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【FCWC エトワール・サヘル vs ボカ・ジュニアーズ】レポート:最後は経験と決め手の差。ボカが苦しみながらもエトワールを下し、順当に決勝進出!(07.12.13)

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12月12日(水) FCWC
エトワール・サヘル 0 - 1 ボカ・ジュニアーズ (19:30/国立/37,255人)
得点者:37' ネリ・カルドソ(ボカ・ジュニアーズ)

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「(ボカとの差を一言で説明すると?)経験とポテンシャルかな。1人1人が攻撃面で決め手を持っている。こちらがいくら集団で攻撃しても、ビッグチームというのは際立った個人が一瞬にして決めてしまう。ハイレベルな選手がチームを引っ張っていくんです」
南米王者のボカ・ジュニアーズに善戦しながらも敗れたエトワール・サヘルのベルトラン・マルシャン監督は潔くこう語った。フランス人指揮官の言う通り、エトワールはボカの「決定力」と「老獪さ」の前に屈した。

 とはいえ、この日は立ち上がりからエトワールの方が積極的だった。前半30分までは彼らがゲームを支配。ボカは名門らしからぬ戦いぶりで先行きが不安視された。それでも、たった1つの決定機を確実にモノにするのが南米王者だ。パレルモ(9番)が逆サイドへ流したパスにしても、パラシオ(14番)がDF2人を引きつけて出したスルーパスにしても、カルドソ(19番)の強烈な左足シュートにしても、実にハイレベルだった。こうしたディテールが積み重なって1つのゴールが生まれる。前半37分の先制シーンはボカの底力を存分に示すものだった。

 後半にボランチのバルガス(22番)が退場してからも落ち着いていた。終盤20分間はエトワールにプレッシャーをかけられ、途中出場のシウバ(7番)に決定的なダイビングヘッドを放たれたりもした。が、最後まで集中を切らすことなく相手を零封するあたりはさすがボカ。周囲からは内容に不満の声も飛び出したが、「自分たちが出せる力を出した」とルッソ・ミゲル・アンヘル監督は批判を一蹴。決勝進出を心から喜んでいた。

 7日から始まったFIFAクラブワールドカップ(FCWC)2007も準決勝へ突入。12日夜には東京・国立競技場でボカ対エトワールという「南米 対 アフリカ決戦」が行われた。前身のトヨタカップを3度制している(1977年、2000年、2003年 ※1977年はトヨタカップの前身である「インターコンチネンタルカップ」)ボカの登場とあり、アルゼンチンからやってきたサポーターも集結。国立競技場はかなりの盛り上がりを見せた。戦前の予想ではボカ優位と見られたが、9日のパチューカ対エトワール戦のような番狂わせもあり得る。ボカが意地と誇りを見せつけるのか。それともエトワールが一矢報いるのか…。試合の行方には注目が集まった。

 ボカの基本布陣は4−4−2。最終ラインをマイダナ(20番)、パレッタ(29番)の両センターバックが統率。イバーラ(4番)、モレル(3番)の左右のサイドバックも経験豊富である。中盤はダイヤモンド型。守備的な役割をバルガスが担い、右には2003年のタイトルを経験しているバタグリア(5番)、左にはテクニシャンのカルドソが入る。そして本来リケルメが入るトップ下には、予想されたグラシアンではなく、19歳の新鋭・バネガ(24番)が陣取った。2トップはベテランのパレルモとスピードを武器とするパラシオという組み合わせだ。一方のエトワールは、初戦の4−4−2から4ー5−1へとシステムを変え、中盤を厚くしてきた。1トップは若きエース・シェルミティ(9番)。パチューカ戦で決勝点を挙げたナリー(24番)はボランチに入った。

 9日のゲームでは自陣に引いてチャンスを伺ったエトワールだが、今回は立ち上がりから仕掛けていった。パチューカを破った堅守と速い寄せからボールを奪って攻めに転じる。前半30分までの動きはボカを上回っていた。が、肝心の得点機が作れない。シェルミティのところでボールが孤立する場面も目立った。

 初戦のためか、コンディションの悪さが気になったボカだが、一瞬のスキをついて相手DFを切り裂く。パレルモ→パラシオとつながったボールを絶妙のタイミングで受けたカルドソがゴール。37分に見せたこの連携は見る者の度肝を抜いた。これで心身ともに落ち着いたのだろう。ボカは安定したゲーム運びを見せるようになる。エトワールがより前がかりになってきても、最終ラインとGKカランタ(12番)が確実にセーブした。

 1点のビハインドを背負ったまま後半を迎えたエトワールのベルトラン監督は、競り合いに強いFWベンディファラー(28番)を投入。2トップにして得点を狙った。彼がターゲットとなってシェルミティが前線に飛び出す形も増えるが、ボカの巧みな守備にかわされてしまう。後半20分にボカのバルガスが退場し、エトワールは数的優位になった。ここで怒涛の攻めを仕掛け、後半44分には最大のチャンスを迎える。右サイドを駆け上がったフレジュ(13番)のクロスにファーサイドで反応したシウバがダイビングヘッド。これこそはゴールを割ったと思われたが、残念ながらサイドネット。彼らは最後までゴールをこじ開けられなかった。逆にボカは手堅い守りをベースにしながら、パレルモのヘッドやパラシオのドリブルシュートなど一瞬で決定機を作り出す。10人でも動じずにゴールを狙える「余裕」が伝統チームなのだろう。

 結局、ボカの前に屈したエトワール。けれどもマルシャン監督が「前半はボカに試合をさせなかったし、中盤も嫌がらせた。この戦いには大変満足している」と話したように、彼らの大善戦は賞賛に値する。まだ若いチームではあるが、パチューカを破った実力が偶然でなかったことをしっかりと証明した。

 ボカの方は内容的に改善すべき点が数多くあるものの、とりあえずファイナル行きの切符は得た。リケルメの不在に加え、今季国内リーグでの不振という不安材料を抱えながらの大会初戦だったが、この勝利で選手たちは自信を取り戻すはずだ。16日の決勝ではまた違った力も沸いてくるだろう。来るべきボカの本領発揮に大きな期待を寄せたい。

以上
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