11月11日(日) 2007 J1リーグ戦 第31節
大宮 1 - 2 大分 (16:04/NACK/14,752人)
得点者:3' 小林慶行(大宮)、26' 深谷友基(大分)、88' 前田俊介(大分)
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『聖地』への凱旋記念試合を、大宮は白星で飾ることはできなかった。
現存する日本最古のサッカー専用スタジアムとしての歴史的情緒を残しつつ、リニューアルされ見やすさ、施設的にも素晴らしい環境を整えてもらった感謝を表すためにも「絶対に勝ちたかった」とMF藤本主税。結果こそ出なかったが、キックオフからその思いは伝わってきた。
雨の中駆けつけた約1万5千人のサポーターの大声援が後押ししたこともあるのだろう試合開始わずか3分、「当然狙います」と豪語していたNACK5スタジアム大宮・初ゴールに向けてMF小林大悟が直接狙ったFKは大分DFに当たって弾かれるが、こぼれた先は小林慶行の前だった。左足で鋭く突き刺し先制すると、NACK5スタジアム大宮の歴史、第1号メモリアルゴールに『小林慶行』の名を刻んだ。
大宮は、まず幸先の良いスタートを切った。
しかし、あまりにも早い得点だったため「逆に吹っ切れて自分たちのサッカーに集中できた」と大分FW高松大樹が言うように、全員が素早く気持ちを切り替えた大分は鈴木慎吾、藤田義明の両サイドを使って崩しチャンスを作るという思い通りの攻撃を展開し、徐々にリズムを作っていく。
そして前半26分、得意のセットプレーから最後は詰めたDF深谷友基が強烈に押し込み同点に追いついた。
雄叫びを上げた深谷の姿が、大分もまたJ1残留のために「絶対に負けられない試合なのだ」と物語っていた。
後半に入っても「ロングボールを入れてセカンドボールを拾うということが徹底していた」(佐久間監督)勢いのある大分に対し、後半早々から佐久間監督は打って出る。
6分、FWの森田浩史に代えて守備的なMF斉藤雅人を投入し、DFとボランチの間に入れて4−1−4−1へとシステムを替えた。
一見、守備的ともとれる変更だが、指揮官は「セカンドボールの拾い合いで数的優位な状況を作って大分の強さを潰し、カウンターを狙う」ためのあくまで攻めるための策だったと会見で語っている。
実際、セカンドボールを拾えるようになったことに加え、斉藤が入ったことでゲームメーカーの小林慶が余裕を持って上がれるようになり、そこから何度もチャンスを作り出した。しかし、「フィニッシュの1つ前まではいっていたが、決定的なチャンスを決めきることができなかった」(小林慶)大分のゴールは遠かった。
大宮がセカンドボールを拾うようになると「サイドを切ってきて、中も堅くてパスの出しどころがなくなって攻め手に欠いてしまった」(深谷)。そこで大分・シャムスカ監督が交代選手に選んだのは松橋章太ではではなく、9月22日以来の出場となる前田俊介。「カウンターではなかったこの試合、前線でキープでき、決定力を一番の持ち味とする前田の特長を生かすため」と投入したこの采配が的中する。
ここまで88分間、高いモチベーションと集中力でハードワークを続けていた大宮の足が止まった一瞬の隙を、大分は見逃さなかった。ゴールラインぎりぎりに流れたボールを諦めずに追った藤田の入れたクロスが前田の左足にピタリと合うと、抑えた好ボレーが見事に決まり、大勝負をモノにした。
「
動き出し、セカンドボール、気持ちと全て大分の方が勢いがあった」と藤本は振り返ったが、大宮のモチベーションも負けず高かった。ただ、勝敗を分けたのは、どんなに苦しくてもライン際まで諦めずにボールを追いクロスを入れた藤田のプレーに象徴されるような『勝利への執念』の差だったのではないだろうか。
「偶然の勝ち負けはない。日々の成果そのものが出る」。
幾多の経験を積んできた平野孝がこの大一番を前に語っていた。大分の勝利も日頃の成果なのだろう。
大宮も大分も、残留へ向けて今すべきことは「これ以上やるべきことは無い、というぐらいの最高の準備をして次の試合に挑むこと」(小林慶)だけだろう。
残り3試合。本当の意味での「シンカ」が問われる。
以上
2007.11.12 Reported by 上岡真里江
J’s GOALニュース
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