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【第87回天皇杯5回戦 清水 vs 横浜FM】レポート:劣勢の試合を10人で追いついた横浜FMも延長で力尽きる。清水は西澤&原の『フレッシュ』コンビで決着をつけてベスト8進出(07.12.09)

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12月8日(土) 第87回天皇杯5回戦
清水 5 - 3 横浜FM (13:00/桃太郎/5,108人)
得点者:1' 市川 大祐(清水)、21' オウンゴール(清水)、71' 田中 裕介(横浜FM)、89' 大島 秀夫(横浜FM)、98' 西澤 明訓(清水)、100' 原 一樹(清水)、104' 西澤 明訓(清水)、116' 清水 範久(横浜FM)

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 敗れた時点で、そのシーズンが終わってしまう天皇杯。とくに、長いリーグ戦を終えた直後だけあって、実質的に初戦ともいえる5回戦は試合の入り方もむずかしい。

 今シーズン、プレシーズンマッチも含めると、実に6度目の対戦となる清水エスパルスと横浜F・マリノス。互いに手の内も知り尽くしているだろうが、清水・長谷川健太監督は2年契約で来季も更新、一方の早野宏史監督は契約満了とともに、次期監督も早々に発表されている。チーム全体のモチベーションにも影響がないとは言い切れない。

 そんな不安とモヤモヤを抱えたまま、横浜FMが早々に失点してしまう。前半1分、フェルナンジーニョのコーナーキックが混戦の中、ファーサイドにこぼれて、青山直晃が落としたボールを市川大祐に右足で蹴り込まれてしまった。さらに21分には、エスパルスの左サイドから兵働昭弘がセンタリング。横浜FMの右サイドに流れ、中に絞っていた田中裕介が戻りながらヘディングでのクリアを試みたが、これが味方のゴールネットを揺らしてしまい、痛恨のオウンゴール。早くも2点のリードを許してしまう。

 だが、この2失点で逆に目が覚めたF・マリノス。田中裕も「あれで皆がまとまったというか、気持ちがハッキリした部分はある」と、積極性を失うことなくゴールに向かっていく。25分、田中裕が左サイドから強いタテパスを送って、リターンパスを拾って粘り強くキープ。いったん戻して右へ振ると、狩野健太のダイレクトパスで崩しを図る。28分には、左で坂田大輔がキープすると、すかさず飛び出した山瀬幸宏がシュートを放つが、惜しくもGK西部洋平の好セーブに遭ってしまった。44分にも、CKのセカンドボールから狩野がクロスを上げる。田中裕がヘッドで流すと、ファーサイドの坂田へと渡る。だが、これも西部が飛び出してセーブした。

 後半、横浜FMは狩野に代えて清水範久を投入。左右のサイドを自在に動き回る清水の運動量が徐々に流れを引き寄せていく。だが、後半5分、フェルナンジーニョのカウンターパスから、前掛かりになった横浜FMの裏に抜け出た枝村匠馬を河合竜二が倒してしまい、得点機会阻止のレッドカードを受けて一発退場。横浜FMは2点のビハインドの上、1人少ない数的不利での戦いを強いられてしまう。

 横浜FMは山瀬幸をさげて、那須大亮をボランチに入れる。この那須が右サイドに果敢に顔を出し、高い位置からのボール奪取で攻撃を活性化させる。すると26分、左サイドでボールを持った清水が鋭いサイドチェンジ、右の田中隼磨がアーリークロスを送ると、ボールはファーサイドへこぼれる。そして、ここに走り込んでいた田中裕が左足を思いっ切り振り抜くと、逆の右サイドゴールネットを揺らして1点を返した。
 田中裕介のプロ初ゴールは前半のオウンゴールの汚名を挽回し、F・マリノスの息を吹き返す一撃だった。

 なおも横浜FMは28分、田中隼のクロスを那須がヘディングシュート。これはGK西部の正面を衝いた。32分には、坂田が落として山瀬功治のミドルシュート。DFのブロックに阻まれる。35分はフリーキックを栗原勇蔵が落として、最後は山瀬功のシュートがわずかにゴールポストの右をかすめてしまった。42分、44分にも那須がヘディングシュート。2本目のシュートはクロスバーを叩いてしまい、ロスタイムが「4分」と掲示されたときは、もうこれまでかと思われた。

 ところが、そのロスタイムに入った直後のこと。右コーナーキックを大島秀夫が頭で競って、味方が懸命にヘッドで押し戻したボールを、倒れたままの大島がアクロバティックに流し込んで、横浜FMはとうとう土壇場で同点に追いついた。
「追いついたときは完全にウチのペースだったので、90分で決めたかった」と大島。事実、その後も後半終了のホイッスルが鳴るまで、幾度となくチャンスはあった。大島もオーバーヘッドシュートで執念深くゴールを狙いに行った。

 降りかけた幕を強引に引っ張り上げた横浜FM。こうなったら、絶対に勝つ! と、延長開始直前には、監督・コーチ含めたスタッフ全員で円陣を組んで、気合を入れる。固唾を呑んで見守っていたメインスタンドのサポーターからも大きな声援が飛ぶ。

 だが、相手より1人少ない状況は120分を戦うにはあまりに厳しすぎた。エスパルスが数的優位を生かしたパスワークで、横浜FMの中盤・ディフェンスを切り崩して次々に追加点。延長前半だけで3点をあげて、勝負は決まったかに見えた。

 そのとき。あるいは延長後半のことだったか記憶は定かでないが、横浜FMサポーターが陣取るバックスタンドから大きな声がピッチに響いた。
「まだ試合は終わってないぞ!」
 延長後半11分だった。田中隼のクロスを大島がヘッドで落とすと、右から走り込んだ清水が意地のゴールを叩き込んだ。「3点目を取られても、皆は全然あきらめていなかったから」と清水。焼け石に水のようにも見えるが、横浜FMには、劣勢から後半、奇跡的に盛り返した頑張りを無駄にしなかった意味で、貴重な今季ラストゴールだったと言えよう。

 90分で終わったかもしれない試合を、意地で120分まで戦い抜いた横浜FM。だが、ついに終幕を迎えた。「いいときもあれば悪いときもあった。その波をなくすことが来季の課題」。無念の退場でピッチを後にした河合がつぶやいた。「最後の最後に、チームがまとまりを見せたことは良かった」。田中裕も、うつむかずにしっかり前を向いた。「だが結果がすべて。こういう状況になる前に、もっと一体感をもって臨める試合を増やしていかなければいけない」。最後にバスに乗り込んだ清水が、そう言い残して締めた。

 一方、苦しみながらも準々決勝進出を決めたエスパルス。ラッキーな形で2点先制しながら、その後の決定機を何度となく外したことが試合を苦しくした。長谷川監督も「90分間で押し切られそうだったが、何とかロスタイムで踏ん張り切れた」と胸をなで下ろした。後半途中、あるいは延長で投入された西澤明訓、原一樹のゴールで何とか試合をモノにした。一発勝負の天皇杯を勝ち抜くため、「この2人がラッキーボーイ的存在になってくれるか楽しみ」と、2週間後のガンバ大阪戦に向けて気を引き締めていた。

以上
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