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【第87回天皇杯決勝 広島 vs 鹿島】広島レポート:J1王者の前に屈した広島。しかし、この悔しさを、強い勝利への想いを持ち続けたい。失った誇りを取り戻し、サポーターと笑い合うために。(08.01.02)

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1月1日(火) 第87回天皇杯決勝
広島 0 - 2 鹿島 (14:02/国立/46,357人)
得点者:8' 内田篤人(鹿島)、89' ダニーロ(鹿島)
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 すべてにおいて、J1王者が一枚上なのは、当たり前だ。

 方程式のようにこう割り切れてしまえば、どんなに簡単だろう。だが、サッカーに世界中が魅了されるのは、「GK以外手を使えない」というルールが生み出す「不確実性」なのではないか。例えば、1996年のアトランタ五輪。日本代表は、ブラジルに勝利した。方程式では絶対にありえないのに、である。

 当時の日本とブラジルの間に存在した差が、鹿島と広島にあっただろうか。
 否。ありえない。

 つまり、サッカー的に言えば、広島には十分に鹿島に勝つチャンスはあった。失点は前半8分。まだ、82分間ある。そこから、ゲームをひっくり返せばいい。しかし、その希望は、試合が進むにつれて、打ち消された。

 例えば鹿島の球際は強靭で、競り合い時の強さは広島にないもの。広島がようやく形にし始めた「全員守備」も、鹿島は完全に自分たちのものとしていた。FWもトップ下も、猛然と守備に参加する。その守備が広島の攻撃を寸断し、速攻で広島守備陣は常に脅かしされていた。

 その上、鹿島の広島研究は、徹底していた。例えば、情報が足りないはずの高萩洋次郎の怖さを、彼らは認識していた。
 高萩の本質は、パッサー。周囲を走らせるプレーが特徴だ。したがって高萩には、パスを出すためのスペースが必要なのだが、それを鹿島は消した。高萩がボールを持つと強烈なプレスを仕掛ける。高萩はいい姿勢でボールを持つことができず、得意なサイドチェンジも封じ込まれてしまった。スコアこそ、1−0。しかし、前半の広島はほとんど何もできず、スコア以上の大きな差を感じさせた。

 そのままであれば、まさに方程式どおり。しかし、後半広島は、その方程式を打ち破らんとする。「僕ら中盤とFWの距離が遠くなっていたから」と判断した森崎和幸は、他の2人のMFと話し合い、ボランチに位置していた森崎浩司の位置をトップ下にあげたのだ。
 「システムを変えて、後半はバランスが良くなった」と高萩は語る。実際、前半は全く縦パスが入らなかったのだが、後半になると最終ラインからMF、FWの位置関係が適正になり、ボランチからFWにクサビが入るようになったのだ。

 だが、鹿島の研究の跡は、ここでも見られる。平繁龍一のプレーが広島の攻撃を形づくっていたのだが、そこに岩政大樹や大岩剛がプレスをかけて、平繁から自由を奪っていたのである。このため、MFが余裕を持って前を見ることができず、結果として広島の得意とする「3人目」「4人目」と動き出す時間や余裕が、彼らから失われてしまった。

 結局、広島の武器は駒野友一の右サイドアタックだけ。さすがとも言える突破力は、再三、鹿島を苦しめた。実際、数少ない決定機の多くは、駒野から生まれていた。さすがの鹿島も、駒野のキレまでは抑えきることができなかった。
 しかし、その数少ない決定機をミスで失ってしまっては、広島に勝ち目はない。ロスタイムにはダニーロにゴールを叩き込まれ、広島は屈した。

 J2陥落が決まって以降、広島は見事な戦いで決勝にまで進出した。磐田・F東京・G大阪と連破。その結果が重要なのではなく、「これが広島のサッカーだ」と胸を張れる内容を伴っていることが、素晴らしかった。この日は確かにそれができなかったが、しかし、だからといって、彼らのなし遂げたことの価値が減ってしまうことではない。

 しかし、負けは負け、である。「タイトルをとってこそ、J2陥落に対する責任の取り方の第一歩。それができなかったことは、サポーターに対して申し訳ない」と森崎和幸は語っていた。J2陥落によって失ったサポーターの信頼回復は、「J1にあがってこそ」(森崎浩司)であることは確か。しかし、J1王者を倒して天皇杯を獲得してサポーターを歓喜させよう、という選手たちの願いは、達成できなかった。

 「私は、準優勝メダルよりも、もっと大きなメダルをこのチームで手に入れる。だから、今日のメダルは、すぐに外したんだ」

 イリアン・ストヤノフの言葉である。彼のような勝利への想いを、どれだけ強く持ち続けられるか。失った誇りを取り戻し、サポーターと笑い合うために、もっとも必要な要素だろう。

以上

2008.01.02 Reported by 中野和也
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