10月24日(水) 2007 J2リーグ戦 第47節
湘南 2 - 1 水戸 (19:03/平塚/3,412人)
得点者:34' 西野晃平(水戸)、57' ジャーン(湘南)、61' 加藤望(湘南)
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わずか4分間の逆転劇だった。
1点ビハインドを背負った湘南は後半、立ち上がりからサイドを起点に水戸を押し込んでいく。エドワルド マルケスやアジエル、坂本紘司、尾亦弘友希らが絡み左サイドを崩しにかかると、その先でコーナーキックを得た。加藤望からのボールをファーサイドで待っていたのは、第3クール初戦の水戸戦で、湘南初ゴールを記録したジャーンだ。敵のマークに遭いながらも空中戦を制し、力強い同点弾をヘッドで叩き込んだ。これが57分のことである。
引き分けの許されぬ湘南は、歓喜にもすぐさま笑顔を仕舞い、さらなる攻勢に出る。水戸の攻撃をゴール前で凌ぐと、斉藤俊秀から左の加藤、そして前のブラジル人コンビへ繋ぐ。アジエルとのパス交換によってサイドを抜け出したエドワルドはクロスを供給、石原直樹がこれに反応した。2試合ぶりにスタメン復帰した背番号11は、ペナルティエリア手前で相手のファウルを誘う。ボールをセットしたのは加藤である。61分、ベテランが描いた鮮やかな放物線は、相手GKをその場に釘付けにした。この逆転シーンには、加藤が蹴る前にフェイントを仕掛けたジャーンの“アシスト”があったことも添えておきたい。
こうして後半の立ち上がり約15分のあいだに思惑どおり逆転にこぎつけたホームチームだったが、しかし「むしろうちのほうがいい展開だったと思う」と前田秀樹監督が振り返ったように、前半は水戸のものだった。序盤から中盤を省略してシンプルに攻め、なおかつリスクマネージメントを絶やさない。ボールを失えばすかさず守備組織を整え、ホームチームのパスコースを殺いだ。相手が最終ラインからのロングボールに頼り始めると、前線の収まりを許さず、またビジュを中心にセカンドボールをことごとくモノにする。そのビジュはアジエルに対してもつねに目を光らせ、相方の小椋祥平とともに敵の侵入をケアし続けた。
水戸の手堅い組織に対し、湘南は坂本や尾亦によるシュート、あるいは石原のプレスバックなどで打開を目指す。だがフィニッシュは際どくもゴールには至らず、一方の水戸も怯まない。逆に、24分に放ったビジュのミドルあたりから水戸が攻勢を加速させていく。28分にはロングボールに反応した小椋がペナルティエリアを陥れ、そこで得たコーナーキックに対しては、ビジュがマークを外しフリーでヘディングシュートをポストに叩きつけている。
そして34分、その流れの先で水戸に先制の場面が訪れる。ニアへ送った金澤大将のコーナーキックに、この日4試合ぶりにスタメンに起用されたFW西野晃平が走りこみ、ヘッドで捻じ込んだのだ。
この45分間の劣勢を、湘南はハーフタイムを挟んですぐさま取り返した。かたや水戸は鈴木良和を投入し、反撃にかかる。後半半ばにはその鈴木がリスタートを契機にシュートを撃ち、こぼれ球に反応した塩沢勝吾もゴールを狙った。塩沢はフリーキックからのこぼれ球にも反応し、湘南ゴールを脅かしている。また金澤が裏を盗ってラストパスを送り、あるいは左サイドを抜け出した小椋がサイドネットを揺らすなど、水戸は敵にキープを許さず最後まで圧した。しかし攻勢をゴールに結ぶことはできず、裏を返せば湘南が粘り強い守備で凌ぎきり、長い笛を聴いたのだった。
水戸にとっては、内容は悪くなかっただけにもどかしさは否めない。だが前田監督は、惜しいゲームを落としてしまったと前置きしつつ、「結果は敗戦だが、実りあるゲームだったと思う」と前を向いた。湘南に対して今季4敗となったが、無得点に抑えられていたこれまでとは違って先制点を奪い、また点を取られても奪い返す姿勢を最後まで貫いた。実際にあわやのシーンを幾度もつくり、くわえてアキレス腱断裂からおよそ半年ぶりに倉本崇史が復帰するなど収穫は多い。課題となった精度を今後も研いでいきたいところだ。
一方の湘南は、戦前の予想どおり難しいゲームとなった。先制を許すここ最近の課題も払拭できていない。しかし前半の内容を受けて下を向くことなく逆転した展開に、あらためて今季の強さを見る。劣勢に立たされながら勝点3が欲しい試合でしっかりと結果を手にしたことが、これまでに鍛えてきた芯の太さのなによりの証といえるだろう。つぎは1分2敗と今季一度も勝っていない山形が相手だ。「これまでの借りを返したい」と金永基が語ったとおり、一つひとつ、目の前の敵を討つ。
以上
2007.10.25 Reported by 隈元大吾
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第47節 湘南 vs 水戸】レポート:湘南が辛勝ながらもっとも大事な「結果」を手に。水戸は敗戦にも実りある内容。(07.10.25)
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