8月16日(木) 2007 J2リーグ戦 第34節
湘南 1 - 0 C大阪 (19:04/平塚/4,295人)
得点者:'55 加藤望(湘南)
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「我々が一番目指していた1-0の勝利。ハードワークし、また気持ちの面でも最初から最後まで張り詰めて闘わなければ今日の勝利はなかったと思う。選手たちは何人か足を攣っていたが、最後までやり尽してくれた」
もちろん2点目、3点目と得点を重ねられれば、それに越したことはないだろう。だが拮抗したせめぎ合いのなかで、敵を突き放すことは容易ではない。さすれば、もぎ取った虎の子の1点を守りきる強度も求められてくる。「今日のような勝ち方は大きい」と菅野将晃監督が振り返った今節、湘南がC大阪の猛攻を最後まで耐え抜き、第28節の草津戦以来となる最少得点での勝利を収めた。
「自分たちからアクションを起こし、先手を取ることが大事」戦前、加藤望がポイントとして挙げたとおり、湘南は序盤から積極的かつタイトな組織的守備で主導権を握っていく。2トップに始まる高い位置からのプレスは変わりなく、原竜太はもちろんエドワルド・マルケスも献身的に動いた。ボールを持てばアジエルを中心に小気味よくパスを繋ぎ組み立てていく。奪われても切り替え素早く守備に転じ、また坂本紘司らがボールに寄せて相手のカウンターを許さない。
一方のC大阪もパスカットから次第に流れを五分に戻し、小松塁や攻め上がったアレーのフィニッシュまで繋げている。ただパスを繋ぎビルドアップするも、湘南の守備網に掛かることは多く、読みに優れる湘南DF陣に奪われ、あるいは体を張ってブロックする相手のゴール前を崩しきることはできない。要所で顔を出すパスミスもリズムを殺いだ。そんな流れのなか、U-20日本代表・香川真司の左サイドの突破を契機に最終ラインの前へ飛び込んだ古橋達弥の動きや40分のミドルは、危険な匂いを漂わせていた。
ホームチーム優勢の45分間を終えて迎えた後半、今度はC大阪が開始から香川のサイドを中心に攻め立てていく。だが奪われた後に不安定感が潜んでいたこともまた否めない。54分、古橋のフリーキックを斉藤俊秀が跳ね返すと、拾った坂本が前で手ぐすねを引いて待つアジエルへとすかさず送る。即座にトップギアでドリブルを開始した背番号10は、ペナルティエリアの手前で相手のイエローを誘った。絶好の位置でボールをセットしたのは加藤である。「狙ったところにいけば入ると思った」というベテランが右足から繰り出した弾道は、壁を掠めるように越え、ポストを捉えてゴールマウスに吸い込まれた。55分、湘南の先制ゴールは、加藤にとって今季初のフリーキックによるゴールでもあった。
さて、指揮官が試合後に触れた湘南の真骨頂はここからである。もはや点を取りに行くしかないC大阪は、苔口卓也と森島康仁を一気に投入し、猛反撃を仕掛けた。前線に小松と森島のツインタワーを据え、2列目に古橋と苔口、香川、さらにアレーや濱田武らも絡む。60分過ぎには右に展開した濱田からのクロスにDF前田和哉が攻め上がり、ピンポイントでヘッドを叩きつけるもボールは地面を蹴りバウンドしてクロスバーを越えた。さらに左サイドから放った古橋のミドルはGK金永基がパンチングで凌ぎ、苔口のドリブルからペナルティ内で受けた森島のシュートも金が阻む。一連の湘南ゴール前の局面では、金しかり湘南DF陣が身を挺し、あるいは途中出場の中里宏司を含めた中盤が挟み込むことで、痛打を許さなかった。思えば試合前、加藤は「相手にやらせたときに耐えられるかどうか」とも語ったものだが、先手を取った姿勢と同様、耐え抜くこともまた体現できたゲームといえる。かといって防戦に終わるのではなく時折カウンターに転じ、ボールを失ってもたとえば尾亦弘友希がすかさず自身のポジションへ戻ったように、最後まで集中と運動量を切らさない湘南が虎の子の1点を勝点3に繋げたのだった。
敗れたC大阪は、前節の札幌戦に続き痛い連敗となった。惜しまれるのは特に前半、時折パスが合わず流れを引き寄せきれなかったことだ。随所で個の強さを見せているだけに、切り替えてつぎの鳥栖戦に臨みたい。
一方、湘南はおよそ10日間の充実を試合で示した。今季、これで休み明けのゲームは3戦3勝と、どんな状況にあっても集中して試合に入れている様が窺える。つぎに控えるは札幌とのアウェイゲームだ。今節の結果と内容を携え、首位チームを叩きに行く。
以上
2007.08.17 Reported by 隈元大吾
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