10月24日(水) AFCチャンピオンズリーグ 決勝トーナメント準決勝 第2戦 浦和 vs 城南一和
浦和 2 - 2(PK 5 - 3)城南一和 (19:30/埼玉/51,651人)
得点者:21' ワシントン(浦和)、56' チェ・ソングッ(城南一和)、69' キム・ドンヒョン(城南一和)、73' 長谷部誠(浦和)
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PK戦。浦和5人目のキッカー平川の右足から放たれたボールがゴールネットを揺らした瞬間、真っ赤に染まった埼玉スタジアムが歓喜の雄叫びを上げた。
堀之内が坪井が山岸が相馬が…レッズの選手が次々と平川の元に駆け寄り、水を浴びせ、城南・チェ ソングッのPKを止めたGK都築の下にも永井・ポンテ・岡野らが祝福に駆け寄る。浦和が悲願のアジア王者へ遂に王手を懸けた瞬間だ。
昨シーズンのJリーグ王者とKリーグ王者の対戦という、日韓のプライドを懸けた、まさに『日韓頂上決戦』。埼玉スタジアムには平日にも関わらず51,651人のサポーターが詰め掛け、スタンドを真っ赤に染め上げた。ゴール裏に<WE ARE REDS>の見事な人文字が描かれる中、選手が入場。その中には、出場が微妙と報じられていたフェイスガードを付けたワシントンの姿もある。
最高の舞台と最高の役者が揃う中、130分にも及ぶ壮絶な戦いの幕は上がった。
前半の序盤はお互い慎重な立ち上がりで膠着状態が続いていたが、21分、中央のポンテから右サイド寄りに居たワシントンにフワリとしたパスが届くと、左腿で絶妙のトラップ。一瞬で相手DFを置き去りにすると、右足を一閃。「まさにワールドクラス」(浦和関係者)のゴールで、浦和がなによりも欲しかった先取点を奪い取った。
その後は、最低でも2点取らなくてはならなくなった城南がサイドを中心に攻勢を仕掛け、試合を完全に支配するものの、前半を終えてみると浦和が打たれたシュートはたったの4本。試合をコントロールされても決定的な場面は作らせず、勝敗を大きく左右する先制点はしっかり頂く。浦和はそんな今季を象徴するような勝負強さを見せ、1−0のまま前半を乗り切った。
浦和の硬い守備やホームアドバンテージを考えれば、後半2点取られるなどとは想像し難い。この時点で浦和の90分間での決勝進出を確信した方も少なくなかったのではないか?
しかしアジア最強を決めるこの大会はそれ程甘くは無い。こちらも勝ち方を熟知しているKリーグ王者・城南一和が後半にその底力を見せ始める。序盤こそ、先制して勢いにのる浦和が攻勢を仕掛けるものの、後半11分浦和のコーナーキックをクリアすると、そのまま電光石火のカウンターを決め瞬く間に同点。さらに後半24分にはFWイタマルのミドルシュートをGK都築がはじいたところにキム・ドンヒョンが頭から飛び込み逆転に成功。「1点取られても浦和勝利」がたった13分の間に「1点取ってもようやく延長戦突入」へと状況が一変してしまった。
「ここで夢は潰えるのか?」
そんな暗雲が立ち込めた矢先の後半28分、起死回生のゴールが生まれる。ポンテの中央からのFKを、ゴール前左にいた阿部が頭で中央に落とすと、走りこんでいた
長谷部の足元にボールがピタリ。左足でゴール中央に突き刺した。
後半残り17分。
こうなると後は気持ちの勝負。日韓の王者が、それぞれの誇りを胸に、全力で勝利を決める次の1点をめざすが決着はつかず、勝負は遂に延長戦へと持ち越された。
延長戦では、ここでのアウェーゴールが致命傷となる浦和が守勢に回るが、大黒柱・闘莉王とキャプテン・山田を負傷(共に肉離れ)で欠くという緊急事態の中、城南の猛攻を凌ぎきり、PK戦に持ち込んだ。
とはいえ、本来ならPKを蹴る筈の闘莉王・山田を欠き、名手・阿部は全身が痙攣するほど満身創痍。他の選手も大半が足を攣っているという状態でのPK戦突入は、城南に分があるようにも思われた。
しかし女神は浦和に微笑む。
振り向かせたのは5万人のレッズサポーターの熱い想いだ。
手を合わせ、願い、祈り、城南の攻撃時には大旗を揺らし、ブーイングを浴びせる。
その想いが、GK都築のビッグセーブを生み、浦和の5人のキッカーに力を与えた。
試合後、選手は一様にサポーターへの感謝の気持ちを口にした。闘莉王は「仲間・サポーターと、同じこの気持ちを味わった事を一生忘れない」と語った。いつも素晴らしいレッズサポーターだが、この日のサポートはそれ程までに格別だった。私も13年近くレッズのホームゲームを全試合見てきたが、本場・欧州チャンピオンズリーグの決勝でも見ている様な、今日のような感覚に襲われたのは初めてのことだ。恐ろしいまでのスタジアムの雰囲気だった。
決勝の相手は、準々決勝で川崎Fを下したセパハン。
第1戦は11月7日に敵地・イランで、第2戦は11月14日ホーム・埼スタで行われる。
奇しくも、アジア王者が決定する14日は『埼玉県民の日』。埼玉県の誕生日だ。
この記念すべき日に、浦和はきっと世界へと羽ばたいてゆく。
以上
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