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【J1:第27節 川崎F vs 甲府 レポート】共に悔いの残る引き分け。この試合を踏まえ、何を手にするのかが大事になる(07.09.30)

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9月30日(日) 2007 J1リーグ戦 第27節
川崎F 1 - 1 甲府 (15:00/等々力/13,438人)
得点者:'12 藤田健(甲府)、'89 谷口博之(川崎F)

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悔しさをにじませた鄭大世がつぶやくように述べる。

「いつも同じ。流れも連携もいいんですが勝てない」

おそらくそうやって鄭が感じたものを、サポーターも感じていたのではないかと思う。ここしばらく同じような試合ばかり見せられている。流れはいいし、決定機も作っているのだが、得点できない。勝てない。

ACLでの敗退直後となったこの試合では、川崎Fの選手たちの気持ちがどの程度テンションを保てているのかがポイントだったが、立ち上がりから川崎Fは攻勢に出ていた。中央とサイドとを使い分け、よく崩せていた。たとえば6分には、中央のジュニーニョを起点に鄭から右サイドの森勇介へと流れるようにパスをつなぎ右サイドを攻略。森のクロスは中央に走り込んだジュニーニョにピンポイントで合うのだが、GKの阿部謙作がファインセーブを見せてゴールを死守。フランシスマールまでもがファーサイドに詰めるほどの崩しだったが、決めきれなかった。

決まりはしなかったが、攻め崩せていたという自信が川崎Fにはあったはず。次々と決定機を作りだしていく事が心にわずかなスキを生み出していたのかもしれない。

川崎Fは12分に自陣で奪ったボールを前線にフィードしてチャンスを作る。そしてその直後にカウンターを受ける。中央のアルベルトから左サイドの宇留野純へとつなぎ、スピードでの勝負に。一気にタテにドリブルで持ち込まれると最後はファーサイドへのクロス。川崎Fの選手たちが頭を振った先には藤田健が走り込んでいた。鮮やかなカウンターからのダイレクトシュート。これ以上にきれいな形はないだろう、という形で劣勢の甲府が先制する。

アウェイで上位チームとの対戦。しかし甲府は攻撃的なサッカーを見せたいというポリシーのチームである。攻めるのか、守るのかのジレンマはあったのだろうと思うが、それをある意味断ち切る契機となったのが、41分の場面である。ジュニーニョが強引にドリブルで仕掛けたところに杉山新が厳しくチェック。このプレーが反スポーツ的行為だと判断され、杉山に2枚目のイエローカードが与えられた。そしてこれで甲府は割り切ることができるようになる。

まだ前半は、甲府の前からの守備もあって川崎Fがシュートまで持ち込めた回数は4回と少なかったが、PKエリア付近に選手が密集するようになった後半はミドルレンジからのシュート回数も増えるようになる。さらに後半の71分には秋本倫孝がラフプレーによって2枚目の警告を受け退場したことで、川崎Fの攻勢が決定付けられることとなった。そしてその後半に川崎Fが放ったシュートは13本。しかし打っても打ってもネットを揺らす事ができない。

「決め切れていないのは、疲労が少しずつ精度を落としているところがあるのかもしれない」と中村憲剛は分析していたが、確かに連戦の疲れはACL敗退のショックと共に体に蓄積されていておかしくはなかった。ただ、中村は「それを言い訳にしたらいけないとも思う」とも述べていたが、人間そこまでタフなものではない。ほんの少しのズレの積み重ねは決定力不足という悪魔の現象となって川崎Fに重くのしかかっていた。

甲府は守りのリズムを掴んでいた。必死で攻め込んでくる川崎Fを紙一重の差でかわし続けていた。このまま試合が終わるかとも思われた後半のロスタイム。最後の4分間のところでミスがでた。GKへのバックパスが弱くなったところを、途中交代出場の我那覇和樹がつっかけてこぼれ球がジュニーニョへ。これを落ち着いて谷口に落としてループ気味のシュートが決まった。

攻勢を続けていた川崎Fにボールを渡したくなかった、という思いがあったのだろう。バックパスという選択は、結果的に1点を川崎Fにもたらす結果となった。そう考えれば、攻め続けた川崎Fの攻撃は実ったのだとも言える。ただ、やはり楽に勝ててもおかしくない試合が最後までもつれてしまった事に、そして勝利できなかったことに選手たちの表情は暗かった。

同じように、90分間を終えた時点では手にしていた勝点3が、試合終了間際に1点になった格好の甲府のショックも大きかったはず。ただ、そんな状況を後ろ向きにとらえるべきではないと大木武監督は「9人で勝点1取れました。非常に良かったと思います。あと7つがんばりたいと思います」と会見で述べていた。指揮官のこの言葉は、選手やサポーターに対する前を向こうというメッセージである。

共に釈然とできない試合結果になったが、この後にこれをどうつなげていくのかがポイントになる。それぞれに目標は違うが、この両チームはこの試合からどのような意味を見いだすのだろうか。

以上

2007.09.30 Reported by 江藤高志
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