12月1日(土) 2007 J2リーグ戦 第52節
福岡 1 - 3 鳥栖 (12:03/博多球/14,640人)
得点者:12' レオナルド(鳥栖)、47' 金信泳(鳥栖)、80' 川島眞也(福岡)、87' 吉田恵(鳥栖)
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激しく体を当ててボールを奪いに行く福岡。相手を待ち受けて最終ラインで跳ね返す鳥栖。福岡の武骨さと、引いて守る鳥栖の守り方は、いつもとは違ったスタイルだが、それでも、今年最後の九州ダービーにかける思いがぶつかり合って始まった試合は、ダービーにふさわしい戦いになるものと思われた。鳥栖の先制点は12分。突破を仕掛けた衛藤裕が倒されて得たPKをレオナルドが右足でゴール右隅へと蹴り込む。このゴールで試合の興味が福岡がどう巻き返すかに変わった直後、この日、最初のアクシデントが福岡を襲った。
時間は14分。高橋義希と競り合いながらゴールへ向かうアレックスに対して、背後から走り寄ったレフェリーがホイッスルを鳴らす。その直後に赤いカードが示された。競り合いの際に相手に肘打ちを浴びせたための判定だった。それでも勝利への執念を鳥栖にぶつける福岡は鳥栖陣内に攻め込むこと度々。数的不利な状況を気迫でカバーして前へ出る。しかし35分、福岡は2度目のアクシデントに襲われる。相手に激しくコンタクトした久永辰徳に与えられた警告は、この試合2度目。福岡は9人での戦いを強いられることになった。
さすがに、これで勝負の行方は決まった。ここまで慎重にゲームをコントロールしながら守備に重点を置いていた鳥栖が、ここぞとばかりに前に出る。懸命に粘る福岡もゴール前に押し込まれる時間帯が増えていく。そして47分、高地系治のスルーパスを受けた金信泳が右足を振り抜いて鮮やかな追加点を奪った。後半開始からボールを支配し続けた末のゴール。福岡にとってはどうすることもできない失点だった。
ここからは鳥栖のゲーム。前半は攻め上がりを控えていた日高拓磨が積極的に仕掛けて右サイドから福岡を追い詰めていく。福岡もラインを極力高く保ち、中央では柳楽智和が体をぶつけながら鳥栖のチャンスの芽を摘み、そして全員で走りまわってスペースをカバー。80分にはセットプレーから意地の1点を返した。しかし、9人の福岡の抵抗はそれが精一杯だった。そして87分。鳥栖はCKのこぼれ球を吉田恵が蹴り込んで3−1。九州ダービー3連勝を飾り、クラブ史上初となる九州ダービーの勝ち越しを決めた。
最後の九州ダービーを前に、鳥栖は前日に契約満了を伝えられた吉田恵が先発メンバー、山口貴之がベンチ入りメンバーに選ばれた。「この試合でお別れしなければいけないメンバーもいる中でのミーティングは、いつもとは違う雰囲気だった」(金信泳)。それでも、チームを去る選手たちのために、九州ダービーを勝ち越すために、そして、支えてくれた様々な人たちへの恩返しのために、吉田も、山口も、その他の選手も一丸となることを誓った。それは福岡にはない態度だった。
最終順位を見れば福岡は7位、鳥栖は8位。しかし、チームとしての力をどちらが出し切れたのかと問われれば鳥栖に軍配が上がる。勝てない時期を過ごし、様々な経験を繰り返しながら、ただひたむきに、全員がひとつになって戦うチームに育っていったのは鳥栖。力を有しながらもひとつになれず、力を出しきれないままにシーズンを終えてしまったのが福岡だった。この日ピッチに立った福岡の選手たちは必死にボールを追った。戦力外通告を受けた川島眞也も、林祐征も力の限りを尽くした。しかし、サッカーの神様は、1年間にわたって両チームの姿を見つめ続けた結果、鳥栖にほほ笑むことを決めた。
直接的な原因に加え、過去から溜まり切った様々な問題点が、チームがまとまれ切れないという現実を生み、それを抱えたままで福岡はシーズンを終えた。再びJ1昇格を狙うチームを作るためには、それらの問題点をひとつずつ、丁寧に、そして早急に潰していかなければならない。多くの議論と、強い決意と、責任を伴った行動。それがクラブに属する全ての人間に課せられている。批判のための批判や、不遇を訴えるだけでは何も解決しない。良い方向に向かうために、何を、どう改善すればいいのか。それを前提にして激しく意見をぶつけ合わなければならない。道は険しく厳しい。しかし、やらなければならない。
以上
2007.12.02 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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