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【第87回天皇杯準々決勝 鹿島 vs Honda FC】レポート:組織的守備のHonda FCに大苦戦を強いられるも、柳沢の決勝弾で4強進出を決めた鹿島。(07.12.23)

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12月22日(土) 第87回天皇杯準々決勝
鹿島 1 - 0 Honda FC (15:04/ユアスタ/8,573人)
得点者:110' 柳沢 敦(鹿島)
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 J1王者の鹿島アントラーズとJFL通年5位のHonda FC。看板だけ見れば、明らかに鹿島の方が優位なはずだった。しかし「組織的な部分が成熟していて、運動量が多い。厳しい相手だ」とオズワルドオリヴェイラ監督が試合前に語っていた通り、Honda FCは前線からの厳しいプレスで応戦してきた。ボールポゼッションでは上回りながらも、J1王者は勝負を決められない。12月8日のヴァンフォーレ甲府戦に続く2試合連続延長戦突入を余儀なくされる中、去就問題の渦中にある柳沢敦がついに均衡を破った。

 本山雅志のスルーパスに反応した興梠慎三がヒールで流したところに飛び込んだ30歳のストライカーは、相手GKの位置をよく見ながらシュートを決めた。この日は試合前から鹿島残留を願うサポーターの横断幕がスタンドのあちこちに掲げられるなど、柳沢自身、心中穏やかな状況ではなかっただろう。それでも彼はあくまで試合に集中し、ゴールという結果でサポーターへの感謝を表した。ベテランFWの2戦連発で、鹿島は11冠目達成へまた一歩近づいた。

 2001年元旦以来、7年ぶりの天皇杯タイトル奪還を狙う鹿島。22日15時から仙台・ユアスタ行われた準々決勝の相手はHonda FC。3回戦で東京ヴェルディ1969、4回戦で柏レイソル、5回戦で名古屋グランパスエイトを撃破してきたチームである。気温5.5度の肌寒さだったが、興味深い一戦とあって8000人以上の観衆がスタジアムに集まった。
 今季J1チャンピオンに取りこぼしは許されない。オズワルドオリヴェイラ監督も現状でのベストといえる11人をピッチに送り出した。一方のHonda FCも予想通りの4−4−2。スピードある鈴木弘大(11番)と高さのある新田純也(9番)の2トップの動きに注目が集まった。

 Honda FCは立ち上がりから組織的守備で鹿島に立ち向かった。彼らの豊富な運動量、球際の厳しさ、寄せの素早さは試合前の予想をはるかに超えていた。鹿島の岩政大樹も「考えていた以上にいいチームだった」と驚きを口にしていた。徹底した守りにあい、鹿島は思うようにリズムを作れない。「個人個人の技術や判断のスピードが違った」とHonda FCの石橋眞和監督はコメントしていたが、それだけでは勝利に直結しないものサッカーである。鹿島はスムーズにボールを回せず、決定機も作れない。前半のビッグチャンスは小笠原満男のFKに大岩剛、田代有三が飛び込んだ30分と42分の場面のみ。パスが来ないマルキーニョスも苛立ちを隠せなかった。

 後半に入っても鹿島は大きく流れを変えられない。時には逆襲を食らい、新田や土屋貴啓(16番)に決定的なシュートを打たれる場面さえあった。厳しい展開を強いられるチームを外から眺めていた柳沢は「相手のラインが非常に高かったので、いい形でボールを奪って、中盤がいい形でボールを持てればチャンスになる」と考えていたという。
 その彼が、疲れの見える田代に代わって後半27分に登場。マルキーニョスと絡みながら相手守備陣を引っ張ろうとする。そして、流れが微妙に鹿島に傾きつつあった37分、Honda FCのボランチ・糸数昌太(18番)が2枚目の警告を受けて退場。これで彼らは前線からのプレスにいけなくなり、自陣に引いて守らざるを得なくなる。「糸数の退場が響いてしまった」と石橋監督も試合後、悔しそうに話していたが、Honda FCにとっては痛すぎるアクシデントだった。

 これを機に、鹿島はようやく落ち着いてボールを持てるようになる。90分間では勝負を決められなかったが、延長に入ってからは数的優位の状況を生かしながら繰り返し攻撃を仕掛けた。オズワルドオリヴェイラ監督も「延長に入る前にサイドで2対1の状況を作って崩せと指示をした。さらに小笠原を中央に置いてボールを左右に散らすようにした」と話したが、まさに狙い通りの崩しが多くなる。試合開始直後から走り続けてきた、タフなHonda FCの選手たちといえども、もはや体力の限界を超えてしまったようだ。

 延長後半5分の柳沢の決勝弾はその延長線上で生まれた。本山がスルーパスを出した瞬間の柳沢と興梠の飛び出しの鋭さ、ペナルティエリア内で交差する動きは見る者を唸らせるハイレベルなものだった。「スムーズに崩せた。慎三も簡単にやって難しい落としを僕にくれたし、モト(本山)も含めて素晴らしい流れだった。得点できてよかった」と柳沢もさまざまな雑音を封じるかのように、清々しい笑顔を見せていた。

 1−0という結果ではあったが、やはり鹿島は勝つべくして勝ったといえる。1点を奪うまでに時間がかかったものの、岩政や大岩を軸とした守備陣は決して慌てることがなかった。落ち着いた守りがあったからこそ、チーム全体が焦れることなく、最後の最後に勝利を引き寄せることができた。安定感ある守備が今季終盤戦の連勝の原動力になっていることを忘れてはいけない。この調子であと2つ勝ちきり、今季2冠を果たしたい。

 対するHonda FCの大健闘も賞賛に値する。彼らの厳しい寄せ、出足の鋭さ、セカンドボールを拾い続ける献身的な姿勢はJリーグのチームでも滅多にお目にかかれないものだった。もしもこのチームに決め手を持った選手がいれば、鹿島を倒していた可能性も大いにあった。石橋監督も「我々の飽くなき姿勢は評価されるべき」と胸を張っていたが、本当に8強で負けてしまったのが惜しいくらいの好チームだった。今回の彼らは天皇杯という大会の醍醐味を存分に示してくれたといえる。

以上
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