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【J1:第20節 鹿島 vs 千葉 レポート】新井場の今季初ゴールに小笠原の2得点。倍近いシュートを浴びながら、粘り強く連勝した鹿島。千葉はJ1再開後、悔しい2連敗。(07.08.16)

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8月15日(水) 2007 J1リーグ戦 第20節
鹿島 3 - 1 千葉 (19:03/カシマ/19,600人)
得点者:'19 オウンゴ−ル(千葉)、'25 新井場徹(鹿島)、'31 小笠原満男(鹿島)、'85 小笠原満男(鹿島)

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 気温29.8度、湿度73%。昨季限りで引退した本田泰人氏も「こんなに暑い鹿嶋は初めて」と言うほど、カシマスタジアムは過酷なコンディションに見舞われた。しかも前節のヴァンフォーレ甲府戦から中2日。鹿島アントラーズの選手たちには体力的に厳しかった。前半のうちに2−1にしたものの、後半は足が止まり、ジェフユナイテッド千葉の猛攻を受けるなど、倍近いシュートを浴びた。それでも自陣ゴールを死守。この粘り強いぶりは「常勝軍団」と呼ばれた頃を彷彿とさせるものだった。これでJ1後半戦スタートから2連勝。首位・ガンバ大阪が浦和レッズに敗れたこともあり、トップとの差も8に縮まった。「毎試合が決勝戦。全部勝てば優勝できる」と新井場は話した通り、鹿島の逆転タイトルの可能性は少しずつ高まっている。

 甲府戦で退場したキャプテン・柳沢敦不在の中、迎えた千葉戦。オズワルドオリヴェイラ監督は予想通り、代役として田代有三を抜擢した。それ以外のメンバーは前節と同じ。ボランチとして新境地を開拓しつつある小笠原満男中心に、攻守にバランスのいいサッカーを展開したいところだ。対する千葉は右大腿部損傷の羽生直剛が欠場。アマルオシム監督は前節・川崎フロンターレ戦の1トップから2トップに変更。巻誠一郎と新外国人FWレイナウドを組ませた。最終ラインも中島浩司に代わってジョルジェビッチを先発起用し、悪い流れを払拭しようと試みた。

 立ち上がりはホームの鹿島がペースをつかんだ。前線からの激しいプレスが機能し、確実にボールを支配する。中でも目を引いたのが、久しぶりにキャプテンマークを巻いた小笠原の球際の激しさ。イタリアで「寄せて取るところまでが守備」と再認識した彼は厳しい寄せで果敢にボールを奪う。若い水野晃樹は何度も彼に倒されていた。

 だが、鹿島は1つのミスから失点してしまう。前半19分の千葉のセットプレー。水野の蹴ったFKはクリアに行ったファボンの頭に当たってゴールに入ってしまう。水野のボールの精度もよかったが、鹿島にとっては不運な失点だった。

 しかし今の鹿島には逆境を跳ね返す勢いと底力がある。失点から6分後、新井場がやや遠目の位置からミドルシュートを放ち、さっそく同点に追いつく。「たまたま蹴ったらいいバウンドになって入った」と謙遜した彼だが、優勝への闘志が満ち溢れていた。さらに31分には、ペナルティエリアまで上がった小笠原がマルキーニョスのパスを受け、一瞬ためてシュート。見事にゴールネットを揺らす。「イメージ通り」と本人も言う巧みなゴールで瞬く間に逆転に成功した。

 2−1で折り返した鹿島。オズワルドオリヴェイラ監督も「前半のうちに逆転できたことでチーム全体が落ち着けた」と振り返る。だからこそ、後半立ち上がりからの千葉の猛攻にも耐えられたのだろう。

 連敗だけは避けたい千葉は目の色を変えてきた。右サイド・水野が巻とレイナウドを目がけてクロスを何本も入れるなど、なりふり構わない攻めを仕掛けてきたのだ。予想外の暑さで運動量が落ちた鹿島守備陣のラインが下がってしまい、中盤にポッカリとスペースが空く。ここを下村東美や佐藤勇人が使ってサイドへ展開してくるなど、明らかに千葉が主導権を握っていた。18分にはゴール前に飛び込んだ水野が決定的なシュートを放ち、26分には途中出場・中島のシュートがポストに当たるなど、同点に追いつけそうなシーンもあった。だが、「点が入らないのはいつものこと」と水本裕貴がため息まじりにコメントしたように、自信を失っている選手たちはゴールをこじ開けることができない。

 鹿島の意思統一された守備も光った。「後半みたいにプレスに行けない時は引いた形を作って跳ね返すことが大事」と本山雅志が言うように、彼らはゴール前に人数をかけて守りに徹する。岩政大樹も「割り切って守ることができた」と前向きに話した。

 千葉にとって痛かったのは、巻が右足外側を痛めて途中交代を強いられ、さらに佐藤勇人までが左足を負傷して交代したこと。楽山孝志が入った終盤はパワープレーに出たせいか攻守のバランスが崩れ、イビチャ・オシム前監督時代から積み上げてきた千葉らしい連動性はもはや完全に影を潜めてしまった。

 そして、この時間帯に3点目を奪えるのが鹿島らしい『老獪さ』だろう。後半40分、新井場のロングボールに呼応した内田篤人が強引なドリブル突破を仕掛け、ペナルティエリア内で楽山のファウルを誘い、PKを得たのだ。キッカーはもちろん小笠原。彼は落ち着いて決め3−1に。これで完全に勝負が決まった。

 小笠原の復帰によって、鹿島には確固たる軸ができた。彼はボランチとして献身的に守りボールを奪い、3列目からの飛び出しで得点にも絡む。この多彩な動きに後押しされて本山や野沢拓也ら攻撃陣も安心して前へ行けるようになり、最終ラインにも安定感が生まれつつある。今後の小笠原と鹿島の進化に大きな期待の持てる一戦だった。

 一方の千葉は深刻だ。指揮官は「点を取る最後の部分は個の力」と話したが、チームとしての一体感がところどころ欠けていたのも事実。選手たちは苦悩しており、巻や佐藤など主力のケガも追いうちをかけている。いかにして低迷を脱するのか。彼らは今、まさに正念場に立たされている。

以上
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