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イランという国名を聞いて、まっさきに思い浮かぶイメージはどんなものだろうか。一般的だと思われるのが、砂漠と灼熱の中東という地域にある国というものだろう。もちろんイスラム教を信仰する国というイメージも多いはず。もしかしたら、彫りの深い屈強な選手たちを思い浮かべる方もおられるかもしれないし、歴代日本代表との間に繰り広げられてきた激闘を思い浮かべる方もおられるかもしれない。ただ、いずれにしても何かをはっきりとイメージできる方は少ないのではないだろうかと思う。
そもそも日本国内で当たり前に使われるイランという国名だが、正式名称はイラン・イスラム共和国と定められている。これは1979年のイスラム革命以降の名称で、この年を境にイランでは国のあらゆる法律がコーランの教えと整合性をとるようになる。たとえば女性に求められるスカーフの頭部への着用も、この革命によるイスラム法の施行が契機となっている。
もちろん当地を訪れる異教徒の日本人にもスカーフの着用は求められており、窮屈な思いをされたサポーターの方は多かったのではないかと思う。ただ、その一方で現地の女性はスカーフをかぶるという制約の中でどれだけオシャレができるのかを競う部分があり、前髪を出している女性の姿をよく見かけた。宗教的制約と、女性らしさとのギリギリのせめぎ合いは興味深いものだった。
イスラムの教えの一つが、実際にサッカーに影響を与えるものの一つとして、ラマダンが上げられるだろう。いわゆる断食月と言われるもので、イスラム教徒にとっては非常に重要な宗教的行事である。1ヶ月の間の断食が求められているが、もちろん1ヶ月間何も食べられないという訳ではなく日中の飲食が禁じられるという期間になる。もちろん妊婦や子供、病人や高齢者などには特例が適用されるとのことだが、元気なサッカー選手は当然の事ながらラマダンの教えに従わなければならない。その影響を受けたのが、セパハンとACLの準々決勝で対戦した川崎Fだった。
当初イスファハンでの第一戦は、試合開始時間が日没後、つまり飲食が解禁される19時のキックオフとなっていた。ところがこの時間でのキックオフとなると、チャーター便を飛ばしてもドバイを経由した試合翌日の日本への帰国が不可能となり、チーム間で調整がなされ、結果的に日没直後となる18時半にキックオフ時間が繰り上がったという経緯がある。セパハンサイドとすれば、宗教上の問題を理由に川崎F側の申し出を断る事もできたはずだが、そうしなかったところに彼らのホスピタリティが感じられる。ちなみに決勝で対戦した浦和との試合時間が16時だったのは、ラマダンが開けていた事と無関係ではない。
セパハンのホスピタリティは、それが有効かどうかは別にして入国時から発揮されており、たとえば川崎F側は丁重に断ったのだが、それでもイスファハン空港の入国審査ゲート前にセパハンの下部組織に属する子供たちが待っており、選手たちに花束を手渡してくれていた。ただしホスピタリティが行き過ぎて、逆効果になる場合も少なくなく、実際にある川崎Fの関係者は入国ビザの件で一手間余分にかかってしまった。ただ、基本的にイランの方々は「遠方から来た客人をもてなしたい」のである。
イスラム教がスタジアムにも影響を及ぼしている事を裏付ける例で最もわかりやすいのが、女性の入場を禁止するというものだろう。川崎Fの女性サポーターや女性記者が入場時に一時足止めを食らった事は各種の報道で伝わっていると思うが、この件でわかる通り基本的にイラン人女性はスタジアムでのサッカー観戦を禁じられている。
ちなみにイランのスタジアムでよく見かける肖像画があるが、一枚が1979年のイスラム革命を指導した宗教指導者で、初代の最高指導者となったホメイニ師。もう一枚が2代目の最高指導者のハメネイ師である。
セパハンが本拠地を構えるイスファハン(エスファハン)は、イラン国内3番目の都市で、人口は2000年の時点で2,540,000人とも3,050,554人とも言われている。1300mの高地に位置しており、強い日差しの中にあっても快適なのは、極端に低い湿度のおかげである。
街は紀元前からの歴史を持つが、その中でもシャー・アッバス一世(1587〜1629年)の治世下で繁栄の極みを迎え、「イスファハンは世界の半分」と称されるまでになる。ちなみにこの時代に建設されたイマーム広場は現在世界遺産に指定されており、また33のアーチが有名なスィー・オ・セ橋といった美しい建造物が栄光の時代のイスファハンの雰囲気を今に伝えている。
首都テヘランと比べるとイスファハンはこじんまりとしており、道路の混雑ぶりもテヘランのそれと比べると落ち着きがある。とはいえ運転の荒っぽさは、日本の比ではない。歴史的遺産の多さもあって、今後ACLなどでサポートするクラブが対戦する際には一度訪れてほしい街である。
Reported by 江藤高志
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