8月15日(水) 2007 J1リーグ戦 第20節
新潟 4 - 0 名古屋 (19:01/東北電ス/42,015人)
得点者:'11 本間勲(新潟)、'34 矢野貴章(新潟)、'48 エジミウソン(新潟)、'79 エジミウソン(新潟)
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新潟が4対0で名古屋に快勝した。前半11分、本間勲のゴールで先制すると、34分には矢野貴章が貴重な追加点。後半はエジミウソンの2得点で突き放した。名古屋は立ちあがりこそスムーズな動きをみせたが、失点してからは後手を踏んだまま無得点に終わった。
普段はクールな矢野の、派手なアピールだった。大歓声が起こる中、右袖の喪章の上に張られた「がんばろう!新潟」のロゴを、ピッチ脇のテレビカメラに向かって突き出した。「ゴールを決めたらやろうと思っていた」。前節のG大阪戦(11日・0対3で敗退)ではできなかった。42,015人と今季最多の観衆で膨れ上がったホームのビッグスワンで、満を持してのパフォーマンスだった。
34分、千代反田充のロングフィードを追って、名古屋守備陣の間を抜く。名古屋・吉田のマークを背負いながら、ボールのバウンドに慎重にタイミングをあわせる。ゴール右寄り、角度のない位置で反転するように右足を振りぬくと、逆サイドのネットにボールが突き刺さった。喜びが沸くと同時に、すぐにロゴのアピールが頭に浮かんだ。「あれだけカメラに近づけば、僕の顔は映らないと思ったんですけどね…」と照れ笑い。
募った思いが一気に弾けた。7月16日に発生した新潟県中越沖地震後、最初のホーム戦。前節のG大阪戦で被災地に白星を届けられなかった。矢野自身もシュートゼロと、不完全燃焼だった。ホームでは負けられなかった。被災者を喜ばせたいという気持ちは強くなっていた。「被災した人たちに勇気与えられるプレーをしたかった」。チームにとって追加点がほしい時間帯で奪ったゴールは、被災地への矢野からのプレゼントでもあっ
た。
もう一つのアピールもできた。試合前日の14日、キリン・チャレンジカップのカメルーン戦(22日・九州石油ドーム)の日本代表メンバーが発表された。だが、FW陣は含まれておらず、オシム監督から週末までのJリーグ2試合での「追試」が課せられた形に。矢野は「オシム監督の意図することはイヤでもわかります」。要は得点すればいい。それにプラスして自分らしいプレーをすることが大事と受け止めた。
この試合、終始素早くプレッシャーをかけ、攻守にボールを追った。名古屋のGK楢崎にも、ゴールキックのときに度々プレッシャーかけた。「代表選出は結果としてついてくるものですから」。だからチームのために、自分のベストを尽くす。今季、名古屋に4度目の対戦で初勝利。矢野のガムシャラさが好結果に結びついた。
矢野に象徴されるように、新潟の4得点は名古屋の隙を的確に突いて生まれた。本間は、左サイドからのクロスにあわせてフリーでヘディングを決めた。エジミウソンの1点目はペナルティーエリア内での坂本將貴との連係から。2点目は相手守備を個人技で交わしたのもの。キレのいい攻撃の土台を守備陣が築いた。ヨンセンを中心にした名古屋の攻撃の芽を、ゴール前でしっかりと摘む。そして相手の3バックのスペースを狙って、永田充、千代反田充がロングフィード。「攻撃に幅を持たせたかった」(永田)。攻守一体になってつくったリズムは、第4節川崎F戦以来の無失点勝利として表れた。
新潟の快勝の裏返しで、名古屋は完敗だった。「すべてがリアクションだった」。フェルフォーセン監督が言うように、主導権を握り返す攻撃は見られなかった。
試合の入りでは、名古屋のプレッシャーの方が鋭かった。前半の3-5-2から4-4-2にシステム変更した後半も、開始から敵陣に入る時間帯が多かった。
ただ、ボールを奪われてからの対応に厳しさを欠いた。次第に強くなる新潟のプレッシャーの前に、ボールをキープしても効果的なパスを出せなくなっていた。後半12分、ヨンセンが故障で渡邊圭二と交代。この時点で交代枠を使い切ったが、27分には、今度は金正友が故障でプレー続行不可能となるアクシデント。やむを得ず10人のまま時間を過ごすことになった。前節、アウェイの広島戦から中2日で迎えたアウェイの連戦。過酷なスケジュールの影響も否めない。
新潟は得意のホームで今季7勝(2分け1敗)。前節の敗戦のショックを払拭し、次節へ勢いをつけた。名古屋は気持ちの切り替えが求められる。
以上
2007.08.16 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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