のチームと見られていたが、セットプレー2発に沈められ、選手からは意外な特徴に驚かされたというコメントが出てきた。

第2戦目（8/3・金・21:00キックオフ＝日本時間）の中国は北京五輪ホスト国のため予選が免除されており、その分、独自に調整を続けている。国内リーグ開催中は容易ではないが、今年初めには２カ月ほどのヨーロッパ遠征を行いチェルシーなどと練習試合を重ねた
ことも話題に なった。今年、日本がU20で参加したツーロン国際大会にも参加し、惜しくも決勝で開催国フランスに敗れている。メンバーに関しても試行錯誤を重ねながら確実にチームとしてまとまりを増している。

第3戦目（8/5・日・18:00キックオフ＝日本時間）、ボツワナと聞いてぱっと浮かぶイメージは正直薄いが、2010年ワールドカップの開催地・南アフリカの北に位置する国。FIFAランクは101位 だが、五輪代表世代はアフリカの最終予選に臨む12カ国に入っており、当然この大会には目的意識も高く持ってくるに違いない。これまでアジア勢との対戦しか経験のない反町ジャパンにとっては、初のアジア以外の国との対戦。中東勢に輪をかけてフィジカルコンタクトの強さやスピードを感じさせてくれる相手であれば、反町ジャパンを成長させる大きな材料となるだろう。


以上

2007.07.25 Reported by 了戒美子

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■U-22 4カ国トーナメント2007
8/1（水）18:00（日本時間）／中国・瀋陽オリンピックスタジアム
　U-22日本 vs U-22北朝鮮
・スコアボード速報は【こちら】
・テレビ中継：テレビ東京系列6局ネット（生中継）18：00-19：55（最大延長20：17まで）、BS JAPAN（生中継）18：00-19：55（最大延長20：52まで）

8/3（金）21:00（日本時間）／中国・瀋陽オリンピックスタジアム
　U-22日本 vs U-22中国
・スコアボード速報は【こちら】
・テレビ中継：G+（生中継）20：45-23：00（延長なし）日本テレビ（関東/録画放送）：　26：00-27：50（延長なし）

8/5（日）18:00（日本時間）／中国・瀋陽オリンピックスタジアム
　U-22日本 vs U-22ボツワナ
・スコアボード速報は【こちら】
・テレビ中継：G+（生中継）17：45-20：00（延長なし）、日本テレビ （関東/録画放送）26：15-27：50 （延長なし）

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