12月29日(土) 第87回天皇杯準決勝
川崎F 0 - 1 鹿島 (15:00/国立/22,457人)
得点者:72' 本山雅志(鹿島)
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左アウトサイド・村上和弘がディフェンスライン裏に抜け出してGK曽ヶ端準と1対1になった前半11分のビッグチャンスを皮切りに、90分間で4〜5回の得点機を作り出した川崎フロンターレ。クラブ初タイトルを目指す彼らの決定機は鹿島アントラーズより確実に多かっただろう。だが、彼らは何を持ってしても、岩政大樹や曽ヶ端ら鹿島守備陣の分厚い壁を崩しきれなかった。
ジュニーニョと鄭大世の強力2トップ、トップ下のマギヌン、そしてゲームメーカーの中村憲剛の4人を消すために、鹿島オズワルド オリヴェイラ監督が採った策は「マンツーマンディフェンス」だった。が、そのやり方は9月1日のJ1第24節(鹿島ホーム)の時とは微妙に違っていた。前回は青木剛をジュニーニョにつけて密着マークさせたのだが、今回は岩政、大岩、青木、小笠原満男が流動的にマークを受け渡しながら守ったのだ。このやり方が見事なまでに機能。川崎Fは攻め手を失っていった。さらに背後に陣取る守護神・曽ヶ端がスーパーセーブを連発。どこまで行っても決して失点を許さなかった。
そんな堅守に後押しされた切り込み隊長・本山雅志が後半27分、ワンチャンスを確実にモノにする。田代有三が競ったボールが前線にこぼれ、DFがクリアしようとしたところに飛び込んだ背番号10が豪快に右足シュートを叩き込む。長い間「常勝軍団」と呼ばれたチームらしい老獪なサッカーで、鹿島は今季2冠達成へ王手をかけた。
2007年も残すところあと3日。29日の東京・国立競技場は前夜からの雨が止み、キックオフ時には気温が13.3度まで上がるなど、まずまずのコンディションに恵まれた。
今季はアジアチャンピオンズリーグ(ACL)初参戦ながら決勝トーナメント進出の快挙を果たした川崎F。だが結局、ACLは準々決勝で敗退。J1は5位、Jヤマザキナビスコカップも準優勝と無冠のまま来てしまった。それだけに、天皇杯にかける意気込みは凄まじいものがあった。この日は10月末から左太もも負傷で長期離脱していたマギヌンが復帰。谷口博之の出場停止は痛かったが、それでも爆発的な攻撃力は健在だ。鹿島の方はJ1終盤戦の連勝を演出してきた最強イレブンが先発。2試合連続決勝ゴールを決めている柳沢敦はベンチスタートとなった。
川崎Fは立ち上がりからジュニーニョの速さ、鄭の力強さを前面に押し出してきた。マギヌンも小気味いい動きでリズムを作り、中村も鋭いパスワークを見せ付ける。右サイドの森勇介が果敢に勝負を挑み、左サイドの村上も裏に抜け出すなど、川崎Fらしい超攻撃的サッカーが早い時間から見られた。11分の村上の決定機に続き、22分にも村上が同じような形からシュートを狙う。前半の早い時間帯は彼らが主導権を握っていた。
10月10日のJリーグヤマザキナビスコカップ準決勝・ガンバ大阪戦(アウェー)以降、2ヶ月以上も勝ち続けている鹿島だけに、そんな川崎Fに対しても、普段通りのサッカーで応戦すると見られた。しかしオズワルド オリヴェイラ監督は相手の長所を警戒。それを徹底的に消す必要があると考えたのだろう。攻撃のキーマン4人にマンマーク気味に行ってフリーにさせないようにしたのだ。川崎Fのカウンターには何度かヒヤリとさせられたが、危ない場面は全て断ち切った。鹿島は予定通り、無失点で前半を折り返した。
後半も立ち上がりの時間帯が勝負どころと位置づけた関塚隆監督は、再び怒涛の攻めを指示した。2分にはペナルティエリア内で小笠原からボールを奪った中村がドリブルから強引にシュート。これはわずかに枠を外れてしまう。今度は16分、ジュニーニョがドリブルで内田篤人をかわしてゴール前でフリーになるが、肝心のシュートがクロスバーの上。どうしても得点に結びつかない。18分の鄭の決定機も曽ヶ端のスーパーセーブに止められた。中村も「決めるべきところで決めておかないとこういう試合には勝ちきれない」と悔しがるしかなかった。
鹿島の方はこういう展開を待っていたに違いない。後半27分、川崎Fが一瞬集中を切らしたところでついに均衡を破る。GK曽ヶ端からのロングボールを田代が競って落としたのが始まりだった。これが相手DFに当たって中央にこぼれ、飛び込んだ本山が強引に右足を振りぬいた。川崎の守護神・川島永嗣も両手を伸ばしたが届かず、次の瞬間、鹿島に値千金の1点が転がり込んでいた。
堅守で相手を焦らし、数少ない決定機をモノにする…。鹿島が「常勝軍団」といわれた頃はいつもそんな戦い方で勝っていた。この伝統は今、チームに蘇りつつある。オズワルド オリヴェイラ監督も「最近の練習や試合で選手たちを見ていると、本当に自信に満ち溢れている。シーズン当初から積み重ねてきたことで何をすべきかしっかり整理ができているし、結果もついてきている。私の方が心強さをもらっているくらいだ」と、選手たちの勝負強さを賞賛していた。
もちろん、川崎Fも最後まで1点を追い続けた。関塚監督は井川祐輔、久木野聡らを投入。基本布陣を3−5−2から4−4−2、最終的には4−3−3の攻撃的布陣にして1点を取りに行った。が、結局、無得点のままタイムアップの笛。初タイトルを狙った川崎Fの悲願達成は来季へと持ち越しとなった。キャプテン・伊藤宏樹は「タイトルを獲ると公言してきたけど、結果的にできなかった。それでも今季の川崎Fはいろんな経験をして、確実に力をつけている」と強調していた。肝心なところで勝ち切る強さをどう身につけるか。それが来季の課題になってくるだろう。
J1王者の意地を見せつけた鹿島は今季2冠へあと1勝と迫った。ファイナルの相手・広島とは今季3勝1敗。戦績も悪くない。9冠から10冠までは5年も足踏みした彼らだが、2008年元日に11冠目を達成している可能性は大いにありそうだ。
以上
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