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【J2:第48節 愛媛 vs 札幌】レポート:劇的なロスタイムの決勝点で札幌が首位をキープ!選手、スタッフ、サポーターが一丸となって鬼門の愛媛を遂に突破!!(07.10.28)

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10月27日(土) 2007 J2リーグ戦 第48節
愛媛 0 - 1 札幌 (19:04/愛媛陸/4,079人)
得点者:89' 西大伍(札幌)

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互いになかなかフィニッシュに持ち込めず、90分を通して膠着した状態が長く続いた展開の中で、スコアレスドローに終わるかに思われたロスタイム。歓喜の瞬間が札幌に訪れたのは4分間のそのロスタイムだった。

愛媛のゴール前にラフに放り込まれたボールに対して、札幌が競り合ったのはパワープレーで前線に残っていたDF曽田。ここで愛媛のDF近藤に競り勝つと、ペナルティエリアの右サイドで、そのこぼれ球を拾った途中出場のMF西は思い切り右足を振り抜いた。試合後に本人が「実はセンタリングでした」と告白したそのキックは、GK川北の手が届かないニアサイドからゴールネットを揺らした。

急遽ブラジルから呼び戻した期待の若武者が、勝点3を呼び込む値千金の決勝点を挙げたその瞬間、三浦監督を先頭にベンチから選手、スタッフが猛然とピッチに向かって駆け出し、喜びを爆発させた。その先のピッチ上では札幌の選手達が西の上に折り重り、勝利を決定付けたJ初ゴールを祝福。ゴール裏では、はるばる愛媛まで足を運んだおよそ600人の札幌サポーター達が至福の瞬間を迎えた。

ただ、「率直に今日も苦しい試合だった」と三浦監督が試合を振り返れば、一躍ヒーローとなった西も「内容は全然(ダメ)だった」と反省した今日の一戦。前半からアグレッシブに立ち向かう愛媛に対して次第に守勢に回った札幌は、12分にダヴィがひとりでゴール前まで持ち込んでシュートを放った場面以降、チャンスらしいチャンスを作れないまま前半を終えようとしていた。

しかし42分、カウンターからMF岡本が右サイドを突破すると、折り返したボールに中央でミドルシュートを放ったのは大塚の負傷退場により急遽ボランチを務めた鄭。枠を確実にとらえたシュートは川北のファインセーブに阻まれたものの、これを反撃ののろしに後半は札幌が試合の主導権を奪い返していった。

大役を果たした西だけでなく、「池内も無難にやってくれた」と三浦監督も評価したように、突然のアクシデントにも交替の選手が自らの役割をこなし、ゲームの流れを引き寄せた札幌に対して負傷から勝利の女神にそっぽを向かれたのが愛媛。前半、札幌のディフェンスラインの裏を突いて再三ゴール前に飛び込んでいたFW内村が、70分にペナルティエリア内で交錯して退場すると、ゲームのシナリオは愛媛にとっては冒頭で触れた悲劇へと向かっていった。

いずれにしても、この大一番で見せた札幌の選手やスタッフ、そして愛媛を凌駕する勢いで後押しし続けたサポーター達を今は素直に称えたい。これまで苦い思い出を残してきた愛媛の地で、最後にこれだけのパフォーマンスと結果を残した事実は見事と言う他はない。これで目標としてきた勝点90まであと1勝。札幌を応援する人達は余裕を持って日曜の他チームの結果を待ち、今頃はラストに向けた勝点計算に頭を悩ませる幸せな時間を迎えていることだろう。

一方で敗れはしたものの、試合後にはサポーターが拍手で選手達を迎えたように最後まで首位札幌を苦しめた愛媛。しかし、ラスト4分での悲劇を迎えたのは偶然の事故ではなく、試合後に選手達が反省したように「攻めるのか守りきるのかチームの判断がバラバラだった」必然の結末だ。「最後は向こうが勝点3にこだわってきたことで、その執念は守っている自分達にも伝わってきた」とDF金守が振り返ったように、札幌は120%の力を振り絞って戦った今日の大一番。愛媛は試合後に指揮官が語ったように、今はこの真剣勝負の中でチームが得た経験を糧に、歴史を積み上げていくしかないだろう。

以上

2007.10.28 Reported by 近藤義博
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