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【日本 vs 韓国:レポート】数的優位の中、完全に支配するもPK負け。有終の美を飾れなかった日本だが、オシム監督は自分たちのサッカーに自信深める(07.07.29)

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●日本代表 アジアカップ2007 3位決定戦
7/28(土)21:35キックオフ(日本時間)/インドネシア・パレンバン
日本0−0(PK5−6)韓国
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 最後のキッカー・羽生直剛(千葉)のPKが韓国のベテランGK・李雲在に止められた瞬間、日本のアジアカップ4位が決まった。永遠の宿敵・韓国を10人に追い込み内容では完全に上回ったが、最後まで決め手を欠いて勝ちきれず、2011年次回大会のシード権も失った。号泣する羽生をチームメイトは励ましたが、3連覇を狙って今大会に挑んだ彼らにはショックな結末だったに違いない。

 しかし、オシム監督は語気を強めた。
「日本がアジアカップで優勝した当時の映像と、今日の試合の映像とを比べてほしい。どちらの日本代表のほうがいいサッカーをしていたか。負けた勝ったではなく、内容を見てほしい。私は私の考えを持っている」と。

 昨夏の就任以来、初めてのビッグトーナメントで自分の目指す「人とボールを動かすサッカー」の一端が見えたと指揮官は自信をのぞかせたのだ。失点の多さ、選手層の薄さなど課題は残ったが、この大会で得たものを未来へとつなげていくしかない。

 インドネシア・スマトラ島の100万都市・パレンバンで行われた28日の3位決定戦。気温28度、湿度60%という気象条件もハノイよりはずっとラクだった。

 敗れた準決勝と強行移動の疲労を考慮し、メンバーを変えると見られた日本。だがオシム監督は過去5試合とほぼ同じ面々を送り出した。「負けた場合はメンバーをいじるという原則があるが、私は反対のことにトライした。自分が選んだメンバーがよかったか悪かったをもう1回見極めたかった」と考えたのだ。サウジ戦から巻誠一郎(千葉)と山岸智(千葉)を変え、布陣も4−2−3−1に変更しただけで大会ラストマッチに挑んだ。
 一方、韓国は4−4−2からスタートし、4−2−3−1へと流動的に変わって行く形。トップにはチョ・ジェジン(清水)、ボランチに金正友(名古屋)が入った。

 序盤の日本は好スタートを切った。開始8分には中村俊輔(セルティック)の浮き球のパスに遠藤保仁(G大阪)が呼応しフリーになるなど、相手守備陣の裏を狙った攻めが最初から機能していた。ところが今回も蓄積疲労からか、前半途中から動きが落ちる。パス回しのミスが重なり、自らピンチを招く。まるでサウジ戦の再現を見ているようだった。韓国自慢のサイドアタックが増え、日本が守勢に回ることも多くなったが、両者ともに決定機もなし。前半は0ー0で終了する。

 後半の立ち上がりも日本はミスが重なり、苦しい展開だった。が、後半12分、韓国のDF姜敏寿が競り合いから抜け出した高原直泰(フランクフルト)を倒し、2枚目の警告を受けて退場。この主審のジャッジに抗議したピム・ファーベーク監督と洪明甫ヘッドコーチも退席処分を食らった。この出来事は韓国に大きな衝撃をもたらし、結果的にはピム監督の辞任発表につながってしまう。

 オーストラリア戦同様、数的優位に立った日本。相手の動きも落ち、内容では完全に日本が主導権を握った。ここまで選手交代が遅かった反省からか、オシム監督も羽生、佐藤寿人(広島)をいち早く投入。決着をつけようとした。が、どうしても1人少ない相手を攻略しきれない。23分に中村俊輔(セルティック)のパスを受けた高原の右足シュートなどビッグチャンスはあったのだが、李雲在の好セーブに阻まれる。スコアレスのまま突入した延長後半にも、中村俊のクロスに途中出場の矢野貴章(新潟)がつぶれて羽生がフリーになる場面があったが、彼の一撃はDFに止められてしまった。

 韓国は準々決勝・イラン戦、準決勝・イラク戦もPK戦まで戦っており、選手たちはもう満足に走れない状態だった。日本も疲れてはいたが、最後のエネルギーは残っていた。それだけに120分間で勝負を決められなかったことには悔しさが残る。「10人になった相手をどう崩すかをもっと考えていかなければいけない」と中澤佑二(横浜FM)も話したほど。この問題が彼らに重くのしかかった。

 PK戦はアジア屈指の守護神対決となったが、今回は韓国側に軍配が上がった。川口は「PK戦に負けたのは自分のせい。1本でも止めていれば羽生にあんな思いをさせずに済んだ」と悔やんだ。オシム監督は「負けたのはPKだけ。幸運と集中力の差だけだった」と話したが、初めてPK前の円陣に加わるなど誰よりも勝ちにこだわっていたはず。言葉とは裏腹に悔しさで胸が一杯だったはずだ。

 オシムジャパン初のビッグトーナメントは4強止まりで終わった。一応のハードルはクリアした感はあるが、アジア相手に6試合戦って3勝2敗1分という結果は喜べるものではない。それでもオーストラリア戦まではチームの目指すパス回し、攻撃の連動性が見えてきていた。暑さが先に立って「人とボールの動くサッカー」は十分にはできなかったが、「チームのベースはできた」と中村俊も確かな手ごたえを感じていた。

 サウジ戦以降、疲ればかりが目立ったのは残念だ。4カ国共同開催という大会形式は明らかに問題だらけだったが、原因はそこだけではないだろう。選手たちが精神的にトーンダウンした部分も否めない。「勝ち続けていれば疲れは出ない。前回は内容が悪くても勝ってチームが盛り上がった。でも今回は内容がよくても勝てない。その差だと思う」と加地は話したが、苦境でも戦いぬける図太さと逞しさがもっとほしい。「こういう国際大会ではタフさが必要だとみんな感じたはず」とキャプテン川口も強調していた。

 とはいえ、オシムジャパンは発展途上。これで終わりではない。まずは今大会をしっかりと分析し、この先の進化につなげることだ。日本が「強い集団」へと飛躍できる確かな可能性が感じられたアジアカップだった。

以上

2007.07.29 Reported by 元川悦子

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