8月18日(土) 2007 J1リーグ戦 第21節
横浜FC 1 - 1 G大阪 (19:05/三ツ沢/8,426人)
得点者:'67 遠藤保仁(G大阪)、'69 和田拓三(横浜FC)
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横浜FCを応援する立場の人間(横浜FCサポーターだけではなかったようだ)から見れば、素晴らしいゲームだった。相手にボールを持たせながらも主導権は渡さず、与えた決定機に対しては身体を張って止めに行く。ひとたびボールを奪うや鋭い速攻に転じ、守りをベースにしつつも、チーム全体で点を取りに行く意識は同調している。昨季、J2を制した戦い振りを、21試合目にしてようやくJ1の舞台で披露することができた。そんな試合だった。
G大阪にとって痛かったのは、少なくとも3つはあった、前半迎えた決定機をことごとく外してしまったことだろう。主に右サイド、対面する小野とのマッチアップを優勢に進める加地を起点にチャンスをつくりだした。対するホームチームは、味方からの長めのパスに対し安田との競り合いを制した右MFオ・ボムソクを糸口に反撃。左サイドでは、機を見るやサイドバックの小野が積極的に攻撃参加するなど、このゲームへの意気込みを見せる。前半だけならシュート数は4:4で、一方的にやられていたわけではない。
この日の横浜FCは、4−1−4−1システムを採用。中盤は、攻撃的な位置に左:滝澤、右:オ・ボムソク、それよりやや下がり目・中央に吉野、根占の2枚、さらにアンカーとしてマルコスパウロ(以下パウロ)を配置した。ちょうど、ろうと状に5人を並べた形だが、G大阪の攻撃という水を吸い込むかのように、ろうとの頂点にあたるパウロが度々相手の攻めを寸断。試合後、滝澤は「サイドに追い込むという基本は変わらない。ただ、パウロはアンカーということで、彼個人の判断でボールを奪うシーンはあった」と語ったが、その連係はこの試合の中でも、時間を追うごとに良化をみせていた。
しかし59分、ここまで出色の出来を見せていた横浜FC・DF早川が2枚目の警告を受け退場。すぐさま高木監督は吉野に代えて岩倉を投入、岩倉を右サイドバック、和田をセンターバックに配置した。そして先制点はG大阪にもたらされる。67分、CKのこぼれ球から右サイドに張る家長へ展開、家長がドリブルでペナルティエリア内に侵入し倒れると、PKの判定。やや微妙なジャッジではあったが、これを遠藤がゴール右スミに難なく流し込んだ。
だが、その2分後の69分、横浜FCが同点に追いつく。滝澤のCKに、中央で疾風の如く飛び込んだのは和田。すると、三ツ沢に集まった観衆のボルテージも最高潮に達し、ふだんは静観しているメインスタンドからも、万雷の手拍子と歓声があがりはじめる。1人少ない横浜FCにとって“11番目の選手”になったと言っても過言ではない、熱いサポートだった。
残り時間、どうしても勝点3が欲しいG大阪が攻め続けるが、全体的な連動性、ダイナミズムに欠け、時おりクロスから相手ゴールを脅かすも得点ならず。バレーが決定的なヘディングを放つ場面もあったが、横浜FCのDFが身体をつけて食らいついていたこともあり、身体が伸びきり万全の体勢ではなかった。また、攻撃的な選手である西山を交代出場させた高木監督の「勝ちに行く」というメッセージは、横浜FCの選手に確実に伝わっていたようで、その西山をやや前目、1トップの平本を前線に留め攻撃のスキをうかがうことも忘れない。シジクレイを背にボールを足元に収めドリブル突破を図る平本、たとえ自陣深い位置でもボールを奪えば突進し、2、3人に囲まれても抜いていくオ・ボムソクらの姿が印象的だった。
そして、試合は1−1のドローのままタイムアップ。三ツ沢は勝利したかのようなムードにつつまれる。横浜FCにとって、甲府戦で見せた改善の兆しが、内容を伴いつつ勝点1という“結果”につながった試合と言っていいだろう。特に中盤の守備が形になってきたことが大きい。「基本は組織で守りつつ、時にはパウロという突出した守備面での“個”を生かして、チーム全体ではね返す」といったところだろうか。ただ、続く鹿島・清水との戦いでも結果を出してはじめて、この首位相手の引き分けが浮上のきっかけになった、と言うことができる。
G大阪は、ここ2戦勝ち星なしで首位陥落。全体的には悪くない。しかし日本代表とまったく同じで、引いた相手からどうやってゴールを奪うかが大きな課題だ。遠藤、加地ら代表の主力クラスにとって、その対策を、監督だけに頼ることなく、自ら考え実行するには格好の舞台と言えるのではないだろうか。
以上
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